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創世神話
世界は《万物の書》に創造神グリムの名が刻まれたときに始まった。
世界は神の書物であり、万物は神の言葉である。
創造神グリムはその書を使い、他の神々を創造する。
ここに《神の時代》が築かれ、創造神グリムは神の国を繁栄させた。
だが、創造神グリムの《万物の書》を狙う一部の神の手によって、争いがおこり、《万物の書》は無数の書の欠片となって世界に飛び散った。
書の欠片は空となり、地となり、海となり、そして様々な生き物となって天地を作り上げた。
これが《天地開闢》の由来である。
地上に住まう様々種族がその欠片を手にし、神と同じような力をふることができる。
この書の欠片のことを《書片》、その使い手を《書片使い》と呼ぶ。
飛び散った《書片》の中でも《万物の書》の最初に記された《始まりの書片》を手にしたものは創造神と等しい力を得ると言われている。
あらゆる種族が《始まりの書片》をかけて争った《書片争いの時代》が終わりを告げた約2000年後からこの物語が始まる。