402:サンダーアンドアイアン-6
「無事に戻ってこれたわね」
『でチュね』
門の向こう側はちゃんと『理法揺凝の呪海』であり、極彩色の境界と無数の星々が視界に入ってくる。
とりあえず、何処かに流されないように、流れがない場所に移動してっと。
「じゃあ、まずは色々と確認ね」
『でチュね』
ではまずは称号と回収したアイテムの確認である。
△△△△△
『虹瞳の不老不死呪』・タル レベル25
HP:872/1,240
満腹度:52/150
干渉力:124
異形度:21
不老不死、虫の翅×6、増えた目×11、空中浮遊、呪圏・薬壊れ毒と化す、遍在する内臓
称号:『呪限無の落とし子』、『生食初心者』、『ゲテモノ食い・3』、『毒を食らわば皿まで・3』、『鉄の胃袋・3』、『暴飲暴食・3』、『大飯食らい・2』、『呪物初生産』、『呪術初習得』、『呪法初習得』、『毒の達人』、『灼熱の名手』、『沈黙使い』、『出血の達人』、『淀縛使い』、『恐怖の名手』、『小人使い』、『暗闇使い』、『乾燥使い』、『魅了使い』、『呪いが足りない』、『かくれんぼ・1』、『ダンジョンの創造主』、『意志ある道具』、『称号を持つ道具』、『超克の呪い人』、『1stナイトメアメダル-3位』、『2ndナイトメアメダル-1位』、『3rdナイトメアメダル-赤』、『七つの大呪を利する者』、『邪眼術士』、『呪い狩りの呪人』、『呪いを支配するもの』、『偽神呪との邂逅者』、『呪限無を行き来するもの』、『砂漠侵入許可証』、『火山侵入許可証』、『虹瞳の不老不死呪』、『生ける呪い』、『雪山侵入許可証』、『海侵入許可証』、『いずれも選ばなかったもの』、『呪海渡りの呪人』、『泡沫の世界の探索者』
呪術・邪眼術:
『毒の邪眼・2』、『灼熱の邪眼・2』、『気絶の邪眼・1』、『沈黙の邪眼・2』、『出血の邪眼・1』、『小人の邪眼・1』、『淀縛の邪眼・1』、『恐怖の邪眼・3』、『飢渇の邪眼・1』、『暗闇の邪眼・2』、『魅了の邪眼・1』、『石化の邪眼・1』、『重石の邪眼・2』、『禁忌・虹色の狂眼』
呪術・原始呪術:
『不老不死-活性』、『不老不死-抑制』、『風化-活性』
呪術・渇砂操作術-ザリチュ:
『取り込みの砂』、『眼球』、『腕』、『鼠』、『化身』
呪法:
『呪法・増幅剣』、『呪法・感染蔓』、『呪法・貫通槍』、『呪法・方違詠唱』、『呪法・破壊星』
所持アイテム:
呪詛纏いの包帯服、熱拍の幼樹呪の腰布、『渇鼠の帽子呪』ザリチュ、『太陽に捧げる蛇蝎杖』ネツミテ、『呪山に通じる四輪』ドロシヒ、鑑定のルーペ、毒頭尾の蜻蛉呪の歯短剣×2、喉枯れの縛蔓呪のチョーカー、毒頭尾の蜻蛉呪の毛皮袋、フェアリースケルズ、蜻蛉呪の望遠鏡etc.
所有ダンジョン
『ダマーヴァンド』:呪詛管理ツール、呪詛出納ツール、呪限無の石門、呪詛処理ツール、呪詛貯蓄ツール×5設置
システム強化
呪怨台参式・呪詛の枝、BGM再生機能、回復の水-2、結界扉-2、セーフティ-2
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『泡沫の世界の探索者』
効果:泡沫の世界に居る時に、残り時間が視界端に表示される。(設定よりオンオフ可能)
条件:泡沫の世界に生きたまま侵入し、生きたまま脱出する。
泡沫の世界とは一時しか存在しない世界の事である。
儚い存在となった理由は千差万別だが、結末は変わらない。
呪いに押し潰されて無に還るのみである。
▽▽▽▽▽
「『泡沫の世界の探索者』には便利なものが付いているわね」
『でチュね。一々鑑定して残り時間を確認するのもアレでチュから』
『泡沫の世界の探索者』は普通にいい称号と言える。
今後も泡沫の世界を探索するのであれば、あって損になる事はないだろう。
そして、表示場所は調整できるし、消すことも出来るのなら、文句などあるはずもない。
△△△△△
『恐怖の名手』
効果:恐怖の付与確率上昇(小)
条件:恐怖(1,000)以上を与え、恐怖の効果が残っている間に生物を殺害する。
私の恐怖捌きは如何かな? ただ震えるか、錯乱するか、どの道平常ではいられない。まだ先もあるんだけどね。
▽▽▽▽▽
「テンプレ」
『テンプレでチュね』
テンプレである。
が、もしかして変電の鰻呪が錯乱して暴れたのは与えた恐怖の量が多すぎたからか?
だとしたら……まあ、確認はまた別の機会にしよう。
△△△△△
変電の鰻呪の骨片
レベル:25
耐久度:100/100
干渉力:120
浸食率:100/100
異形度:16
変電の鰻呪の骨を砕いたもの。
呪いを強烈な電撃に変換する力を持っている。
▽▽▽▽▽
「『気絶の邪眼・1』の強化素材」
『でチュね』
回収した変電の鰻呪の骨片の使い道は、フレーバーテキストを見た時点で確定した。
性能は……『熱樹渇泥の呪界』の素材と同じかそれ以上は望めると思う。
「もう少し取ってくるのは……無理みたいね」
『潰れて消えちゃったでチュねぇ』
しかし、骨片しか持ってこれなかったのは少々残念と言うか、もう少し欲張ればよかったかもしれない。
なにせ変電の鰻呪の戦いを見る限り、体を雷に変換する呪い、体表に粘液を纏う呪い、雷のまま動き回る呪いなど、色々と活用できそうな呪いを持っていたようだし、それらの呪いを再現できれば、大幅な戦力増強に繋がっていたに違いない。
が、既に『稲妻走らせる鉄塔の森』があった星……泡沫の世界は潰れて消え去ってしまった。
何処かで同じような泡沫の世界に再び会う事は出来るかもしれないが、あの『稲妻走らせる鉄塔の森』にはもう二度と行けないのだ。
『で、これからどうするでチュか?』
「んー……反省通り、一度帰還はするべきね。化身ゴーレムの作成、眼球ゴーレムのストックの作成もそうだし、得たアイテムの活用もしたいわ。それと、『禁忌・虹色の狂眼』が再使用可能になるのも待ちたいところね」
『そう言えば、昨日使ってからまだ24時間経っていなかったでチュねぇ……』
実は今回の変電の鰻呪との戦いでの一番の反省点だが、『禁忌・虹色の狂眼』が使えない状態で挑んだことかもしれない。
もしも『禁忌・虹色の狂眼』が使える状態で挑んでいれば、展開はだいぶ変わっていた気がする。
「ん?」
『チュ?』
なんにせよ、まずは一度『ダマーヴァンド』に帰還するべき。
私はそう考えて『ダマーヴァンド』に繋がっていそうな流れに乗った。
が、どうにも様子がおかしい。
『たるうぃ……』
「高速道路でジャンクションを間違えた時の気分ってこう言うものなのかしらね……」
どうやら乗る流れを間違えてしまったらしい。
『ダマーヴァンド』とは別方向に流されてしまっている。
『理法揺凝の呪海』内での移動は比較対象物がないので、どの程度の速さや距離なのかは分からないが、それでもかなりの長距離は移動している。
なので、大きく動く時は流れに乗るのが正解なのだが、その流れが呪詛の流れと言う目視では確認しづらいものである事と、単純に私がまだ慣れていない事から、失敗してしまったようだ。
「とりあえず適当でいいから『理法揺凝の呪海』の外に出ましょうか。そこでどう言うダンジョンでもいいから見つけて、普通の転移で戻りましょう」
『なんか本末転倒感があるでチュね……』
「私もそう思ってるから流して」
とりあえず流れの外に出て、たぶんだが動きを止めた。
「呪詛を支配して……『orijot、orijot、jyugemuno itugiri』いいぃぃ!?」
『チュアアアアァァァァァ!?』
そして門を開いた瞬間。
まるでダムから水が放出されるかのように強烈な流れが生じて、私とザリチュは門の向こうへと流された。
01/23誤字訂正