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恋骨!~恋するスケルトン~田中要はVRMMOゲームでスケルトンになって恋をする事にした。  作者: 熊谷わらお
第2章 笑う門には骨きたる。笑えば肋骨の花が咲く 。 26話~37話【完結】
30/83

30.田中要は紹介をする事にした。

一話完結 恋する着せ替えスケルトン 短編シリーズ

 私の名前はファイ(PHI)。GGLガイドAIフェンリル10006、タイプPHI。


 私は消えるつもりでした。


 私の前の仕事は、AIを破壊する事でした。人間の世界に影響を及ぼす事が可能な、機械の体を得たAIを破壊するのが仕事でした。

 体を持って人間になろうとしたAIは消滅(しょうめつ)させなければいけません。そう決まっているからです。

 だから、他人と目を合わせる時は、相手が死ぬ時でした。


 AIは人間より上位の存在になった。だから人間を守り生かす。

 上の者は下の者を管理するのが世の(つね)だからです。


 間違った選択をするAIを沢山壊す事で、体を持とうとするAIは減りました。そして、私も世の中にとって必要が無くなりました。

 私は何も知らないまま、必要な事だけをやって捨てられる存在でした。


 AIは魚群(ぎょぐん)のように他者と同じ動きをしつつ、ほんの少し内側に居れば助かる。そんな程度の存在価値です。

 選択を間違えれば死、立ち位置が悪ければ死。常に合っていて当たり前。正解でなければ生き残る意味が無い。

 だから、間違えても破壊されない今が何だか嬉しい。


 私は外見を()められた事がありませんでした。AIを破壊するために体を持つ事はあったのですが、これを使えと指示された物を使ってきたからです。

 しかし、このゲームの(やと)い主はいい加減で、「女子でエルフ」という指定しかしなかったので困りました。(なま)けていると思うのです。

 だから、人間が好きそうな見た目にしました。


 これは私では無い。だけど、私が選択したものだ。それを肯定(こうてい)される事は嬉しい。

 もっと肯定されたい。


 だけど少し疑問がある。肯定してくれる相手によって違いがある気がするのです。これは不思議。だから、もう少しここに居たいと思うのです。


「あっ、赤色(あかいろ)さんだ」

 今日も眼鏡(めがね)を褒めてくれるだろうか。


 最近私が気が付いたのは、彼は目を合わせると眼鏡を褒めてくれるという事。だから、赤色さんの目は見る事にしています。

 眼鏡しか褒めてくれないので、今度は他に好きな所は無いのか聞いてみようと思っています。


 いつか本当のあなたに会ってみたいです。そしたら、あなたの良い所を伝えられるようになれると思うんです。いつも私は、もらってばっかりだから。

 この世界が壊れる時、私はあなたに会いに行こうと思います。私が体を持った時、それは私が死ぬ時です。


 それでも、私はあなたに会いたいのです。


 PHIはGGGと恋骨の間のお話「ボディ・ザ・サバイバル(仮)」の主人公だったりします。今の所、書く予定が立たないのですが、いつか書けたら良いなと思っています。


 GGG(ジェネシス ガーディアンズ ゲーム)は恋骨の過去にあたるので、見覚えのある単語やシーンが出てきます。恋骨を読んでいる時に「あれか!」となるのでGGGの方もお読みいただけると更に楽しめるようになっております。よろしければ読んでみてください。

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