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『Curse Nightmare Party』-邪眼妖精が征くVRMMO  作者: 栗木下
5章:『熱樹渇泥の呪界』

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311:コレクトアイテムズ-2

「ふう。話が通じる相手なのは分かっていたけど、多少緊張はしたわね」

『本当でチュね。毒頭尾の蜻蛉呪の死体が無かったらどうなっていた事やらでチュよ……』

 『ダマーヴァンド』に帰ってきた私はとりあえずお茶を飲みながら一息吐く。

 なお、お茶……喉枯れの縛蔓呪の茶葉による紅茶の沈黙効果は、ザリチュとチョーカーの効果によって無効化されている。


『で、手に入れた蜜を使って石化の邪眼を作成するでチュか?』

「そっちはレベル低下の状態異常が治ってからね。流石にレベル低下の状態で格上の素材を扱おうとは思わないわ」

 私は熱拍の幼樹呪製の容器に入った『蜂蜜滴る琥珀の森』の琥珀蜜を鑑定する。



△△△△△

『蜂蜜滴る琥珀の森』の琥珀蜜

レベル:25

耐久度:100/100

干渉力:100

浸食率:100/100

異形度:10


『蜂蜜滴る琥珀の森』の奥地で採取できる蜂蜜のような物体。

とても良い香りを発しており、意志の弱い者が嗅ぐとそれだけで正気を失いかねない。

そして、香りに騙されて触れてしまったものは、石になって死んでしまう。

注意:触れると、触れた量に応じて石化の状態異常を受けます。

▽▽▽▽▽



 推奨レベル25。

 効果からして石化の邪眼の基に出来る事は間違いないだろうから、レベル低下が治ったらチャレンジしたいところだ。

 きちんと処理をすれば、たぶん上手くいく。


『と言う事は待ちでチュか』

「そうね。でもただ待つ気はないわ」

『と言うと?』

「折角だから、回収し忘れていたアイテムを取りに行くわ」

 私は紅茶を飲み終えると、後片付けをしてからセーフティエリアの外に出る。

 ただし、第五階層に出るのではなく、久しぶりに第一階層……ビル街に残してある『ダマーヴァンド』の入り口の結界扉からだ。

 なお、入り口付近にプレイヤーが居ない事は確認済みである。


「さて、『ダマーヴァンド』の下は……」

『賑わっているでチュねぇ』

 『ダマーヴァンド』の下は私が垂らした垂れ肉華シダが花を咲かせた影響で、付近のモンスターたちが集まってきている。

 そして、そのモンスターたちを狩る事で経験値を稼ごうとするプレイヤーたちと、食料を得ようとする毒ネズミたちによる三つ巴……じゃないな、なんか共同戦線っぽいものが出来てる。

 花の匂いに引かれておかしくなったモンスターの攻撃をプレイヤーが防ぎ、そうして生まれた隙を突く形で毒ネズミたちが攻撃。

 ほぼ毒殺なので、体の大半が残った状態で仕留めることが出来ているようだ。

 で、倒したモンスターの素材の内、皮や骨はプレイヤーが持っていき、肉は毒ネズミたちの食料になっている。

 なんだこの奇妙な状況。

 いつの間にこうなっていたし。


『えーと、掲示板曰く、初心者が戦いを学ぶための場として活用できる場所。学べる内容は野良での立ち回りや状態異常の強力さなど。特にタンク志望ならば、乱戦での動き方などが嫌でも学べるので、ここで立ち回りを学ぶことを推奨。だそうでチュよ』

「どこのスレよ……」

『初心者向けのスレみたいでチュねぇ。あ、ざりちゅは掲示板は見れるでチュけど、書き込みはたるうぃの許可が必要でチュよ。それとここの影響なのか、駄目なアタッカーは毒ネズミたちを見習えとか最近は言われるらしいでチュね』

「そう」

 まあ、揉め事もなく有効活用されているなら、問題はないか。

 で、肝心のアイテムは……うん、三つくらい咲いているようだし、一つくらいは貰っても構わないだろう。

 そもそも、『ダマーヴァンド』に根付いている植物=私の物なんだし。


「じゃ、行くわよ」

『分かったでチュ』

 私は『ダマーヴァンド』から地上に向かってダイブ。

 そして地上に着く直前で羽ばたくことによって、勢いを殺して着地する。


「「「なっ!?」」」

「「「チュアッ!?」」」

「「「ーーーーー!!」」」

 私の姿を見たものの反応は、分かり易かった。

 プレイヤーは単純に驚いて、動きを止めた。

 毒ネズミたちは一目散に逃げだした。

 モンスターたちは垂れ肉華シダの花の香りによって正気を失っている上に、身に着けている物の見た目が薄着であるためか、私に向かってきた。


「マトモにやり合う必要はないわね」

 これならば仕留めるのはモンスターだけでいい。

 と言うわけで、私はドロシヒを通じて『ダマーヴァンド』から大量の呪詛を呼び出すと、それをまとめて呪詛濃度21の領域を作り出し、私に向かってくるモンスターたちに纏わせる。


「「「ーーーーー!?」」」

 それだけでモンスターたちは呪詛濃度過多となって、勢いを失い、よろめき、その場で倒れて動けなくなる。


「さて回収回収っと」

 私はとても濃い焼き肉の香りを発している垂れ肉華シダの花へと近づいていく。

 かつてはこの匂いに忘我となり、子毒ネズミたちに噛み殺されたものだが、今の私ならば何の問題もない。

 と言うか、こうして周囲の呪詛を支配していると分かるのだが、この匂いは一種の呪いのようだ。

 なんか、私に干渉しようとしてきている感じがある。


「そうね。折角だから呪詛濃度を高められるだけ高めた状態で回収しましょうか」

『まあ、それでいいと思うでチュよ』

 私は垂れ肉華シダの花を囲うように呪詛濃度21の領域を作り出す。

 すると花が発する匂いが濃くなったような気がした。


「これでよし」

 その状態を保ったまま、私は垂れ肉華シダの花を歯短剣で刈り取り、『鑑定のルーペ』で鑑定をしてから毛皮袋に収納する。



△△△△△

垂れ肉華シダの花

レベル:1

耐久度:100/100

干渉力:100

浸食率:100/100

異形度:10


垂れ肉華シダの蔓の先端に生じる花。

周囲の呪詛濃度に応じて、発する肉の臭いが濃くなる性質を有する。

その香りは嗅いだ生物の精神に働きかけ、自身を魅力的なものに見せる。

▽▽▽▽▽



「じゃ、帰りましょうか」

『分かったでチュ』

 私は地面を蹴って跳び上がると、『ダマーヴァンド』があるビルの中に入る。

 そして、そこから何度かビルの中を経由しつつ、『ダマーヴァンド』の中へと戻った。

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― 新着の感想 ―
[一言] もう一度見直してる最中に思った疑問なんだけど結局シダってなんだったんだ? アジダハーカがカースですらなかった以上中層のシダカースは完全に異質なんだよな。 それともシダはアジと関係ない? い…
[良い点] うおおおおお魅了の邪眼だ!エッッッッッッ
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