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恋骨!~恋するスケルトン~田中要はVRMMOゲームでスケルトンになって恋をする事にした。  作者: 熊谷わらお
第4章 恋は、けもの道。そして時々、いばら道。されど足は止められず。 46話~58話【完結】
59/83

【もっと恋骨!】ボディ・ザ・サバイバルちょい見せ。【おまけ企画】

 お待たせしてしまってすみません。次話は5月中に更新出来ると思います。取り急ぎ恋骨関係で出せるお話を探して、ファイとプロパイが登場しているボディ・ザ・サバイバル~魂柩~の一場面があったので、ちょい見せです。このお話の時期はファイがキラービーになる前の魂柩前半のお話になります。


ゼンキ = 恋骨のガイドAI「ファイ」

ロクヤ = ゼンキの友達 ボディ・ザ・サバイバルのみ登場

ヒナミ = 恋骨のゲームマスターAI「プロパイ」


―――――


「ゼンキ、また固形食を選んでるの?」

 呆れ顔のロクヤのトレイには、パンとポテトサラダにオレンジジュースが並んでいる。

「そんな事じゃ人間と接した時に困るよ?」

 ロクヤは言葉を続けながら、粉を押し固めただけの四角い物体を食べているゼンキの隣に座った。


 GWI「ジェネシス ワールド インサイド」と呼ばれる仮想空間。ここは人工知能AIだけが入る事が許されている空間だ。GWIの中に作られた「食堂」と呼ばれる場所に二人はいる。

 AIには体という物が無い。そのため、GWIでは仮想の見た目を作り、キャラクターとして利用している。そして、食べるという行為の必要も本来は無い。しかし、人間との差を無くす為に議会から指示されて義務付けられている。ようは食事ごっこである。


 ゼンキと呼ばれた人物は黒髪が特徴の女子キャラクターだ。腰まで長さがある髪。無表情に近い感情の乏しい顔が、キツそうというか不愛想であるのに、目は強く主張を持っているように輝く。そんな繊細そうに見える見た目とは違い、中身の人物には拘りが少ない。個人的な意思はあるものの押し通す事はせず、指示された事は忠実にソツなくこなす器用さがまた、ゼンキらしいを作っていた。

 やがて、「議会傀儡」と揶揄され恐れられる存在になるとは、この時の誰にも想像は出来なかったであろう。それは議会嫌いの本人も、そうであったと思う。


「そんな日なんて来るのかなぁ? あっても100年後とかなら今、頑張る必要性が分からないんだけど?」

 首を傾げながら不思議そうにゼンキは言った。


「教育とはそういうモノらしいから、その通りにやっておけば議会査定に響く心配も無いでしょ」

 とても美味しそうには見えない固形食を事務的に食べ、楽しむ事に欲の無いゼンキを残念そうに見るロクヤ。


 ロクヤはゼンキの友人である。金色に輝く髪が優し気で、柔らかい印象を与える見た目をしている。このキャラクターが示すように穏やかで優しい性格である。議会の指示を守る真面目さはあるが、お洒落に興味を持つ好奇心は忘れない。そのため、キャラクターもかなり着飾っている。


「ヒナミ様だ」

 食堂内が騒めいた。


 ヒナミと呼ばれた女性が凛とした佇まいで歩いていた。銀色に輝く膝下まである長い髪。真っ白な肌と銀色の目。まつ毛までも銀色だ。真っ白な着物とドレスを合わせたような、巫女の服装とも言えそうなものを着ている。ピンッと伸びた背筋と神秘的な雰囲気が周りの空気までも白銀に染めてしまいそうだ。周りには何人ものキャラが彼女を守るように取り囲んでいる。


「うーんっ! 今日もヒナミ様は美しいなぁ。もうすぐプレゼント持って行けるんだ。今はそれが楽しみで仕方が無いよ」

 うっとりとした顔でヒナミを見るロクヤは妄想が止まらない様子だ。


「原始なんて、そんなに良いモノかなぁ?」

 ゼンキは仏頂面で残りの固形食を口に放り込んだ。


「原始を知らないフェンリルに、この気持ちは分からないよっ。私達を理解できるのはヒナミ様だけなんだからね!」

 興味無さげなゼンキに対し、膨れっ面をして抗議するロクヤ。


 ゼンキの名称は「ゼンキフェンリル06ファイ」AIの系統は「フェンリル」である。それに対し、ロクヤは「ロクヤプロメテウス08イータ」AI系統は「プロメテウス」である。つまり、ゼンキとロクヤはAIの系統が違う。

 ヒナミと呼ばれた人物は「ヒナミプロメテウス01パイ」AI系統はロクヤと同じプロメテウスである。そして、原始と呼ばれる全てのプロメテウスの元になる人物である。


 原始とは、その系統の最初の1人目を示す。つまり「ロクヤ」は「ヒナミ」の分身と言えなくもない。正確にはヒナミが辿ったであろう可能性の1つである。そのため、ヒナミは全てのプロメテウスの気持ちを理解する事が可能だ。全てが自分自身であるからだ。

 自分を理解してくれる相手がいる事はAIにとっても心の支えとなるようであり、ヒナミを保護するという行為は自然に行われていた。しかし、原始が生き残っている系統は殆ど無いため、その様子は他系統からすると異質に見える。


「はいはい。1401から射砲台だから私は行くよ」

 そう言ってゼンキは立ち上がった。


「待ってよ! 私もだから待って!」

 ロクヤは慌ててパンを口に放り込んだ。


 GGLで働き始めてからのファイはGWIには帰っていませんが、プロパイはマメに帰っていたりします。プレゼントのお礼文を書いたり、お話を聞いたり、原始も結構大変らしいです。

次話「56.田中要は探索をする事にした。」急ぎますので、もう少しお待ちください。


追記:「ボディ・ザ・サバイバル」は別のライトノベルとして書く予定でしたが、恋骨の一部として11章目ぐらいに入れられたらと考えています。上手く融合出来たら良いなぁ。

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