440:バブルワールドシーク-6
「さて、脱出の前に回収できるだけのアイテムを……」
「させてはくれないようでチュね」
伏呪の草呪が倒れ、『理法揺凝の呪海』に繋がる門が出現すると同時に、『暴れ続ける灰の谷』と言う泡沫の世界は崩壊を始めていた。
私たちが今居る広間の外に出る事は当然無理だが、伏呪の草呪の死体を残らず回収すると言うのも難しいようだった。
と言う訳で、脱出が間に合わずに全てを失うのも馬鹿らしいので、私は伏呪の草呪の死体から無事そうな部分……花の中心、胚珠に当たるであろう部分にあった、黄色い球体を回収すると、『暴れ続ける灰の谷』を後にした。
≪タルのレベルが28に上がった≫
「あ、このタイミングで上がるのね」
『理法揺凝の呪海』に移動したところで、レベルアップを告げる音声が響く。
『稲妻走らせる鉄塔の森』の時も脱出時に称号が手に入っていたことを考えると、泡沫の世界の中にいる間はレベル上昇や称号獲得が発生しないようになっているかもしれない。
その方が脱出失敗時の処理が煩雑にならないだろうし。
△△△△△
『虹瞳の不老不死呪』・タル レベル28
HP:572/1,270 (-375)
満腹度:47/150 (-45)
干渉力:127
異形度:21
不老不死、虫の翅×6、増えた目×11、空中浮遊、呪圏・薬壊れ毒と化す、遍在する内臓
称号:『呪限無の落とし子』、『生食初心者』、『ゲテモノ食い・3』、『毒を食らわば皿まで・3』、『鉄の胃袋・3』、『暴飲暴食・3』、『大飯食らい・2』、『呪物初生産』、『呪術初習得』、『呪法初習得』、『毒の達人』、『灼熱の名手』、『沈黙の名手』、『出血の達人』、『淀縛使い』、『恐怖の名手』、『小人使い』、『暗闇使い』、『乾燥使い』、『魅了使い』、『重力使い(増)』、『呪いが足りない』、『かくれんぼ・1』、『ダンジョンの創造主』、『意志ある道具』、『称号を持つ道具』、『超克の呪い人』、『1stナイトメアメダル-3位』、『2ndナイトメアメダル-1位』、『3rdナイトメアメダル-赤』、『七つの大呪を利する者』、『邪眼術士』、『呪い狩りの呪人』、『呪いを支配するもの』、『偽神呪との邂逅者』、『呪限無を行き来するもの』、『砂漠侵入許可証』、『火山侵入許可証』、『虹瞳の不老不死呪』、『生ける呪い』、『雪山侵入許可証』、『海侵入許可証』、『いずれも選ばなかったもの』、『呪海渡りの呪人』、『泡沫の世界の探索者』
呪術・邪眼術:
『毒の邪眼・2』、『灼熱の邪眼・2』、『気絶の邪眼・2』、『沈黙の邪眼・2』、『出血の邪眼・1』、『小人の邪眼・1』、『淀縛の邪眼・1』、『恐怖の邪眼・3』、『飢渇の邪眼・1』、『暗闇の邪眼・2』、『魅了の邪眼・1』、『石化の邪眼・1』、『重石の邪眼・2』、『禁忌・虹色の狂眼』
呪術・原始呪術:
『不老不死-活性』、『不老不死-抑制』、『風化-活性』、『転写-活性』
呪術・渇砂操作術-ザリチュ:
『取り込みの砂』、『眼球』、『腕』、『鼠』、『化身』
呪法:
『呪法・増幅剣』、『呪法・感染蔓』、『呪法・貫通槍』、『呪法・方違詠唱』、『呪法・破壊星』
所持アイテム:
呪詛纏いの包帯服、熱拍の幼樹呪の腰布、『渇鼠の帽子呪』ザリチュ、『太陽に捧げる蛇蝎杖』ネツミテ、『呪山に通じる四輪』ドロシヒ、鑑定のルーペ、毒頭尾の蜻蛉呪の歯短剣×2、喉枯れの縛蔓呪のチョーカー、毒頭尾の蜻蛉呪の毛皮袋、フェアリースケルズ、蜻蛉呪の望遠鏡etc.
所有ダンジョン
『ダマーヴァンド』:呪詛管理ツール、呪詛出納ツール、呪限無の石門、呪詛処理ツール、呪詛貯蓄ツール×5設置
システム強化
呪怨台参式・呪詛の枝、BGM再生機能、回復の水-2、結界扉-2、セーフティ-2
▽▽▽▽▽
「ざりちゅの化身ゴーレムのステータスはそのままでチュから、後で作り直してほしいでチュ」
「ん、分かったわ。そうね……ザリチュの装備品を作る時についでに作り直すつもりで行きましょうか」
「分かったでチュ」
化身ゴーレムのステータスは変わらずなのか。
当然の処理とも言えるが。
「さて、回収出来たアイテムの方はっと」
では、成果物の確認である。
と言う訳で鑑定。
△△△△△
伏呪の草呪の胚珠
レベル:25
耐久度:100/100
干渉力:120
浸食率:100/100
異形度:18
成長すれば伏呪の草呪の種子になっていた部分。
伏呪と言う二段構えの呪いを扱えるようになる可能性を含んでいる。
▽▽▽▽▽
「当たりっぽいわね」
とりあえず毒泡生みの種よりは扱い易いと言うか、色々と期待できる気がする。
ああでもだ。
毒泡生みの種、それに『ダマーヴァンド』で取れるアレ、この二つに胚珠、それと他に幾つかのアイテムを組み合わせて、その上でそういう方向に呪怨台で呪えば……面白いものが出来るかもしれない。
幾つかの懸念事項がないわけではないが、やる価値はありそうだ。
「ん?」
そんな風に考えていた時だった。
私はどこからか視線を感じ、そちらの方を向ける目は全てそちらの方を向かせる。
視線を感じた方向にあったのは……何処かに向かって飛んでいく閃光と言う、『理法揺凝の呪海』では腐るほど見るものだった。
「どうしたんでチュか?」
「ちょっと視線を感じたのよね」
「視線でチュか」
そう腐るほど見ている。
だが、あの閃光は、この場所の特徴から考えて、転移している最中のプレイヤーであると考えられる。
そんな閃光から視線を感じたとなればだ。
「たるうぃと同じような、もの好きが居たと言う事でチュねぇ」
「まあ、そうなるでしょうねぇ」
転移中に結界扉を開けて、『理法揺凝の呪海』を覗き見たのだろう。
「ま、いい事ね。上手くいけば後追いになってくれるわ」
「でチュねー」
まあ、『理法揺凝の呪海』は存在さえ知っていれば、誰でも入ってこれるような場所だ。
エリアのスケールからして、全プレイヤーが来たとしても、なお混雑とは縁遠いくらいには広く、私一人で探索し切れるような場所でもない。
よほど変なのが来るならばまだしも、そうでないなら後追いは大歓迎である。
「個人的にはクカタチあたりが知っておいてくれると、色々とスムーズに行きそうな気もするけど……」
「そう言えば他のプレイヤーのダンジョンってどうなっているんでチュかねぇ……」
「『理法揺凝の呪海』から見る限りでは、呪限無に通じているダンジョンは現状ではなさそうなのよね。ただ、個人ダンジョンに繋がる未攻略の呪限無は、暴走系の問題が発生しない限りは『理法揺凝の呪海』には現れないとかもありそうな気がするのよね」
「まあ、自分に合わせた呪限無なのに、いきなり誰かが脇から入ってきて攻略されるとか、やっていられないでチュからねぇ」
私とザリチュは『理法揺凝の呪海』を流れて回り、問題が発生していない事を確かめていく。
そうして一通り確かめ終えると、『ダマーヴァンド』に帰還する。
「さて、とりあえず喉枯れの縛蔓呪を収穫しに行きますか」
「そこは倒しに行くと言うべきなんじゃないでチュかねぇ……」
で、『ダマーヴァンド』に戻った私は、そのまま『熱樹渇泥の呪界』に向かい、降下、一番最初に遭遇した喉枯れの縛蔓呪を狩って、セーフティーエリアに向かった。
02/25誤字訂正




