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雷竜車にゆられとうちゃーく

男の画面の前に、いや、()()の中に、ドット絵で表示された、禍々しい骨で編まれた杖を持ち、黒のローブに身を包んだ骸骨が嗤う。


「……夢の侵入率90%を超え、もうすぐ飽和状態に移行できます。渡り人による修正は順調に進んでいます。イベントでは計画通り(ゲート)を開けますがよろしいですか。


ヒヒッ、とはいえ貴方に拒否権などありませんでしたねぇ?木偶人形なイエスマンは、


変魂名(ソウルギフト)


これ、なかなか面白いものですねぇ。なんて顔してるんですかぁ、これが一方通行な外法ではないと考えられる知能がおありに思えたのですが……おやおや、その感情の震え、私にとってそれは愉悦にしかなりませんょお?


木偶は木偶らしく役割(演じ)なさい、ヒヒッ


ゆっくりゆっくり、歴史を紐解きましょうか、ね?『地底の囁き(マインドコントロール)』」


カタリ、カタリとひとりでに指が動き、画面越しに窪んだ両目は何を見るか──








──カタラッ、ギィイ、カタラッ、ギィイ


体が一定のリズムで揺れ、車輪が回る音、車内が軋む音がする


「お寝覚めでしたか?」


いや、お目覚めでは?


「いえいえ、とても長く外で活動しておいでで、私、とても暇をもてあそんでいましたからねぇ、あ、お駄賃はもう頂いてますので~、お降り下さ~い.:*:・'°☆(ピラルクキラーン)


先程までの狂ったようにめぐまるしい情報過多の世界に叩き込みやがったヤツが何をいうのだろうか、


「棒で叩くのは止めたほうがいいですよ~、あぁっ、私の人格が相乗りしてもいいんだ!それほどまで私を愛してる!とまでいうのであれば~まぁ、叩かれやってもいいんですがねぇ?」


抜刀、


日渡、


っ、避けられ、


腹蹴られ、


後ろがねぇっ


「さぁ、出てってください、次のお客様がお待ちですので。そうそう、降りた先には断別山:霊門の口でございます。御乗車、ご馳走様でした。またの睡眠を楽しみにしています。それでは」


ゴロゴロと頭から転がり、砂と草と石の味がする。憎たらしい顔で走り去るアイツもあいつらの仲間なのだろうか、


……協力を止めるべきか再考の所為が必要ではないだろうか……


~♪


なにやら音楽がきこえる。どこでも街の音楽を弾く人でもいるのだろうか、広場にアコーディオンおっさん発見!


山の向こう側への入り口であり、出口でもある天然のトンネルを持つ断別山その手前に広がる街に入る。


〔霊門の里『レヴナント-a』に入りました、マップ情報を更新します〕


マップ確認っと、広場は、OK、噴水に触れるっと


……ローディング(省略)


よしっと、噴水の脇に座り掲示板~掲示板~っと、


王都は山越えるんっすね、え゛、今通れないのでは?


剣見習い「ボス強い、攻略が進まない」

見習い宝狩人「罠はないんですけどねー」

銀騎士「数で物理に物を言わせたんだがねー」

嗤う旅芸人「ヤツは四天王の中でも最弱!」

剣見習い「ヤメレw」

世界考察学者「何故洞窟の中にさらにまた洞窟があるのか……」

嵐打の両手斧「哲学?」

嗤う旅芸人「↑の人なにげに二つ名」

剣見習い「↑の人漢字おかしぃ」

笑う商人「たんまり稼がせてもらいまー(^q^)」

銀騎士「後ろの穴に注意しな!」

嵐打の両手斧「彼を見る者は……」

見える魔球師「これであの子のために戦に行けるな!」

狂えるヒーラー「いつ行きます?」

剣見習い「ヒェッ」

嗤う旅芸人「治安悪っw」


──そっ閉じ、閉じたウィンドウの先に何やら足が見え、


「あのっお願いしたいことがあるのですがっ」


言いたいことと言葉使いに不馴れで涙目でどこかせっかちになっているハイトーンボイスの少女、名前の色はNPC表示、


「この手紙を王都にいる妹に渡したいのですがっ」


〔世界規模クエスト:『貴方の姉より』〕


〔世界規模クエストは全てのプレイヤーにとって益に繋がるクエストとなります。道具の値段が安くなったり新しい商品が追加されたり様々です。また、分岐先が多く帰結するクエストとなり、クエストクリアの際、参加者全員にクリア報酬が付与されます。ぜひ参加して下さい。〕


〔参加 《する》 or 〈しない〉〕



……手紙が何通あるのかとか考えない。これが特異点となるイベントなのだろうか、それともこれから起こるイベントだろうか、


とりあえずただの手紙が世界規模になるはずもなく、この少女ヤバイんでね?


「ありがとうございます!そのですね、この手紙を王都に住む妹に届けてほしいのです。すみませんが、名前や容姿を言うことはできません。でもっこの手紙には魔法がかけられてて、近づけば近づくほど青く発光します!よろしくお願いします!それでは!」


体が動かされるほどの風が吹き、噴水に背中から落ち、気がつけば少女がいなくなる。


周りを見渡せば、同情の視線と何故か倒れている者達。


「兄ちゃんもやられた口かぁ?」


……おっさん。


少々寄り道(イベントについて)


「焼き鳥旨かったっす!情報ごちになりました!」



「いいってことよ!攻略頑張ってな!ボソッ 次の攻略編成は成功するに焼き鳥一本かける」

「安すぎだろう、かけるにはもう一本足しなぁ」



聞かなかったことにしようか。


それでも得た情報と言えば、中は迷宮になっているらしい。有志で一度大規模に入ってダメだったらしい。ボス戦でいいとこまで行って、フラグ立てんと無理っ!になったらしい。


道具は今のままでいいだろうか、とりあえず一度入ってみようと思う。山の洞窟の入り口へ足を進める。



「……やっぱりこれ、広がってるよなぁ」


入り口前に数名。


「ん?いやなに、イベントに挑戦するための入り口の境界線のような目印?がこっちまで広がってんのさ、少し考察のしがいがあるよ、いやなに、こちらの話さ、挑戦するのかい?どぞー」


足を踏み入れる。

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