出会い
教室の窓はまだ開かれたままで真っ白なカーテンが揺れる。
「窓、開いてる…」
窓を閉めようと手を伸ばすと目の前を鳥が通り過ぎていった。
「…鳥は自由だよね。」
楽しげに空を舞う鳥を見つめる。
「帰ろう。」
伸ばしていた手を引き寄せバックを掴む。
窓はまだ開いたままだった。
何かを待っているかのように大きく口を広げて────
「ただいま~…」
家の中は暗く、返事はない。
カチャとカギを閉めてリビングに入る。
「また誰もいないんだ…」
テーブルの上には1000円札とメモが残されていた。
<今日は帰れない。夕飯代>
たったコレだけにメモ。
きっと、父親が書いた物だろう。
仕事しかしない父と呼んでいいのかも分からないあの男が。
お金を制服のポケットに突っ込み、少し暗くなってしまった細い道を歩きコンビニに向かった。
いつものようにお弁当と飲み物を買いちょっとした気まぐれでいつも通らない道を歩いてみる。
「明日の夜ご飯どうしようかな…。ん?」
少し先に見える影。
「なんだろ?」
影に近付く。
「っ!!…ひ、人…?」
それは壁に寄りかかり、ピクリとも動かない。
「だ、大丈夫ですか??」
肩に触れた瞬間生ぬるい液体が手の平を濡らした。
「ひっっ血?」
雲に隠れていた月が顔を出し、光が差し込む。
肩からはドクドクと血が流れていた。
「嘘…し、死んでるの?」
慌てて携帯を取り出す。
「110で、いいんだよね?」
震える手で数字を打つとガシッとその動きを止められる。
「必、要…ない…」
「え?だ、大丈夫ですか??ひ、必要ないって…」
「大丈、夫だ…」
私の腕を掴んでいた手はするりとはずれ、地面に落ちる。
「あの!!返事してください!大丈夫ですか!?!?」
(放っておいたら、死んじゃう…)
「それは、ダメ…」
読んでいただきありがとうございます。
できればアドバイスや感想をいただければと思っています…