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恋骨!~恋するスケルトン~田中要はVRMMOゲームでスケルトンになって恋をする事にした。  作者: 熊谷わらお
第5章 本を開けば恋になる。恋を閉じれば本になる。 59話~67話【話数追加予定】
68/83

64.田中要は手本をする事にした。

一話完結短編シリーズ 恋する着せ替えスケルトン

「うーん」

 首を傾げながら本を読みふける人物が1人。その名は皆川(みながわ)七見(ななみ)。その手には「恋愛必勝マニュアル」が握られている。

 男子にモテる男の悩みは「男子力」を上げる事。男らしさが上がれば、女子力で恨まれるような事も起こらないだろうし、デートも上手くエスコート出来るはず。

 真剣に読み進める表情は段々と混乱へと変わって、最後は弱音と共にベッドに倒れ込んで包み込まれた。

「わからないー」

 優しくするのは気を付けてるし、笑顔も多分大丈夫。他人の話を聞くのも出来てると思うんだ。重い物だって持ち上げられるし、相手をよく見て助けるのは回復職の基本だし、邪魔にならない位置取りも体に染み込むまで訓練したしなぁ。魔法発動までの待機時間も記憶している。あと何が足りないんだろう。

 包容力、決断力、腕力、知力、神秘力……。

「神秘力か!!!」

 謎めく人間は人の心を引き付けて離さないらしい。何だか気になってしまう、目を引く人間になろう。とマニュアルには書いてあるが……。

「神秘力って何?」

 そもそも、そこが神秘である。

「不思議って何だと思う?」

 ペットの猫。マリとモリの2匹に聞いてみても「ニャーン」と言われるだけであった。ゲームみたいに分かりやすい指標があれば良いのに。神秘値が上がるエサが欲しいよ。取り敢えず「神秘的な人」について調べてみた。

『生活感が無い。マイペースで独りで行動する事が多い。口数が少なく落ち着きがある』

 スーツか部屋着しか着ていないから生活感は無いかもしれないけど、他の部分って自分では分からないなぁ。こういう人が身の周りに居たら勉強になるのに……って、いた! 神秘的な人!

「カナメンさんだ!!!」

 神秘的人間。その名はカナメン。つまりは田中(たなか)(かなめ)である。

 生活感無し! マイペース! 独りぼっち! 口数少ない! 落ち着きは無いようで有る! スケルトンが大好き! 謎だらけでパーフェクトである。


「どうしたんですか? 七味さん」

「何でも無いです。自然にしていてください!」

 観察する七味の熱い視線にソワソワするカナメン。

「カナメンさん。手先が綺麗ですね」

「本当にどうしちゃったんですか! 七味さんっ!!!」

 手先は手先でもスケルトンの手先だ。こう書くと悪の手先みたいだな……。スケルトンの手の先なので悪しからず!

「ふぅっ」

 悩んだ様子で時折ため息をつく七味。アンニュイな様子の美少女は絵になる。

「どこか具合が悪いのですか?」

「大丈夫ですよっ!」

 精一杯の笑顔で応える美少女。


『あの子、健気だなぁ』

 それを見ていた周囲の七味に対する好感度がアップした!

 男子力を上げようとして、ますます女子力が上がってしまう七味であった。


ブックマークありがとうございました! 感謝の品にございます!

次回は「65.田中要は除霊をする事にした。」になります。夏の風物詩。涼しくなるお話でございます!

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