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恋骨!~恋するスケルトン~田中要はVRMMOゲームでスケルトンになって恋をする事にした。  作者: 熊谷わらお
第3章 それは田中ですか? いいえ、これは中田です。 38話~45話【完結】
43/83

42.田中要は中田をする事にした。

一話完結 恋する着せ替えスケルトン 短編シリーズ

「今日、お客さんが来るけど、(かなめ)ちゃんは名乗らないでね」

 お客さんが来るのも珍しいが、(みなみ)桔梗(ききょう)が警戒している様子も珍しい。


「どうしてです?」

「要ちゃんを指名してきてるんだけど、こういう場合って、引き抜きだったり、直接交渉で値切りたいとかトラブルも多いのよ」


 ここは桔梗が社長を務めるアンデッドブランド「Zs(ゼス)」の社内だ。

 社内と言っても働いているのは桔梗と要の2人だけ。しかも、普通の部屋を会社として使っているので、部屋の様子も会社らしくは無い。


 ゼスは(ひつぎ)から墓場(はかば)までをコンセプトに、ゾンビやスケルトンのグッズを作っている。

 最近取り組んでいるのは「ゾンビズ」つまり、ビジネスにも使えるゾンビグッズ。その他にも、学校でも使える「スクールスケルトン」も考案中であります。

 決してデフォルメではありません。ゼスはリアル志向が売りですので!


 来客として現れたのはスーツの似合う眼鏡女子(めがねじょし)。タイトスカートにハイヒールの服装は昔のPHI(ファイ)を思い起こさせる。


「社長の南桔梗と申します」

「ルシフェルのマネージャーをしております。ブラックアウトの三古屋(みこや)三美(みみ)です」


 ルシフェルのマネージャーという事は、目の前のこのクール美人が攻機結戦(こうきけっせん)の「ミミミ」という事になる。

 VRMMORPG GGL (ジェネシスガーディアンズライフ)において、ギルド「攻機結戦」はゲーム内で1位2位を争う強いギルドだ。突破力と戦略に()けている。


 突破力を支えているのがギルドのリーダー超高神聖(ちょうこうしんせい)ルシファライト。現実世界におけるルシフェル。本名「深山(みやま)光輝(みつてる)」だ。

 そして、戦略を担当しているのがギルドの(影の)リーダーミミミ。ビジュアル系アーティスト「ルシフェル」のマネージャー。本名「三古屋三美」だ。


 GGLのゲーム内で何度もミミミには(ひど)い目にあわされてきたカナメン。ゲームから飛び出して、とうとうキャラクターの中身である田中(たなか)(かなめ)にまで毒牙が迫る。


 名刺交換(めいしこうかん)が終わると桔梗は話を切り出した。

「田中を訪ねて来て下さったのですが……申し訳ございません。本日、田中は休みを取っております」

「そちらは?」

 三美は要の方を見た。


「社員の中田(なかた)です」

「それは残念だわ」

 どう考えても誤魔化せてはいないが、警告としては上出来であろう。


「田中さんにルシフェルのグッズを作っていただきたいと思い、お伺いいたしました」


 ルシフェルというのは、甘い歌声と中性的な見た目が魅力的なビジュアル系アーティストである。黒や白の落ち着きがありシックな衣装を(まと)う事が多いので、ゼスとは相性が良さそうだ。しかし、小さな会社に頼まなくとも、ルシフェルのグッズとなればデザインをしてくれる所は多いはず。

 三古屋三美はマネージャーと名乗ってはいるが、ルシフェルが所属する事務所「ブラックアウト」の社長でもある。ゼスが社長自らが出向いてまで落としたい相手とは考え(にく)い。何か不利な条件や無理を押し付けて、使い捨てにされる不安しか無かった。


「ブライトゾンビをプロモーションビデオに使用させていただく事も検討いたします。ゼスの名を世界に広めるチャンスだと思いますよ」


 その言葉に思わず要を見る桔梗。目がキラキラしてしまっている。


「引き受けて下さるのでしたら……業界に多少のツテもありますので、映像関係の依頼も紹介可能なのですがねぇ」


「中田! どうしよう!」


「中田としては素晴らしいお話だと思いますが……田中に聞いてみない所には何とも言えないかと思います」

 中田も田中も大変である。


「ルシフェルは見た目で誤解を受ける事も多いんですよ。本人にお会いしていただければ仕事を引き受けて頂けるだけの魅力を持っている相手だと理解して頂く自信があります。一度、田中さんにはルシフェルとお会いして頂きたく思っております。その上でお断り頂くのでしたら、こちらも納得できますので。後日ルシフェルと共に田中さんにお会いする事は可能でしょうか?」

 三美は完全に中田に向かって言っている。


 田中としては危険人物ミミミに関わると(ろく)な目に合わないので断る方向である。それに、田中要がカナメンだとバレても厄介だ。断ると心は決まっているが、仕事という事もあり出来るだけ穏便に断りたい。


「分かりました。お会いするだけでしたら大丈夫だと思いますので、田中に伝えておきます」

 中田は言った。


「ありがとうございます。日時は南さんと相談をして、こちらの仕事に支障が無いようにいたします」

 三美は軽く頭を下げた。しかしその時、眼鏡が光った事に誰も気が付かないのであった。


 眼鏡が光る時、中田包囲網が発動する。ゲーム冥王VSリアル冥王。勝敗はいかに! 次話「43.田中要は逢瀬をする事にした。」 ブックマークありがとうございました! 感謝の更新です。お楽しみいただければ幸いです。3月は週に1回ぐらいの更新となる予定です。よろしくお願いいたします。

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