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第二姫様付き侍女のお話  作者: REDPINE
本編~ニナ視点~
1/10

プロローグ

一周年記念として記載します。

 ここは、王都ブロン。

 ディーカル大陸の大半を占める国土を持つガスターナ王国という名の大きな国の王都だ。

 この国で戦争は、ここ60年ほど起きておらず、いたって平和な国だ。

 隣国との国交関係もとても良く、盛んにそれぞれの特産品を流通させているという現状。

 周辺各国の王族はとても気性が穏やかで、ガスターナ王国を中心として国政を営んでいる。

 周辺各国も合わせて、国柄は到って温厚と言っていいのだろう。

 中世のヨーロッパの様な建築物に生活物資。

 携帯やパソコンといったハイテク機器などと言うものがなく……というか、それ以前に電気自体がない。

 国民のほとんどは、“魔法”という非科学的なものに頼って生活している。

 “魔法”は、もちろん魔力がなくては扱えない代物だということは、この国の三歳児ですら分かっている常識的なことだ。

 だが、この日常生活をするにあたって必要な量の魔力が少ない人間は多い。

 全くない人間はいないと言われているが、そのためにそれを補助する道具、“魔道具”なるもので生活に支障がない程度には魔法が使われている。

 その“魔道具”はどういうものかと言うと、“魔宝石”という鉱物に、意図的に魔力を封じ込めたもの・または自然の中で封じられているもので、それを身につけているだけでその“魔宝石”に封じられた魔力を使うことができる、という代物だ。

 さて、その“魔宝石”なるものはどうやって作るかと言うと、それは国家機密らしい。

 ので、詳しくは私にも分からない。


 さて、話は変わるが、ここまでで皆さんは何か違和感を感じなかっただろうか?

 これはナレーションが勝手に話をしているわけではない。

 私、ニナーヴィア・ロウスツーヴルが頭の中で解説している話なのだ。

 さあ、私が言いたいことがわかるだろうか?


 あ……生意気な物言いでしたね……すみません。

 つまり!私が言いたいことはですね?

 この国で生まれ育った私がどうして、携帯だのパソコンだの中世ヨーロッパだのという地球という星の日本で日常的に使われている馴染みのある言葉を何故使っているんだと違和感を感じなかったでしょうか?とお聞きしたいのですよ。


 え?興味ない?あらすじ読んだから知ってる?もったいぶらずに早く話せ?

 そうですよね、すみません。

 つまり、私は死んでこの異世界に転生したようなのです。

 はい、生まれ変わりました。

 しかもありきたりな前世記憶持ちです。


 前世の私は仁井月佳奈(ニイヅキカナ)という、日本の何処にでも居る平凡な女でした。

 そんな私が何で死んだのかと言うと、23歳の誕生日を迎えた翌日、交通事故……ではなく、間抜けにも家(ロフト付き1LDKです)のロフトから降りる階段(梯子っていうべきか?)で足を滑らし頭から転落し、不運にもそこに置かれていた机の角で頭を強打。

 即死ではなかったのですが、打ち所が悪くて出血多量で死にました。


 ええ、ええ!なんともまぁ、間抜けなこと!

 頭痛を耐えて、右の視界が真っ赤に染まりながらも助けを呼ぼうと自分の上着のポケットに入れていたスマホを……昨日、誕生日だからと勇んで買いに行って、未だ使い方すらよくわからないスマホを!懸命に操作して、意識が朦朧とし、頼りない視界の元何とか、何とか電話アプリを見つけ、それを押して「あれ?救急車って、何番?」なんて零しながら滅多に使わない番号を思い出そうとしている間に意識が薄れ、記憶がそこで途切れたわ!

 あり得ない!

 スマホの面白さを知る前に死んでしまったよ!

 結婚の!出産の!自分の家族を持つ幸せを知ることもなく死んだわ!


 あぁ~……情けない。

 今思い返しても本当に情けない。

 彼氏(こうた)、私の事引きずらなきゃいいけど……。

 いやでも、最近は私より可愛いとある女の子に夢中で、連絡もまちまち(最後に連絡とったのは一月前くらいだったな……。)だったし、付き合ってるのかと言われれば微妙としか思えない位会ってなかった(最後に会ったのは3か月前だっけ?遠距離でも何でもないのに。歩いて10分ほどだったはずなのに。)し……いいや。

 あいつはきっとすぐにでも私の事は忘れてあの可愛い子ちゃんとラブラブになるでしょとも!


 ……フフフ。

 嫌だな、悲しくなんてないのに目から汗が……。

 っとと、そんな彼氏?の事は置いといて。

 一番気に掛るのは家族のことかな?

 危ないからって一人暮らし反対してたし。

 家族の言う事聞いて一人暮らしなんてしてなければ、あんな無様な死にざまにならなくて済んだかもしれない……。

 いや、危ないってこういう事じゃなかったはずよね、きっと。

 こんな事は考えてもなかった事でしょうね、きっと。

 まぁでも、もはや転生してしまった私にはどうすることもできないし、あの世界の事を知る(すべ)もないから、この世界の教会で皆の幸せを祈る(と言っても熱心な信徒ではないので月に一回とかそんなものだ)くらいしかできない。

 今まではあまり気にしてなかった事なんだけど、どうしてか最近、ふとそんなことを考える事が増えた気がする。

 まあ、今までは考えることが出来ないくらい忙しかったから、最近暇が生まれた私は、その暇の合間に思い出すように考えるのかもしれないね。

 でも、あまり考え過ぎないようにしなきゃ……。

 じゃないと、泣いて暮らして行かなきゃならなくなりそうだから……。

 私はそんな強くない人間だから、簡単に引きずっちゃうから、家族とか皆には悪いけど、できるだけ忘れよう……。




 では、改めまして。

 仁井月佳奈(享年23歳)改め、ニナーヴィア・ロウスツーヴル(現在16歳)はこの世界で前世に知り得なかった幸せを学ぶため、ガスターナ王国の一貴族として生きております!





 ……最後の言葉が「あれ?救急車って、何番?」ってのも実は嫌なのよ。

 家族と離れて一人暮らしだったから、聞いてる人間なんてゴールデンハムスターの圭介(けいすけ)位だっただろうけど。



 ……あ、圭介は人間じゃないや。



此処まで読んでいただき、ありがとうございました。

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