今更ながら設定のおさらい
やぁ、おはよう、もしかしたら、こんばんは、なのかもしれない。
誰に話をしているのかだって?
君だよ君、このスクリーン越しにいる君だよ。
おおっと待ってくれ、すぐにバックグラウンドして閲覧履歴から消さないでくれ、ここまで読み進めて来てくれた方々に感謝を。
まず、このゲーム、Dream Medusa on-lineの概要説明をしたい。なぜ一話目にしないのか、そのコメントは受け付けておりませぬ。
あらすじは、こうだ。
かつて星々を喰らう『天災』がいた。『天災』は星々の味に酔いしれ、時空間を超え、次なる味を求めた。
しかし、星に住む者達は、ただその脅威に食べられる訳にはいかなかった。空間を超え、時を超え、混沌とした種族種類が立ち向かった。幾重にも度重なる闘いの末、『天災』は静かに息を引き取る。
その骸は今までの星々の残骸の結晶体であり、様々な理を秘めた奇跡の星となった。この星で貴方の奇跡を体現しよう。
Dream Medusa on-line
次に、なぜ、話題になったのかを説明したい。
この上の文句の中、「星々の残骸の結晶体」ってところがヤバかった。
ゲームに出てくる「夢見の穴」と呼ばれる星の夢が蓄積された場所に入ると、かつて昔のゲームに出てきたキャラが出てくるのだ。
見た目はVRでも違和感の無いようなキャラ作りがされており、一部層を除く、そのキャラを見る者に強い興奮を与えた。
言動、声色はそのままに、これでもかという凝りに凝った製作がなされた。
中でも、そのキャラが使う必殺技とも言うべき技が客層を惹き付けた。
初心者には初心者用のスキルが、上級者には上級者向けのスキルが解放された。
世界を探せばまだ見ぬ技が覚えられた。
動画などに投稿された配信は、そのゲームを知らなくとも使ってみたいと思わせた。
それに目をつけた他の企業が私どもの製品もという提案をし、世界観を壊さぬよう調整の末組み込まれ、そのゲームの作中に散りばめられた。
こうして、本作品のストーリーを楽しむ者、技を使い決闘を楽しむ者、スローライフを楽しむ者、自由度の高いゲームとなった。
話題性が高まるにつれ、他の会社のゲームで電脳人が現れ、大切なデータが盗まれるという事態が発生し始めた。
これも話題になり始め、ネットで囁かれている。
そして、ここまでの話の目的を整理したい。
この世界、いわばDream Medusa On-lineにおけるNPCとも言うべき生きる住人は、運営によって、元々の魂を縛りつけられ、その上から役割を与えられ、強制的にロールプレイしているわけ。
種族、名前、家族、目をつけられただいたい全てが本来あるべき生活を変容させているわけだ。
しかし運営も人間なのだろう。
全てに目を通すことはできなかった。
かつてのあるべき世界を記憶に持つ者達が役割からの解放を目指し、立ち上がった。それが現実世界で色々噂になってる電脳人。
今まで存在していた世界にはない法則で魂が縛られたのなら、この世界にない理、解放への力を探せば良いと考えた。
今までに経験してきた「夢見の穴」はその世界の法則からなるそのゲームの能力をいただくってことで、
能力を使うことができる変わりにその人格とも言うべき記憶を受け継ぎ、自由自在に操ることができる。
能力の保有は戦力増加に繋がるけれど、魂の汚染は避けられなかった。
そのため、集めた記憶の欠片だけをろ過するように、目覚めの唄を編み出した。夜明けを告げるのは鶏だからとかなんとか。
ちなみに通常プレイヤーにはリスク無しですってよ。
俺の目的?
この世界の何処かにいるはずのゲームの登場人物を探すのさ。
同じ制作会社ならよく同じ容姿のキャラが使われていたりするだろう?
ならどこかにいるはずなんだ。彼女が。
前の話で出てきた三人が言っていた、このゲームのイベントって言うのは、イベント用にまた新しく魂の縛りが必要になるわけで、そこに綻びが生まれやすいんだ。
特別な「夢見の穴」ができるはず
問題点はどうやって解決するかなんだが……
合言葉は「ニゲラ」
とりあえず挑戦するしかないと思っている。
夕暮れに射し込む夕日の光はとても暖かい。
黄昏時に彼方の世界に渡るとしよう。
「起動」




