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第99話

一ヶ月ほどお休みをしていました、

防壁都市編、続きです

よろしくお願いします、

後片付け

今回の戦いは苛烈な戦いではあった、防壁都市は大きな損害を受けた、

しかし、長年の宿敵を倒し街は安堵に包まれていた、

夢魔族及び人族に人的被害は無し、

協力してくれた魔獣達にも被害は無し、

怪我をした者はいたが全て治療回復済み、

街の者に死者は出なかったが、防壁の内外問わず敵の死体が転がっている、

吸精鬼、獣人、人間、魔獣・・・

魔獣以外はジェルダの浄化の炎で全て火葬にした、

魔獣は殆ど食料及び素材になった、

防壁内は皆で解体して分け、防壁外は、協力してくれた魔獣達の好きにして良い事とした、


食糧庫?

街を襲撃した魔獣達は食料になった、

しかし、屋敷は根こそぎ吹っ飛び跡形も無い、作業場も無くなった、

『勿体ないわね、このままでは直ぐに駄目になる、魔法士たちが氷魔法で凍らせてはいるけど、いつまでも持たない』

「どうしましょう」

ミーニャが考え込んでいる、

「師匠どうしたんですか? 」

「ジェルダ、このお肉どうしたらいいと思う」

「ああ〜、勿体ないですね」

「でしょ」

「いっそ食べます」

「みんなで食べても何日かかるか」

「そうですね、かなり太りますね」

「そういう問題じゃないでしょ」

「あっ! 」

「何? 」

「あの穴、使えませんか」

「穴って、穴・・・」

「そうです、あの穴に放り込んで、氷魔法と風魔法で冷気を循環させれば」

「食料庫になる! 」

「そうです」

「やってみましょう」

「はい」

「皆、集まって」

「今からちょっと試したい事があります、あのお肉、このままでは駄目になってしまいます、そこで、あの穴を食料庫の代わりにしようと思います」

「えっ、あの穴ですか? 」

「そうです」

「どうやって? 」

「まず、穴の中の清掃、棚を作ってお肉を運び入れます、そして、氷魔法と風魔法で冷気を循環させます」

「でも結構深いですよ、中は広そうですけど、ちゃんと周りを固めたり、ならさないと崩れてしまいます」

「無理か・・・」

「ちょっと待って下さい」

ジェルダが穴に向かう、穴を覗き込んで大声で呼ぶ、

「ケーラァ〜! 」

耳を澄ます、皆も一緒に耳を澄ます、

暫くして、細かな振動と音が近づく、

「あれ? 」

音が止まった、そっと中を覗いてみる、目の前にケーラがいる、

「わぁ〜! 」

皆がひっくり返る、ケーラが顔を出し、

「呼んだ? 」

「ケーラ! 脅かさないで! 」

「声が、聞こえた、誰か、呼んだ? 」

「ええ、私が呼びました」

「何? 」

「お願いがあるんだけど」

「クーマ様、喜ぶ? 」

「うーん、喜ぶと思う」

「わかった、お願い、聞く」

「あのお肉の保管場所を作りたいの」

「保管? 食べればいい」

「いや、さすがにあの量は・・・」

「食べれない? 」

「ええ、あのままじゃ食べれなくなっちゃうの」

「食べれない、クーマ様、困る? 」

「そうね、傷んだ物はクーマ様に出せないから」

「わかった、何する」

「これを見て」

ジェルダが地面に絵を描いて説明する、

「わかった、壁、崩れなくする」

「お願い」

ケーラが穴に入っていく、暫くすると少し離れた所からケーラが顔を出す、

ケーラが呼んでいる、

皆が走り寄る、

「ケーラどうしたの? 」

「あそこ、すぐ崩れる、こっち、崩れない」

皆が覗き込む、入り口から奥に向かってスロープになっている、

ジェルダが光を灯す、少し入った所で広い広場に出る、ジェルダが光を増やす、

「広〜い、ケーラ、すご〜い」

「これで、いい? 」

「十分よ、それにこの壁、しっかりしてる」

「ここの地面、硬い、崩れにくい」

「そうなんだ・・・よし、これならいける」

「クーマ様、喜ぶ? 」

「ええ、ちゃんと言っておきます」

「わかった、もういい? 」

「ええ、ケーラ、ありがとう」

「じゃあ行く」

ケーラが去っていく、

「誰か、ミー、スー、アン、を呼んで来て、それと土魔法を使える人を呼んでください」

暫くして、ミー、スー、アン、と魔法士が数人集まった、

ジェルダが説明をする、

「魔法士はブロックで壁を、ミー、スー、アンは、私を手伝って」

「ジェルダさん、何をするんですか? 」

「食料倉庫を作る」


魔法士たちがブロックを作り壁を整えていく、

ジェルダ達四人は等間隔に風を起こす魔導具と冷気を起こす魔導具を設置する、

この魔導具に定期的に魔法士が魔力供給を行う事で食料庫の温度を一定に保つことが出来る、

「ジェルダ、うまくいってる? 」

「いえ、問題が・・・」

「問題? うまくいっているような気がするけど」

「はい、考え方は良かったんですが・・・」

「良かったんですが? 何が問題なの? 」

「はい、魔力の消費がとんでもありません」

「どれぐらい? 」

「設置した魔導具は6つ、1つの魔導具に使われる魔石は2つ、魔石1つを満タンに必要な魔力は私で約半分、2つを満タンにすると、暫く動けません、それでも持って2日・・・」

「あなたでそれだと、普通の魔法士では・・・」

「はい、1日持たないかと・・・」

「無理ね・・・」

「いい案だと思ったんですが・・・」

「効率が悪すぎね・・・」

「はい・・・」

「こんにちは」

悩んでいる二人にクーマが声をかける、

「クーマ様! 」

「二人して、どうされたんですか? 」

「クーマ様こそどうしてこちらに? 」

「何かみんなが集まっていたので」

「そうですか・・・」

「何かお困りですか? 」

「はい、実は食糧庫を作ろうと思って、作ってみたのですが、うまくいきません」

「何処が? 」

「これです」

ジェルダが魔導具を指さす、

クーマが近づいて魔導具を見る、

「冷気を風で循環させる魔道具ですか? 」

「そうです! 」

「ああ、これでは実用性に問題ありですね」

「はい、とんでもなく魔力効率が悪い」

「わかりました、少しいじってみましょう」

クーマが魔道具に力を通す、各魔道具から触手のようなものが伸び部屋の天井の中心に集まる、

クーマは素材を入れた箱からいくつかの素材を取り出し、何かを作り始めた、両手の間で素材が形を変える、出来上がったのは六角の少し大きな核、それを集まった触手の中心に合わせる、

核が少しづつ光を増していく、核全体に光が回ると今度はその光が触手を通って各魔導具へ、魔導具の魔石が光を放つ、冷気が辺りを包む、

「動いた! 」

「どうですか? 」

「いいです! どうやったんですか? 」

「この核に皆さんから少しづつ魔力を頂いているんですよ」

「えっ! 」

思わず自分を見る、

ミーニャが鑑定をかける、確かに極微量の魔力が吸われている、

「皆さんの余剰魔力を集めています、制限をつけているので、大気中に漏れ出た魔力しか吸収出来ませんが」

「漏れ出た魔力? 」

「ええ、皆さんからは常に魔力が微妙に漏れています」

ええ、それは知っていますが、殆ど大気中に霧散しているはずですが」

「ええ、ですのでそれを集めています、これなら負担はないでしょ」

「確かにそうですが・・・」

「それと、ジェルダさん」

「はい」

クーマが手を伸ばしジェルダの頭へ、

「これは、使用方法ですか」

「そうです」

「クーマ様! これなら街にも作れる」

「そうですね、期待してます、核なら作れますからいつでも声をかけて下さい」

「はい、ありがとうございます」


街と防壁

街と防壁の修理は魔獣達が手伝ってくれている、

ポーキュパインの集団が洞窟から鉱石を、フェンリルとグリフォンたちは森から木を伐採して大量に届けてくれた、

木は街の者で木材に加工、魔獣達が各所に運んでくれている、

「ほとんど立て直しだな」

「そうだな、ありがたい事に、魔獣達が協力してくれている」

「正直ありがたい」

「普通なら資材集めだけでも何日もかかる、それに、大量の鉱石も運んでくれている、かなり丈夫な建物が出来るぞ」

「ああ、早く建ててゆっくりしたい」

「そうだな」

「ところで食料はどうなっている? 」

「高級肉が食いきれないほどある、しかし、保存がな」

「それなら、スーさんから聞いたが、広い食料庫を作っているらしい、一度相談してみよう」

「頼めるか? 」

「わかった、ケインを連れて行ってくるよ」

「頼んだ、さぁ、もう一踏ん張り頑張るか」

「ああ」


シフォン達の仮住居

ノックの音がする、

「どうぞ」

ノランが答える、

「失礼します、街の、ケン様がお越しです」

「入ってもらって」

シフォンが応える、

「失礼します」

「ケン、いらっしゃい」

「失礼します」

「あら、ケインも一緒なのね」

「座って頂戴、コーヒーで良い? 」

「いえ、お構いなく」

「良いのよ、ちょうど飲みたかったから」

「ありがとうございます」

「ノラン、お願い」

「畏まりました」

ノランが部屋の奥へ、

二人が席に着く、

「街はどう? 」

「はい、おかげさまで順調に、魔獣達の協力は大きいですね、それにクーマ様のアイデアがすごい、大工達が驚いています」

「どうしたの、いつも通りでかまわないわよ」

「いや、息子の手前」

「今更ね、フフフ」

「ハハハ、確かに、すいません、いつも通りで喋らせてもらいます」

「ええ、どうぞ、で、今日はどうしたの? 」

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