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恋骨!~恋するスケルトン~田中要はVRMMOゲームでスケルトンになって恋をする事にした。  作者: 熊谷わらお
第1章 スケルトンは恋の夢を見るのか? 1話~25話【完結】
13/83

13.田中要は召喚をする事にした。

一話完結 恋する着せ替えスケルトン 短編シリーズ

『デートいつにする?』

 ミフネからメールが届いた。正確には御船(みふね)健吾(けんご)からのメールだが。


『何の話ですか?』

 田中(たなか)(かなめ)はメールを返す。


『約束しましたよ』

『いつですか?』

『バグズドラゴンを倒した時に』


 あー。あったような、無かったような。


 正直行きたくない。何度も断っている。断っているのにしぶといのが御船健吾だ。でも、今回は流石(さすが)に行かない訳にはいかないよね。ゲーム内でお世話になったし。


 2人は仮想空間で遊べるゲーム、VRMMORPG GGL (ジェネシスガーディアンズライフ)を遊んでいる。御船健吾が操るのは「ミフネ」人間の青年の姿をしたキャラクターだ。

 ちなみに、田中要が操るのは「カナメン」スケルトンの男の姿をしたキャラクターだ。毎回言うが、間違いではない。骨のスケルトンで、かつ男子だ。とてもお気に入りだ。


「フネ君は優しいよ。行ってみたら良いじゃん」

 そう、ヒヨコは言った。


 ここは、仮想空間のGGLというゲームの中だ。ヒヨコは(おおかみ)の耳と尻尾を持つキャラクターで、ミフネがリーダーを務めるギルド「ブロッサム」のサブリーダーをしている。

 その言葉を受けた要のキャラクター「カナメン」はがっくりと肩を落とした。

「断るべきだ」と言われると予想していたのだ。


「付き合ってみたら良いじゃん。別れた彼女でゲーム続けてる人多いし、みんな仲が良くて友達増えるかもよ?」

 ヒヨコは付き合う事までもすすめた。


「御船君は変わった所はあるけれど、女子に優しいし、気が変わるかもしれないから一度行ってみたら?」

 そう、(みなみ)桔梗(ききょう)は言った。 


 ここは、現実世界の仕事場だ。小さな部屋をオフィスとして利用している。ゾンビを愛する桔梗が、ゾンビグッズを売るために作った会社だ。最近は、要がデザインするスケルトンの方が売れているが。

 その言葉を受けた「カナメン」では無く、スケルトンキャラクターの中身の「田中要」はがっくりと肩を落とした。

「断るべきだ」と言って欲しかったのだ。


「付き合ってみたら良いと思うんだけどな。別れた彼女とも仲が良いままだし、ダメだったとしてもリスク少ないわよ?」

 桔梗までもが付き合う事をすすめた。


「早かったね」

 目の前の男性は言った。御船健吾は、高そうなスーツに身を包んでいる。それに対して要は、桔梗に借りたニットのアンサンブルに、これまた借りたスカートという服装に身を包んでいる。


 ホテルの最上階。足が沈み込む豪華な絨毯(じゅうたん)が、要を転ばそうと仕掛けてくる。ぎこちない歩き方で、御船健吾、つまりミフネの後ろを必死に追うが、どんどんと距離は離れて行く。


 真っ白な布のかかったテーブル、店員に引かれて座る椅子。スマートなオーダーの後に運ばれてきた、目の前に並ぶ豪華な食事とワイン。全てが夢の中のように、静かにゆったりとした時間を作り出している。


『この食事は……何スケルトン分?』


「彼女になってくれたら、払わなくても大丈夫だよ?」

 まるで心でも読んだかのように、ミフネにこやかに微笑んだ。


「デートの相手には払わせないのが主義だから安心して」

 要の慌てる様子を見て、ミフネは小さく笑った。


『ミフネさんは確かに優しいし、条件は良いのだと思う。だけど、私は自分らしくいられる人の方が好きなんだ』


 しばらくの歓談の後、意を決して要は言葉を発した。


「私、好きな人がいて……」


「要ちゃん。(うそ)を言っても無駄だからね。俺、嘘付かれているのか分かるから。赤色(あかいろ)でも七味(しちみ)でも無いよね? 誰?」


 読まれてる!!!


『たっ助けて、骨子さん! ……ってそうか! もう一度、冥府(めいふ)(もん)を召喚します。呪文詠唱っ!』

 田中要はゲーム内のごとく、呪文を(とな)えた。


「仕事でゲームを辞めてしまった人なのですが……凄く、素敵な人なんです。優しくて。(あこが)れていて。でも、会えなくて。でも、忘れられないんです。ごめんなさい」


 恋だったなんていうのも思い込みなのかもしれない。骨子さんの何を知っているのかと聞かれたら何も知らない。ただ思い出すと、胸の奥がギュッと痛いだけ。


「そうか……間違っていたらごめんね、要ちゃん。女の人だね、相手の人」

「……はい(人工知能AIに性別ってあるのか分からないですけど! 多分!)」


「そうかぁ。要ちゃんは女の人が好きだからか……通りで(なび)いてくれなかった訳だ」

「……(それが理由では無いのですが、(あきら)めてくれたら何でも良いです!)」


「分かったよ。教えてくれてありがとうね」

「誘っていただいたのに、すみません(やったー!)」


 こうして二匹目のボスモンスターも骨子さんによって倒されました。


 田中要の世界にも、平和が訪れたのである。めでたし、めでたし。


 今回はミフネとのデートでした。次回は七味が登場です! お楽しみに!


 恋するスケルトンは1話完結でサクサク読める短編です。お話が思い付きましたら、不定期で週1回ぐらい追加する予定です。ブックマークや評価などいただけましたらお話を急いで更新いたしますので、お寄せいただけると励みになり嬉しいです。よろしくお願いいたします。

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