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『Curse Nightmare Party』-邪眼妖精が征くVRMMO  作者: 栗木下
8章:『悲しみ凍る・怒り飲み込む呪地』

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470:リベンジカースズ-5

「ーーーーー!」

 戦闘開始と同時に、こちらの姿を見ていたプレイヤーや周囲の雑魚カースの姿が消え、再戦場所の足場を囲む木と木の間からズワムが顔を見せる。

 サイズは……劣化個体であるためか、一回りくらい小さくなっている気がする。

 それでも小人は必須のサイズだが。


「なんにせよ。まずはcitnagig(シトナギグ)小人の邪眼・1(タルウィミーニ)』。からの『灼熱の邪眼・2(タルウィスコド)』」

「!?」

「ま、最初はこうでチュよね」

 と言う訳で、まずは小人付与。

 続けて反撃光球に備えて、眼球ゴーレムを使った『灼熱の邪眼・2』を単発で撃ち込む。


「ーーーーー!!」

「さ、ここからね」

「でチュねー」

 ズワムの体から紅色の光球が放たれ始めると共に、こちらを飲み込むべく突進を仕掛けてくる。

 私と化身ゴーレムはそれを冷静に回避すると、手持ちの武器で適当に殴りつける。

 そして『小人の邪眼・1』のCTが明けるのを待つ。

 なお、最初の足場だけで戦う意味はないので、私も化身ゴーレムも、さらに言えばズワムも、とっとと最初の足場の外に出ている。

 空間が切り換えられているようなので、他のプレイヤーやカースの姿はなく、戦いに巻き込む可能性は考えなくていいようだ。


「おっ、こうなるんでチュか」

「へぇ。これなら呪術の切り替えは考えなくてよさそうね」

 そうしてズワムの攻撃を回避をしている中、ズワムの光球を化身ゴーレムの剣が無効化し、反撃の光球を放ち、当てた。

 するとズワムの目の色がデフォルトのものに変化し、放たれる光球の色も白色のものになった。

 どうやら、ズワムの受けた呪術に応じた反撃をするという能力に対処できるらしい。


「では、色々と乗せていきましょうか。宣言するわ。ズワム、アンタに毒の王の槍を撃ち込んであげる。etoditna(エトディトナ) eniccav(エニッカヴ) htlaeh(フトラエ) |ssenihtlaehッセニフトラエ |citerypitnaシテリピナ |tnasserpeditnaトナッセルペヂトナ |yrotisoppusイロチソップス毒の邪眼(タルウィベーノ)・3(プレイグ)』」

「ーーー!」

 ズワムに『毒の邪眼・3』を撃ち込む。

 乗せた呪法は5つ、回避を優先する都合で『呪法(アドン)極彩円(サークル)』と『呪法(アドン)逆残心(スペルビア)』は使えないが、他はきっちり乗せた。

 さて、与えた状態異常は……毒(204,853)。

 やはり、乗せる呪法が減ると、それだけ威力が落ちるか。


「チュアっと」

「ーーー……」

 そうして毒を撃ち込んだ直後に化身ゴーレムの反撃光球が命中したので、ズワムの反撃光球はこれで気にしなくてよくなった。

 さて、そろそろか。

 ズワムの口から深緑色を主体とした光が漏れ始める。

 怪光線だ。


「ーーーーー!!」

 毒のスタック値が半減し、怪光線が放たれる。

 そして放たれている間、ずっと毒のスタック値が減り続けていく。


「ーーー……」

「『毒の邪眼(タルウィベーノ)・3(プレイグ)』」

 10秒ほどで怪光線終了。

 毒のスタック値は……10万を切っている。

 なので、『毒の邪眼・3』を撃ち込んで、毒のスタック値を増やす。


「私が言うのもなんだけど、状態異常のスタック値半減って鬼畜よね……」

「一瞬で減らされるわけでチュからねぇ」

「ーーーーー!」

 そうして毒を与えた後、私も化身ゴーレムも距離を取らずに、武器による追撃を加えていく。

 勿論ズワムは反撃光球だけでなく、体当たりも仕掛けて来るし、いつの間にか逆立っている鱗もあるが、これらは冷静に立ち回れば、何とかはなる。

 超高速で迫ってくるが、先読みと反射で何とかはなる。


「ーーーーー……」

「む……」

「チュ……」

 と、不意にズワムが動きを止める。

 私も化身ゴーレムもズワムの見慣れぬ動きに急いで距離を取る。


「ーーー!」

「うわぁ」

「厄介でチュねぇ」

 私たちが距離を取り始めてから、時間にしておよそ3秒ほど経った後。

 ズワムの全身から砂が噴射されて、その姿が砂煙の向こうに消える。

 音からして、飢渇の泥呪の海へ潜行したようだ。


「これは……強制的に距離を取らされる感じかしらね」

「ぽいでチュねぇ……」

 私は上昇。

 更に周囲を警戒する。

 ついでに呪詛の槍も用意して、出て来ると同時に仕掛けられるようにしておく。


「ーーーーー!!」

 ズワムが現れる。


etoditna(エトディトナ)毒の邪眼(タルウィベーノ)・3(プレイグ)』」

「ーーーーー!!」

 現れたズワムは砂の竜巻をこちらに向かって吐き出してくる。

 対する私も呪詛の槍を飛ばして、スタック値を稼ぐ。


「とっとと接近するわよ」

「言われなくてもでチュ」

「ーーーーー!」

 ズワムは近くの熱拍の樹呪の葉を食べるべく、移動を始める。

 アレを放置していたら、HPを回復されてしまう。

 で、この行動だが……恐らくだが、私たちが場外で戦闘を行えて、阻止が可能だからこそ、ズワムの行動の選択肢に加わったのではないかなと思う。

 普通のプレイヤーでは対処不可能だろうし。


「ー!?」

「はい、射程圏内」

 とりあえず『呪圏・薬壊れ毒と化す(ダマーヴァンド)』の射程圏内にズワムを収めた。

 なので、HPを回復をしようとしたズワムは回復できず、食あたりになったかのように食べたものを吐き始める。


「沈黙は大丈夫でチュか?」

「勝手に入っているから大丈夫よ」

 さて、こうなってくるとそろそろ聴覚喪失からの即死攻撃が始まるわけだが……『毒の邪眼・3』の伏呪には沈黙が混ざっているので、問題なく防げるはずだ。


「~~~~~」

「さあ来たわね」

 そうして、無事に接近したところで、独特な音が鳴り始めた。

 前回は毒縛のボーラで対処したが、今回は……


「加速するでチュ」

 化身ゴーレムに対処してもらうとしよう。

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― 新着の感想 ―
[一言] ≫それだけ威力が落ちるか 威力が落ちるとか言うけどスタック値20万とかだしてたら十分ではなかろうか
[一言] 読者2「半減してもすぐにスタックが溜まる件」 タル「半減されたらたまったものじゃないわね」 読者2「どの口が言ってるんですか」
[一言] 初投稿です1話からようやく最新話まで読めました。 タルさんのスリップダメの凄まじさに草しか生えませんwww そして数話後にあるであろう掲示板回が阿鼻叫喚(割といつものこと)待ったなしです…
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