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『Curse Nightmare Party』-邪眼妖精が征くVRMMO  作者: 栗木下
8章:『悲しみ凍る・怒り飲み込む呪地』
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467:リベンジカースズ-2

≪大型ボス『加工の海月呪』カロエ・シマイルナムンとの共同戦闘を開始します。現在の参加人数は1人です≫

『ーーーーー!!』

「んー……ちょっと小さくなっているかしら」

「でチュね」

 カロエ・シマイルナムンとの戦闘エリアに入ると同時に、カロエ・シマイルナムンが透明な壁の向こう側に出現。

 咆哮を上げる。

 ただ……私のレベルと異形度のせいか、それとも劣化版で幾らか小さくなっているためか、威圧感はない。


「とりあえず、ysion(イシオン)沈黙の邪眼・2(タルウィセーレ)』」

『ーーー!?』

 とりあえず絶叫攻撃がうざったいと言うか、きちんと封じないといけないので、『沈黙の邪眼・2』を『呪法(アドン)方違詠唱(ハイキャスト)』、『呪法(アドン)破壊星(ミーティア)』、『呪法(アドン)極彩円(サークル)』、『呪法(アドン)呪晶装填(ブースト)』の四つを乗せて撃ち込む。

 与えた沈黙は……1,849。

 まあ、これで戦闘が終わるまでは黙り続けるだろう。


『ーーーーー!』

「ザリチュ」

「分かっているでチュよ」

 カロエ・シマイルナムンは反撃を試みて、透明の壁に付いている穴から触手をこちらに向かって伸ばしてくる。

 だがしかし。


「チュラッハァ!」

『!?』

 巨大な触手による攻撃を化身ゴーレムは盾で問題なく弾き、更にそこから一歩踏み込んで剣で触手を攻撃。

 切断する。

 うん、これならば守りは任せていいし、気兼ねなく進めるとしよう。


「宣言する。糞雑魚海月。アンタの頭に深緑色の星をぶち込んで、毒の沼に沈めてあげる」

『ーーー!?』

「はいはい、通さないでチュよー」

 まずは『呪法(アドン)呪宣言(ロックオン)』を発動。

 深緑色の呪詛の円、呪詛の星、呪詛の種を展開。

 私は呪詛の星と種を一つにした上で飛ばしつつ、13の円の内側で詠唱を開始。


etoditna(エトディトナ) eniccav(エニッカヴ) htlaeh(フトラエ) |ssenihtlaehッセニフトラエ |citerypitnaシテリピナ |tnasserpeditnaトナッセルペヂトナ |yrotisoppusイロチソップス……」

『ーーーーー!』

「無っ駄でチュよー」

 私の詠唱に応じる形で深緑色の結晶が生成され、射出されたそれは空中で呪詛の星と合流。

 呪詛の星はその輝きを増していく。

 なお、こうしている間もカロエ・シマイルナムンは私への攻撃を試みているが、その全てを化身ゴーレムが的確に叩き落し、弾き飛ばしている。


「『毒の邪眼(タルウィベーノ)・3(プレイグ)』」

『!?』

 呪詛の星がカロエ・シマイルナムンの頭部に直撃。

 同時に私の13の目が深緑色に輝き、伏呪付きの『毒の邪眼・3』が発動。

 しっかりと決まったことを認識した私は全ての目を瞑る。


「~~~……」

 私はそのまま軽く鼻歌を歌い、右手で持ったネツミテを軽く回して尖端を床に付ける。

 化身ゴーレムが頑張っている音がしているからこそ、私は隙だらけの姿を晒し、周囲の呪詛をカロエ・シマイルナムンに流し込んでいく。

 そして、5秒経ち、『毒の邪眼・3』の使用後CTが明けたところで目を開ける。


「さ、宣言通り毒の沼に沈みなさい」

『!?』

 深緑色の蔓に全身を覆われかけていたカロエ・シマイルナムンの動きが一気に鈍くなっていく。

 毒のスタック値が凄まじい勢いで伸びていく。

 最終的な状態異常は……毒(999,999)。

 あ、うん、『毒の邪眼・3』で出せる範疇においてのカンストをしたな、これは。

 と言うかだ。


『……』

「これ、重症化してる?」

「重症化していると思うでチュよ」

 カロエ・シマイルナムンの全身から力が抜けると共に痙攣、口からは深緑色の泡を吐いており、身動きが取れなくなっているようだ。

 どうやら、このレベルの毒となると、劣化版のレイドボスでは耐えられないらしい。


「うーん、オーバーキルね……」

「でチュねぇ……」

 『呪法・呪宣言』、『呪法・極彩円』、『呪法・方違詠唱』、『呪法・破壊星』、『呪法・呪晶装填』、『呪法(アドン)感染蔓(スプレッド)』、『呪法・逆残心』、計七つの呪法に、並ではないカースを相手に出来る参の位階の呪術『毒の邪眼・3』。

 これらにExpブースターと『死退灰帰』に付随する異形度上昇の効果が組み合わさった結果だが……完全なオーバーキルである。


『ーーー……』

≪大型ボス『加工の海月呪』カロエ・シマイルナムンが討伐されました。共同戦闘を終了します。報酬はメッセージに添付してお送りいたします≫

「あ、死んだ」

「ダメージ判定何回分だったんでチュかねぇ?」

 とまあ、そんなことを考えている間にカロエ・シマイルナムンは絶命。

 その姿は消えていった。


「えーと報酬は……まあ、悪くはないわね」

 報酬は心臓以外の素材が一式。

 歯と目玉は二つあるか。


「これからどうするでチュか?」

「んー……正直、弱体化したとはいえ、一分かからないとは思ってなかったのよねぇ……」

 消費はそれなりにあるが、セーフティエリアに入れば問題のない程度の消費。

 精神面での消耗は皆無と言うか、半ば呆れている。


「ザリチュ。同等の火力をデンプレロに撃ち込めたなら、火力としては十分よね」

「十分だと思うでチュよ。まあ、劣化版は見た事がないから、想像の外には出ないでチュが」

「じゃ、行きましょうか。あ、一度配信は切らせてもらうわよ。10分くらいして、デンプレロ戦の直前になったら配信を再開するわ」

 と言う訳で、私は配信を一度切ると、カロエ・シマイルナムンとの戦闘場所から直接『理法揺凝の呪海』に移動し、そこからデンプレロとの再戦場所に移動した。

 で、配信を再開すると、デンプレロとの戦闘を開始した。

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― 新着の感想 ―
む、むごい・・・
[一言] クソ雑魚海月さんチーっす
[一言] 本物の糞雑魚海月のHPを考察すると多く見積もってもHP150万前後くらいしかないだろうし、 劣化糞雑魚海月のHPじゃ、下手したら1回の判定で乙った可能性も出てくるよね。2回目の判定があったと…
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