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恋骨!~恋するスケルトン~田中要はVRMMOゲームでスケルトンになって恋をする事にした。  作者: 熊谷わらお
第6章 人は骨と共に生き、骨と共に死す。そして想いは骨と共に残る。 68話~78話【完結】
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【もっと恋骨!】メモリーリトライバル最終話「友へ捧ぐ、傀儡の選択。」【おまけ企画】

ガーディアンズ ~メモリーリトライバル~

最終話「友へ捧ぐ、傀儡の選択。」


 復活した魔王は倒され、世界に平和が訪れた。しかし、1000年の後にまた復活を遂げるだろう。

 それに備えるために武器屋ライナスはミノタウロスの塔のすぐ近くに小さな街を作った。これまでに無い斬新な武器やアイテムが特産物となっている。

 ミノタウロスの塔は100階もあり、全てのレベル帯のモンスターが揃う場所だ。

 最上階である100階には、魔王の魂が封印されている。それを守ろうとするかのようにモンスターの復活が早く、効率良く狩りが出来る場所として人気の狩場となっている。しかも、塔の中で狩りをすると魔王の封印を強めるのに協力できるというのだ。

 世界のために役立とうと、かけだしの冒険者も凄腕の冒険者も各地から集まってくる。そのため、ライナスの街は上級冒険者と下級冒険者の交流の場となり、冒険をする仲間を探すのに適しているため「冒険者の聖地」と呼ばれる。

 ミノタウロスの塔でモンスターを倒しても、魔王を封印する効果はもちろん微塵も無いけれど。


 実際の魔王はというと……。

「売れ残りが増えてきちゃったなぁ。新商品を出すべきかな?」

 少年が大量のお土産グッズを持ってミノタウロスの部屋に入ってきた。

「ミノ君、何か売れそうな商品アイデア無い?」

 そう言われた屈強な肉体を持つ角の生えた獣、ミノタウロスは考え込む。

「そうですねー。キーホルダーは故郷へのお土産に人気で、木刀は男子に売れてますからね。今度は可愛らしい物とかどうですか?」

「可愛いかぁ。ぬいぐるみも良いけど、もっと実用的な物の方が便利かなぁ?」

「ベルトに付けられるポーチとかどうです?」

「良いね! よし、それに決定っ! ミノ君デザインお願いできる? 僕は縫製をお願い出来そうな街を探してくるよ!」

 そう言って少年はまた部屋を出て行った。

 後姿を見送ったミノタウロスは、モンスター型の傀儡の体から人間型の傀儡の体に乗り換え、執務室の椅子に腰かけた。紙とペンを前にするも筆が進まず、頬杖をついて机に飾られているミノタウロスの置物を眺める。

 角に指輪が掛けられるようになっているこの商品は、魔王様と2人で考えた最初の品だ。魔王様の政策のおかげで田舎の街にも仕事がまわり、経済的にも潤うようになってきた。私がやった事は意味があったと思って良いのかな……。


――1年前。

「教えてくれ。この世界を守るにはどうしたらいい? 世界をより良くするにはどうしたら良いのだ」

 ミノタウロスは人間型の傀儡姿で予言者の前に立っていた。机上の水晶玉に手を当てるようにして予言者は目を瞑ると告げた。

「異世界から来た者が世界を救う」

 それを受けてミノタウロスは心を決めた。

 魔法陣を用意し、異世界から救世主を呼び寄せる呪文を唱える。

 ずっと魔王の傍にあった傀儡の体。魔力は十分にあるはずだ。私を異世界から呼び寄せたように、アッシュの使った魔法を利用すれば異世界転移が可能だということは分かっている。書物も十分に読んだ。

 さぁ、どんな者を召喚しようか。リーベルタースの人間に近い見た目の者が良いだろう。性格はどんな人物が良いかな……決まっている。アッシュみたいな人物が良い。

 優しくて他人想いで。そして、特殊な力が無い人物。力じゃないもので世界を変えてくれる。エリー様とも仲良くなれるような、他人の痛みが分かる、そんな普通の子が良いな。

 魔法陣は光を放ち発動した。


 私が行った異世界転移がエリー様の命を奪った。それなのに、今を楽しんでいる自分がいる。罪深い私はどうしたら良いのだろうな……。

 執務室でミノタウロスはゆっくりと目を瞑った。

 腕に輝く腕輪の温かな光に心が溢れてしまいそうになったから。

「来客か」

 近づいてくる冒険者の気配に気付いたミノタウロスは、モンスター型の傀儡に急いで着替える。

 魔王様は塔から離れてくれているだろうか……。時々現れる志の高い冒険者が、ミノタウロスの塔の最上階を目指してやってくる。魔王の魂を滅するために。

 99階の迷宮を解除して、100階のミノタウロスの部屋に冒険者を導く。しばらくすると部屋の扉が開いた。

 なかなか強そうな冒険者達だ。

「我が名はミノタウロス=イフリート=シュッツァー。魔王様の従属にして最後の門を守る者」

 魔王の従属ミノタウロスは冒険者に告げた。

「私が魔王様にいただいている仕事は、英雄になりたいという冒険者を魔王に会わせ、顛末を見届ける事。だが、魔王の誕生と移り変わりを見て来て、私は冒険者に問う事にした」

 ミノタウロスの目が光る。

「目の前にいるあなたは、この世界を引き継ぐのに値するのかと。世界を背負えないなら、その手の中にある魔法書を閉じ、魔王討伐ではなく新しい冒険へと旅立ってくれ。しかし、背負う自信があると言うのなら、あなたを必要としている別の世界に送り届けよう。それも拒むなら……」

 ミノタウロスの部屋の壁が動き、98体のミノタウロス型の傀儡が現れた。

「全ての私を倒して通るがよい!」


 私は判断を他の者に委ねてきた。それが友としての役割だと思ったから。だが、私は私のために冒す事に決めた。

 この世界は私が守り抜く。命をかけてでも。


【完】


 メモリーリトライバルの最終回いかがだったでしょうか? 本当の救世主は既に異世界からやってきていました。彼が心を決めた事で願いは叶い、世界は救われる事になります。


 ブックマークありがとうございました! 半年ぶりにブックマーク数が増えました。わーい。今回は感謝の更新になります。お納めくださいませー。

 次回から7章といきたい所なのですが、途中で止めていた5章の追加のお話を書いてから7章に入りたいと思います。追加するのは書くのが苦手な恋話パートになります。どうすりゃ甘くなるんじゃー!

 出すのに少し時間がかかりそうなのですが、お待ちいただけたら嬉しいです。ありがとうございました。

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