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ペ天使 -幸か不幸か高校生活-  作者: 海老尻尾
第1話 What is your name?
5/19

What is your name? (3)

修羅場である。

もっかい言う。

修羅場である。かなりの。


どのくらいの修羅場かっていうと、


2年間付き合っていた彼女のヨシコには内緒で、マナブは少しづつ惹かれあっていた幼馴染のサナエと、買い物にいった。

楽しそうに会話する2人。

だが、マナブは、後ろから忍び寄る殺気には気付かなかった。

「何してんの?マナブ。」

聞きなれた声。

そう。

「ヨシコ…。なんでここに…!?」



っていう状況くらいの修羅場である。誰だこいつら。


好きな女の子と女子トイレではちあうって……。

最悪だ。

ただでさえ間違えたとはいえ女子トイレに入るだけでやばいのに。

目あっちゃたし。ぱっちりと。

明日から俺ら2人は変態呼ばわり確実だ…。

(ここまで0.2秒)


でもまあ1人で変態になるよりは、まだ同じ境遇の一馬がいるのは救いだ。

とか考えながら横の一馬をちらっとみる。

(0.1秒)


あれ?

いない。すぐ横にいるはずの一馬が。

なんで?あいつ瞬間移動使えたっけ?

(0.1秒)


と、突然、背中に変な衝撃をくらった。

同時に、開いていたドアの真横にいた俺の体は、前に一歩つんのめる。

(0.3秒)


そして、ドアがガン、と勢いよく閉まった。

(0.2秒)


わずか0.8秒。素早い出来事に、パニックっていた俺の脳みそは、さらに壊れた。

でもその、ぶっ壊れた脳みそでも、自分の背中越しに、今、何が起きたのかは把握できた。


ドアは、閉まったのではない。

閉められたのだ。

一馬に。

それで状況が全て説明できる。


最悪だ。あいつ。

いや、でもすぐに逃げ出したあいつの行動は正しいのか。

けどなんで俺をこんな状況してくんだよあの野郎…。


一目惚れした女の子と女子トイレではちあう。

もとい

一目惚れした女の子と閉められた女子トイレで2人きり。


なんだよこの展開、青年向けのちょっとエロい漫画じゃねえんだよこっちは!

コメディ枠で連載してる三流小説だろぉが!変な方向に持ってくなよ!


…見てるよこっち完全に…。あの子…。

やべぇ、どうする?どうする?


どうするも何も。

逃げるしかないよ。うん。


ぱっとドアノブを握る。

回す。

開ける。

出る。

走る。

多分オリンピックに“振り向きざまドアノブ開け”っていう種目があったら俺世界新出して優勝できるんじゃないかってくらいの神速。


あーあ、終わったよ俺の高校生活。

どうしよ…。しかもあの子と同じクラスだし…。

瞬く間に噂広がるんだろーなあ…。女子トイレに入った変態って…。

全速力でクラスに戻る俺の目は、もう潤んでいる。


「ねえ、ちょっと…待って!」

後ろで誰か叫んでる。いや待つわけねぇだろこの状況で!

……って

え?

いや、まさか…とは思いながら振り向く。

あの子だ。

あの子が俺を呼びとめている。

声、初めて聞いたけど。


もう既に事件現場トイレから5メートルぐらい走っていた俺は、おもむろに立ち止まった。

…怒ってんのか?

でも、5メートル越しに顔を見る限りだと、そういうわけでもなさそうだ。


そして、冷や汗だらだらの顔で、トイレの前のあの子の方へ、進み始めた。

目は思いっきり逸らしながら。



今回の話トータルで10秒くらいしか進んでないけど、

続く!

どうなる俺!


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