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『Curse Nightmare Party』-邪眼妖精が征くVRMMO  作者: 栗木下
6章:『呪われた戦場の悪夢』

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363:3rdナイトメア5thデイ-1

ザリア視点です

「では……」

 イベントも早いもので五日目である。

 残り三日と言う事で、改めて今回のイベントの仕様について確認する。


 まず大前提として今回のイベントのプレイヤー個人の目的はポイントを稼ぐことであり、これ以外にはない。

 選択する役割も、陣営の勝利も、ポイントを効率よく取得するためのものである。

 そして、勝利と言う言葉に勘違いしがちになるが、今回のイベントにおける陣営の勝利は実のところ、そこまで重要では無かったりする。

 なにせ陣営が勝利しても、得られるのは個人で得たポイントにプラスの補正がかかるだけ、言い換えれば、負けてもペナルティの類は一切なく、個人で得たポイントが少なければ陣営が勝ったところで大した意味はないのだから。

 なお、ポイントはイベント終了後にアイテムやDCに交換できる。


 それでも陣営が勝利できるなら、それに越したことはないと言う事で、多くのプレイヤーはポイントを稼ぎつつ自陣営の勝利に貢献するように動く。

 ただこちらも勘違いされがちだが、現時点で相手陣営の全ての拠点を奪っても勝利にはならない。

 勝利条件は、七日目終了時点で、より多くの拠点を支配していること。

 つまり、極端な例になるが、七日目終了の一時間前の時点で拠点の支配数が0であっても、七日目終了時点で拠点の支配数が8になっていれば、勝利になるのである。


 では、これらの話から導き出される勝利するための最適解は?

 六日目まではポイント稼ぎ、威力偵察、相手の備蓄や精神の削りを行い、七日目に取れるだけの拠点を取る、と言うものになる。

 これは赤陣営でも変わらず、昨日の時点でスクナたちが復活しなかったと言う事は、これを狙っている可能性が高いと言える。

 つまり、ある程度以上にポイントを取れていると判断したならば、今日明日くらいは最終日に備えての準備と防衛に当てる方が効率が良いことになる。

 だいたいタルのせいだが、食料や資材の余裕など殆どないわけだし。


「突撃ぃ!」

「「「ヒャッハアアアァァァ!!」」」

 と言うわけで、私の指揮の下、ゾンビの馬や動物型プレイヤーに跨ったプレイヤーたちは敵陣に突撃を敢行。

 黒の本営とその前の砦間で何かしらの作業をしていたプレイヤーたちを薙ぎ払っていく。


「ザリアさん!? さっきまで言っていたことは何処に!?」

「え? どうしたのシロホワ?」

「いや、此処に来るまでの間に言ってましたよね。今日明日くらいは最終日に備えてー……って」

「ああ、その事」

 そして騎馬隊による突撃が行われたところで、私たち馬なし組も武器を抜いて突撃。

 第一波で動きが乱された黒陣営のプレイヤーたちに攻撃を仕掛けていく。

 黒の本営や、砦からの攻撃は気にしなくてもいい。

 ここはどちらからも1キロ近く離れているので、これで攻撃をされたなら、むしろ貴重な情報を得たと言える。


「むしろ、このタイミングで此処を荒らしておかないと、最終日がきつくなるのよ」

「と言いますと?」

「最終日に備えた準備をしているのは黒陣営も同じ。いえ、昨日の奇襲を考えると、黒陣営の方が先んじているまであるわ」

「昨日の奇襲……白の本営が襲われた件ですか」

「そうそれよ」

 昨日、黒陣営によって白の本営は奇襲を受けた。

 奇襲自体は退ける事に成功したが、アレによって白の本営に居たプレイヤーたちは少なからず被害を受けると共に、戦力を前線にだけ集めるわけにはいかなくなってしまった。

 言い方を変えれば、白陣営は戦力を拡散させざるを得なくなってしまったのだ。

 これの影響は想像以上に大きい。

 なにせ白陣営と黒陣営の総合的な戦力比は1:1、なのに今は白陣営のが取っている拠点が多く、後方へ戦力を回す事も求められてしまっている。

 それはつまり、一つの砦に居るプレイヤーの数がそれだけ少なくなっていると言う事でもある。


「なら一度、ワザと黒陣営に拠点を取らせると言うのは……」

「砦を守っているプレイヤーたちが納得しないわよそんなの。他にも理由はあるけど……その手はなし。だから、防衛を本気で考えるなら、相手の戦力も私たちと同じように分散させた方がいい」

「それでこの突撃ですか」

「ええ、この突撃よ」

 気が付けば周囲に黒陣営の姿はない。

 白陣営のプレイヤーの数は……二割ほど減ったか、敵陣奥深くで休みなく戦っているためか、流石に被害が大きい。


≪砦2-3を黒の陣営が獲得しました≫

「ちっ」

「取られたか」

「2-3と言うと、南側の奴か」

 どうやら私たちが黒陣営の懐を荒らしている間に、前線が少し動いたようだ。

 プレイヤーたちの視線が私へと向けられる。


「裏取り行きましょうか。ただし、取る砦は今アナウンスがあった川下の砦ではなく、南西の初期から黒陣営の物だった砦よ」

「ヒュウッ」

「流石はサボテンちゃん」

「おっしゃあ、やったるぜ」

 まあ、やることに変わりはない。

 今日は朝に川上の砦を出発し、遭遇した敵を始末しつつ北西の砦はスルーして、黒陣営の本営と前線の砦の間で暴れ回り、荒らしていた。

 その中で川下の砦が取られたなら、南西の砦を取って、もっと強力に分断してやればいい。

 取れるかどうかは今の戦力では色々と手を尽くしてもギリギリだと思うが……まあ、やれるだけやってみよう。


「では、突撃再開!」

「「「ヒャッハアアアッ!」」」

 そうして私たちは南西の砦に西側から接近していく。

 南西の砦は、砦の中のプレイヤーだけでなく、野外陣地とゴーレムらしき物によっても守られている砦であった。

12/22誤字訂正

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新乙い [一言] そういえばザリアってサボテンだから、トゲトゲパッドが自作できるんだよなあ ヒャッハアアアアアアアアアアアア!!
[一言] あえて取らせて仕込みで更地にする、とか出来たら楽しそう それで砦としてカウントされなくなればなおよし
[一言] >動物型プレイヤーに跨ったプレイヤーたち 乗っているほうも乗せているほうも楽しそうだけど……動物型プレイヤーよ、それでいいのかw ザリア世紀末軍、再びw 行動は世紀末なのにきちんと統率でき…
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