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恋骨!~恋するスケルトン~田中要はVRMMOゲームでスケルトンになって恋をする事にした。  作者: 熊谷わらお
第2章 笑う門には骨きたる。笑えば肋骨の花が咲く 。 26話~37話【完結】
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28.田中要は会議をする事にした。

一話完結 恋する着せ替えスケルトン 短編シリーズ

「第1回骨壺(こつつぼ)会議を始めます」

 面倒そうな声を出して会議を仕切るのは赤色(あかいろ)53号。


 誰も狩りをしない静かなドリームスケルトンランドで会議は行われている。


 参加メンバーはスケルトン王カナメン、(とら)われの姫七味(しちみ)、ゲームマスターTAU(タウ)、案内人PHI(ファイ)、進行役の赤色53号である。


 ドリームスケルトンランド通称「骨壺」は過疎(かそ)っていた。


「何で利用しないかのアンケートとってきてやったぞ」

 人間の少年キャラ赤色はそう言って、メモを読み上げた。


「上位ギルド、Mさんからのご意見。透けているため、他ギルドに狩りのコツを見られると困るので避けている」


「獣人、Iさんからのご意見。移動アイテムを手に入れるのにクエストをやるのが面倒」


「おしゃれ女子、Hさんからのご意見。暗い」


「最強ギルドマスター、Aさんからのご意見。パーティー内で嫌だと言う人が1人でもいると、行き先として除外するしかない」


「回復職、Sさんからのご意見。アンデッドが得意な職業には良い狩場だが、多くの職業で旨味が感じられないかもしれない」


「スケルトン王、Kさんのご意見は……いいや」


「この事から分かるのは、狩場自体に問題があるという事だ。つまり、小手先の変更じゃ無理だぞ」

 赤色は(すで)に諦めている様子で言った。


 ドリームスケルトンランドはガラス張りの100階建てダンジョンだ。モンスターはスケルトンしかいない。一部の人間から評判であるが、多くの人間から不評である。


 人間キャラの美少女、七味が手を上げた。

「パーティー用の狩場として設定されているのですが、ソロ狩場にしてしまった方が需要があると思います。他人とモンスターを取り合うのを好まないプレイヤーも多いですし、静かで広いのは訴求(そきゅう)があると思うんです」


「移動アイテムも廃止(はいし)して、無料で移動できて、時間が無い人に使いやすいようにすれば1人で狩るにも良さそうだな」

 赤色がソロ狩場に賛成した。


「フリーマーケットやりたいです!」

 スケルトン男子カナメンはまだフリマ企画を諦めていなかった。


「こんだけガラスがあるんだから、レンタルスペース作って売れば良いんじゃねぇの? 見てるだけでも楽しめれば、(ひま)つぶしぐらいにはなりそうだしな」

 赤色が更に便利な案を出す。


「いっそのこと、博物館っぽくしてしまうのも有りかもなー。ホネタウロスが展示されているし、階段の所に限定アイテムとかを展示して、とにかく人がいて賑やかな雰囲気が出せればデートとかにも使えるようになるんじゃないか? アイテムの展示ってゲームマスターの方でやれないか?」


 赤色の言葉にスケルトンキャラのタウは答えた。

「展示ならワールドの経済に影響しないし、レンタルスペースも俺がプログラムすれば良いから問題ないけど、仕事が増えるのにファイが賛同してくれるのが条件かな」


「移動アイテムクエストを無くすのであれば手は()きますので、私の方は問題はありませんよ」

 エルフ女子のファイからOKが出る。


「何とかなりそうな気がしてきました」

 カナメンが嬉しそうに言った。


「残る改善点は……」

 そう言って赤色がファイに近づく。そして、取り出した眼鏡をファイにかけた。


「エルフの視力設定とか分かんねーし、目が綺麗だから隠さない方が良いが、ガラス一枚でもあれば視線が少しは気にならなくなるだろ。可愛いんだから自信持て」


 ファイはストレートのロングヘア―に、眼鏡に白シャツ、タイトスカートにハイヒールというマニア必見の受付嬢スタイルになった。


「私可愛いですか?」

「大丈夫、顔だけは可愛いから」

 ファイは赤色の言葉に真っ赤になって(うつむ)いてしまった。


「それに、顔見られたく無いなら、もっと露出(ろしゅつ)上げろ」

 赤色はファイの胸のボタンを外す。そして、両手で乳を両脇から寄せると、ググっと持ち上げた。


「このぐらいすれば、目線が下に行くから。服装も変えれば分散できるだろ。女の服は分かんねーから、カナメン見繕(みつくろ)ってやれ」


「赤色さん、(すご)いですね」

 七味の言葉に赤色は自慢気に返した。

「仕事柄こういうのやるから」


 胸を寄せる仕事では無い。あしからず。


 リニューアルは1か月後! ニュードリームスケルトンランドよ輝け!


次話「29.田中要は決闘をする事にした。」 恋するスケルトンはサクサク読める1話完結の短編集です。評価や感想をいただきましたら急いで更新いたしますので、お寄せいただけると励みになります。


 終末世界で繰り広げられる恋物語。GGGは2章の後半まで進みました。ちょうど区切りの良い所なので、よろしければ読んでいただけると嬉しいです。

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