332:イントゥルインズ-3
『たるうぃって一見すると混沌、破滅、孤独と言う感じでチュけど、実際には秩序、創造、主体でチュよねぇ。案外倫理観がしっかりしているでチュし、物は色々作るし、他のプレイヤーを先導していくタイプでチュよね。まあ、それ以上に未知がメインみたいでチュけど。あ、ツッコミはしてやらないでチュからね』
「何とでも言いなさい。いずれにせよ、さっきのイベントの選択肢は私にとっては無価値な物よ。どれも先があっさり読めそうな選択肢だったし。後、ツッコミって何よ……」
私は呼吸を整えると、自分に『鑑定のルーペ』を使用。
ステータスと称号の確認をする。
△△△△△
『虹瞳の不老不死呪』・タル レベル23
HP:1,210/1,220
満腹度:142/150
干渉力:122
異形度:21
不老不死、虫の翅×6、増えた目×11、空中浮遊、呪圏・薬壊れ毒と化す、遍在する内臓
称号:『呪限無の落とし子』、『生食初心者』、『ゲテモノ食い・3』、『毒を食らわば皿まで・3』、『鉄の胃袋・3』、『暴飲暴食・3』、『大飯食らい・2』、『呪物初生産』、『呪術初習得』、『呪法初習得』、『毒の達人』、『灼熱の名手』、『沈黙使い』、『出血の達人』、『淀縛使い』、『恐怖使い』、『小人使い』、『暗闇使い』、『乾燥使い』、『呪いが足りない』、『かくれんぼ・1』、『ダンジョンの創造主』、『意志ある道具』、『称号を持つ道具』、『超克の呪い人』、『1stナイトメアメダル-3位』、『2ndナイトメアメダル-1位』、『七つの大呪を利する者』、『邪眼術士』、『呪い狩りの呪人』、『呪いを支配するもの』、『偽神呪との邂逅者』、『呪限無を行き来するもの』、『砂漠侵入許可証』、『火山侵入許可証』、『虹瞳の不老不死呪』、『生ける呪い』、『雪山侵入許可証』、『海侵入許可証』、『いずれも選ばなかったもの』
呪術・邪眼術:
『毒の邪眼・2』、『灼熱の邪眼・2』、『気絶の邪眼・1』、『沈黙の邪眼・2』、『出血の邪眼・1』、『小人の邪眼・1』、『淀縛の邪眼・1』、『恐怖の邪眼・3』、『飢渇の邪眼・1』、『暗闇の邪眼・2』、『魅了の邪眼・1』、『石化の邪眼・1』、『禁忌・虹色の狂眼』
呪術・原始呪術:
『不老不死-活性』、『風化-活性』
呪術・渇砂操作術-ザリチュ:
『取り込みの砂』、『眼球』、『腕』、『鼠』
呪法:
『呪法・増幅剣』、『呪法・感染蔓』、『呪法・貫通槍』、『呪法・方違詠唱』、『呪法・破壊星』
所持アイテム:
呪詛纏いの包帯服、熱拍の幼樹呪の腰布、『渇鼠の帽子呪』ザリチュ、『太陽に捧げる蛇蝎杖』ネツミテ、『呪山に通じる四輪』ドロシヒ、鑑定のルーペ、毒頭尾の蜻蛉呪の歯短剣×2、喉枯れの縛蔓呪のチョーカー、毒頭尾の蜻蛉呪の毛皮袋、フェアリースケルズ、タルの身代わり藁人形、蜻蛉呪の望遠鏡etc.
所有ダンジョン
『ダマーヴァンド』:呪詛管理ツール、呪詛出納ツール、呪限無の石門、呪詛処理ツール設置
システム強化
呪怨台参式・呪詛の枝、BGM再生機能、回復の水-2、結界扉-2、セーフティ-2
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『いずれも選ばなかったもの』
効果:効果なし
条件:とある選択においていずれも選ばなかった。
貴方は全てを拒否した。
いずれにも属さない事を選んだ。
覚悟せよ、世界を敵に回す事を。
▽▽▽▽▽
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『偽神呪との邂逅者』
効果:効果なし
条件:偽神呪と遭遇し、その名に触れた。
神の似姿、偽神呪。
彼らは本物ではないが、それでも神の名に相応しき力を持っている。
それと出会い、名前まで知ってしまうのは……
▽▽▽▽▽
「どちらも効果なし称号。記念称号の類と言う事ね」
『そういう事でチュね』
称号の確認終了。
まあ、入手の経緯からして、『偽神呪との邂逅者』はともかく『いずれも選ばなかったもの』については、その内何処かで影響が出てくるかもしれない。
敵として立ち塞がるのなら、退けるだけの話だが。
「じゃあ、次はこの広場についてね」
『さっきのイベントで終了じゃないんでチュか?』
「それだけなら、この広場はもう解体されているはずよ。うん、やっぱり出てきた」
広場の中心に着いた私の目の前に半透明の画面が表示される。
内容は……『路削ぎの蚯蚓呪』ミミチチソーギ・ズワムの複製体と戦闘しますか? と言うもの。
うん、カロエ・シマイルナムンにおけるサクリベス地下と同じで、再戦するための場所か。
『戦うでチュか?』
「まさか。流石に昨日の今日で戦っていられないわ。戦う価値も見いだせないし」
私はNOを押して、画面を消す。
戦うならば、せめて素材を扱えるレベルになってからだ。
「ん?」
『何か出たでチュね』
で、どうやらこれで終わりではないらしい。
複数の画面が私の前に表示される。
これは……
「厄介な物を出してくれるわね……」
『本当でチュねぇ』
どうやら『熱樹渇泥の呪界』を『ダマーヴァンド』の第六階層として設定できるようになったらしい。
えーと、一般プレイヤーは第四階層から、特殊なゲートを利用する形で侵入。
熱拍の樹呪の死体を基にした専用構造物を設置する事によって、普通のプレイヤーでも『熱樹渇泥の呪界』の極一部が探索可能にすることが出来るようだ。
場所が場所だけにかなり細かい部分まで設定は可能、と。
『で、するんでチュか?』
「メリットもデメリットもあるのよね……」
私にとってのメリットは、『熱樹渇泥の呪界』の素材を他プレイヤーが手にする事で、全体の底上げが図られると共に、私が想像もしていなかった何かが生み出されるかもしれないこと。
DCの収入面でもメリットがあるとは言えるか。
デメリットは……一部の危険素材が、その扱い方を理解していないプレイヤーに渡る事で、不慮の事故が生じるかもしれない点が一番大きいか。
可能性を知っていて放置するのは、少々無責任が過ぎる。
「特殊ゲートとやらの設定をかなり弄る必要があるわね」
『でチュか』
まあ、イベント終了後になら公開はしていい。
ズワムとの戦闘が出来る場所や、熱拍の樹呪の樹冠への到達については、専用構造物を弄る事で足場から離れて移動できる方法を持っているプレイヤーに限定するとしよう。
特殊ゲートの設定については、『熱樹渇泥の呪界』の大気中に存在する濃い呪詛が『ダマーヴァンド』に流れ出ないようにするだけでなく、復活を目論むカース素材を持っている場合には、適切な処理を施すか捨てない限りは、外に出れないようにしておく。
あ、この特殊ゲートの設定は結界扉にも乗せられるのか。
外に出れない状態だと、結界扉で転移できるのは『熱樹渇泥の呪界』内に限定できる。
私は対象外に出来るし、これはいいな、やっておこう。
「んー……こんな所かしらね」
設定完了。
これでたぶん大丈夫だとは思う。
それでも安心しきれるわけではないので、望まぬ呪いを得てしまった人がサクリベスの神殿で外す為の補助として何が出来るかを、掲示板で少し調べておくとしよう。
「さて、帰りましょうか。熱拍の樹呪の根粒を加工しないといけないわ」
『分かったでチュ』
私は先程の操作で作り出した広場の発着場へと移動すると、そこに併設した結界扉に入り、『ダマーヴァンド』の第五階層へと帰還した。