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『Curse Nightmare Party』-邪眼妖精が征くVRMMO  作者: 栗木下
6章:『呪われた戦場の悪夢』

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366/1000

366:3rdナイトメア6thデイ-1

ザリア視点です

「!?」

 イベント六日目。

 朝日が射して暫く経ってから目覚めようとした私の耳に爆音が聞こえてきた。


「何が起きた!?」

「爆発だ! 門が破壊されたぞ!」

「ただの炎じゃない! 毒を含んでるぞ!?」

 直ぐに砦の中全体が騒がしくなり、私は装備を整えた上で騒ぎの中心……二か所あったので黒陣営の陣地に近い方へと向かっていく。


「これは……」

「門が完全に壊れて……」

 そこで見たのは砦の門が大きく破壊されて用を為さなくなると共に、黒いものを大量に含んだ炎を上げている姿だった。

 門だった物の消火作業をしているプレイヤーの姿も見えるが、ただの炎ではなく有毒物を含んだ炎であるらしく、火に焙られたプレイヤーはダメージと同時に毒も受けているようだった。


「シロホワ。門の外に出るわよ。黒陣営が奇襲を仕掛けてくるかもしれない」

「分かりました」

 私とシロホワは城壁の上を経由して、砦の外に出る。

 この六日間で何度もやった動きなので、手慣れたものである。

 で、周囲を見渡してみたが、一先ず砦の外に黒陣営の影はない。

 門の爆破だけで終わりと言う事だろうか?


「ん?」

「どうしました?」

「焦げ跡の付き方からして……もしかして門は内側から爆破されている?」

「え!?」

 そこで私は気づいた。

 砦の外には爆発の痕跡が殆どない事に、そして、門そのものも内側から外側に向けて吹き飛んでいる事に。

 こうなるには、砦の内側から爆破されなければいけない。


「ザリア……」

「ザリアさん」

「ロックオ、カゼノマどうした……」

「大変です! 掲示板を見てください! 朝日が昇ると共に、黒陣営含めて全ての砦の門が爆破されたと言う報告が上がっています!」

「!?」

 カゼノマの言葉に私は察した。

 いや、私だけでなく、全てのプレイヤーが察した事だろう。

 これもまたタルの仕業だと。


「まさか爆発物まで持っていたとはね……例のネズミゴーレムによって夜の間に砦の中へと運び込ませたと言うところかしら。素敵なモーニングコールとでも称賛してあげればいいのかしらね」

 流石に頬が引きつってくる。

 赤陣営の強化、食料や資材の破壊、情報の操作だけでも大打撃だったと言うのに、まさか部分的とは言え、砦の破壊までして見せるとは。


「ん? 砦の中? 自分はさっき反対側の門を見に行きましたけど、そちらは門の外側から爆破されたようでしたけど……ああでもこっちは門の内側……?」

「……。全て東方向から爆破されているようだ。日光をトリガーとしていると言う事か?」

「それはまた厄介な……」

 私たちが話をしていると遠くの方、北の山だったほうから爆発音が微かにだが聞こえてきた。

 確か北の山では昨日本来の赤陣営の砦へ向かうルートが発見されたとかで、タルが居るであろう北の山地下を目指して、夜通しかつ陣営関係なしに崩落した洞窟を掘り返していたはず。

 そちらの方から爆発音?

 洞窟を掘るのに発破したのなら問題はないが……。


「掘削作業現場で爆発があったそうです。被害者多数。生き残ったプレイヤーも毒を受けて、少なくない数が死に戻りする事になると言う書き込みが掲示板にありました」

 どうやらそうではないらしい。


「つまり、この場で起きた爆発と同じような爆発が向こうでも起きたのね」

「ロックオの言う通り、日光をトリガーとして爆発するのなら、予め洞窟の中に仕込んでおいて、掘り起こすと共に、と言うところですか」

「……。厄介な話だ」

「プレイヤーの死に戻りは最悪流してもいいですけど、掘削の為の資材が破壊されたのが痛いそうです」

 時間稼ぎと言うか嫌がらせと言うか、赤陣営にアイムさんが居た時点で罠の類が洞窟にあったのは当然だとしても、被害が尋常ではない事になっていそうだ。

 と言うか、昨日の時点で被害が生じていない辺り、タルは夜の間に動いたことになるはずだが、タルの睡眠制限はいったいどうなっているのだろうか?

 赤陣営に睡眠制限がない可能性はあるが、まさか六日間起きっ放しだったりするのだろうか?

 ああいや、この辺の話は置いておこう。

 話がずれてきている。


「キングと言うかライトローズさんからのオーダーは?」

「第一に今日の分の食糧確保。第二に砦の修復。第三に洞窟の掘削。黒陣営への攻撃は控えて、これらを優先してもらえると助かると言う話が掲示板に上がっていますね」

 食料の確保ね。

 タルの破壊工作によって、確かに食料は厳しい事になっている。

 それこそ今日と明日の二日間は常に空腹感に苛まれながら戦闘する事を覚悟する程度には。

 一応、昨日の黒陣営の砦襲撃の時にある程度は奪いとって分配したが、焼け石に水だろう。

 人によってはリアルの体の休憩も兼ねて、一時間くらいログアウトする事で消費を抑えると言う選択を取る人もいるぐらいだし。


「生産職による食糧の増産は?」

「三日目の焼き討ちの際にタルさんが何かを撒いていたようで、改めて植えた植物はマトモに育たないようです」

「徹底されていたわけね……」

 どうにかして食料を得なければいけない。

 でなければ明日の最終日、満足に戦うことも出来ない。

 昨日一昨日の時点から兆候はあったが、戦況はかなり厳しい事になりつつあった。

12/25誤字訂正

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― 新着の感想 ―
[一言] 全ての砦の門が破壊されました! 最重要工兵が爆破されました!工具が破壊され作業効率が著しく低下します! 食料がありません!最優先事項で現地調達を開始してください! なおこれらが起こったのは…
[一言] 中東の灼熱をあらわす女悪魔 タルウィ&ザリチュ これが元だったか
[一言] あの望遠鏡?を朝日が入るように設置したか、器用に動かせるなぁネズミゴーレム つうかアレそんな威力だったんだ……完全に爆弾やん
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