35.田中要は撃退をする事にした。
一話完結 恋する着せ替えスケルトン 短編シリーズ
ドリームスケルトンランドの扉は閉じられ、開かないように鍵がかけられている。その中で身を小さくして隠れているのはスケルトン男子のカナメン。
ダンジョンの外には沢山のガイドAIが押しかけている。
「スケルトン王を村に連れて来ると、村が活性化するらしい」
そんな噂が誰かによってもたらされたためだ。
「スケルトン王を出せ!」
「他の村だけずるいぞ!」
「ゲームマスターは贔屓するな!」
あちらこちらの村からやって来たガイドAIキャラが抗議の声を上げている。
先日の出来事によりLAMBDAはオーク村の方針を変更した。そして、カナメンがすすめた昔ながらのオーク村となった事で客足が戻り始めたのだ。その噂を聞きつけた者達が、自分の村も活性化したいとやって来ていた。
「本当に迷惑なダンジョン」
ドリームスケルトンランドの中に現れたスケルトンは、ゲームマスターのEPSILONだ。不機嫌そうに腕組みをして、冷たく言い放った。
「自分たちで何とかしなさいよ……ユーザー間の揉め事はユーザー間で、AI間の揉め事はAI間で!」
「いいのですね?」
PHIの眼鏡が光る。
そして、ドリームスケルトンランドの扉が吹き飛んだ。
「スケルトン軍団前へ!」
ファイの号令に合わせて、スケルトンが列をなす。
「この場所に攻め込むとは愚かな。スケルトン王いや、スケルトンとダークエルフを従える冥王カナメン様こちらへ」
カナメンが豪華な椅子に座らされ、スケルトンに担がれて登場する。
「闇落ちエルフに、島流しスケルトンのくせに、生意気!」
エルフ村のMUが声を上げた。
「エルフの先輩だからと思って大人しくしていましたが、ダークエルフとして独立したからには対等な立場です」
ファイは眼鏡を指で少し上げると、ポーズを決めて言った。
「あいつ何か恨んでる訳?」
当たり前です。
「地上を追われた我らが恨み、冥王様が晴らしてくれようぞ! 鉄壁の要塞プリズンフォートレス・オブ・ハーデス! くっ、我が心に棲む暗黒が疼く!」
「ファイ! 設定増やすの止めて!」
ファイの暴走に涙目のカナメン。
「冥王様のお命を狙うというのならば……私を倒して奪うが良い!」
ファイはグレネードランチャーを構えると、迷う事無く発射した。
ガイドAI達の真上で弾丸が炸裂し、火の粉が降り注ぐ。逃げ惑う人々。
「ファンタジーで銃火器使うな!」
「魔術師が銃を使って良いと思っているのか!」
抗議の声にファイは眼鏡を光らせたまま言った。
「これは最新式魔術道具、スカルフラッシュ グレネード ランチャーです。発射及び起爆させるだけで、爆発するスカルフラッシュはファンタジーだからセーフです。次は……当てますよ?」
返事を待つ事無く、次々と発射される弾丸。
「プリズンフォートレス・オブ・ハーデス」
冥府の監獄要塞に相応しい、容赦の無い戦いであった。
豪華な椅子の上で、冥王様は膝を抱えて泣いていたけどね。
恋骨は残り2話で2章完結になります! 完結後は10日ぐらいお休みをいただいて、3章は3月上旬から始める予定です。評価や感想をいただきましたら急いで更新いたしますので、お寄せいただけると励みになります。




