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第97話

「お疲れ様です、ご主人様」

「ああ、待たせた」

「よろしかったのですか」

「ああ、構わない、今のあいつには人族の"A"ランク程度の力しか無い、特殊能力は不死と回復」

「しかし、ご主人様、不死であれば、いずれまた、ご主人様の手を煩わせるのでは? 」

「時間があればな」

「時間? 」

「ああ、あいつには、言わなかったが、あいつの時間は人族と変わら無い」

「人族と変わら無い? 」

「ああ、あいつの持っていた能力は全て他者から奪ったもの、あいつ自身の力では無い、それを全て解放した」

「では、今のあいつは・・・」

「そう、人と同じ様に年を取る、だが永遠に死ねない、いつか消滅はするかもしれないが・・・」

「そうですか、永遠に・・・」

「それと、あいつの中に、二人の知り合いがいたようだ」

「「えっ」」

「これを・・・」

両手を差し出す、手のひらには赤い光のかたまりと青い光のかたまり

シフォンが赤いかたまりを両手で受け取る、

ノランも青いかたまりを両手で受け取る、

二つのかたまりは明滅しながら二人の身体に広がっていく、


シフォンの光

これは? 暖かく力強い・・・

何処かで感じた・・・

懐かしい記憶? お父様?

身体に力がみなぎる、これはお父様の武術の記憶・・・

シフォンの目から涙が溢れる、しかしその顔は笑っている、

強くなったな・・・

そう聞こえたような気がした、


ノランの光

なんて、温かくやさしい力・・・

これはお妃様? 

身体が温かくなる・・・

これは、お妃様の癒しの力・・・

ノランの目に涙が溜まる、

しかし、その顔は優しい笑顔をしている・・・

ありがとう、これからも娘をよろしく・・・

確かに、そう聞こえた


声が聞こえる

マルガよく使えてくれた、

声が聞こえる、

これはささやかな感謝の気持だ、受け取ってくれ、

王様、王妃様、有り難く頂戴いたします、これからも忠誠を誓います、

マルガ、それはご主人様に、良いですね、

声が消えた、


三人は抱き合い無言で想いを共有する

三人は俺に向き直り跪く、

「ご主人様に感謝致します・・・」


「シフォン」

クーマが話しかける、

「ここは・・・」

「はい、地底宮、玉座の間、王と王妃・・・いえ、父と母の最後の場所」

「そうか」

クーマが玉座に向かう、

玉座の前に跪き黙祷を捧げる、

「クーマ様・・・」

「挨拶はしておかないと」

「有難うございます」

シフォン、ノラン、マルガも黙祷する、


「マルガ、彼は? 」

カルがクーマの前に立つ、

「クーマ殿、私はドラーラ王の側近、カルと申します、私の処分はお任せします」

「では、この地より立ち去れ」

「はい、この地を離れ、二度と近付きません」

「良いだろう、で、王を追うのか? 」

「いえ、何処かの地でひっそりと暮らそうかと思います」

「達者でな」

「失礼致します」

「女王、勝手をして申し訳ありません」

「クーマ様・・・」

「ノラン、マルガもすまない」

「クーマ様、もう終わりました、新しい時代に流血は必要ありません、それと、私はシフォンです、あなたの妻です」

クーマがシフォンを抱き寄せる、

「クーマ様、私達もあなたの妻ですよ」

クーマが改めて三人を抱きしめる、


「さぁ、帰りましょう」

そう言ったクーマの動きが止まる、三人と一匹が身構える、

「大丈夫です、もう一組お客さんです」

光のかたまりがクーマの差出した両手に降りる、

「ポニー彼らはお前のお客さんだ」

ポニーに光の塊を差し出す、ポニーを光が包む、


ポニーの光

強い力とやさしい力・・・

この力は、小さき頃の記憶にある、俺を守り消えてしまった、親・・・

体に力が満ちる

俺は強くなった、信じるものを護れる位には、もう、心配は要らない、

グァァァァ! 洞窟が震えるほどの咆哮、その目は遠くを見つめている、


ポニーが首を振る、いつもの懐っこい顔、そしてクーマに抱きつこうとする、クーマがそれを制止する、きょとんとした顔でその場に座り込み、クーマの顔を舐める・・・

その瞬間、油断した・・・

ポニーに抱きつかれる、

「こらっ、ポニー『背骨が折れる』」

「「「キャ〜・・・ポニー! 」」」

「クーマ様が死んじゃう、離しなさい! 」

パッと離して一歩下がる、

『そんな訳あるかい! 』

ちょっと不満そうだ、

四人は、顔を見合わせて笑う、

「さぁ、改めて街へ帰ろう」

「はい」

グァ、

四人と一匹は地底宮を後にする、


洞窟の入口に戻ってくると、ハクジャと魔獣が待っていた、

周りには、吸生鬼と魔獣の屍が、小山のように積み重なっている、

ハクジャとマルケラが近づく、クーマの前で身を屈め頭を下げる、

「お前達よく守ってくれた、ありがとう」

ハクジャが答える、

「勿体なきお言葉、感謝致します」

マルケラが鳴く、キィィー、

見れば二匹とも、大きな傷は無いものの細かな傷が治っていない、

「魔力が尽きたのか? 」

「いえ、温存致しました」

「回復は? 」

「後で良いかと」

「もういいぞ」

「いえ、街まではまだ、少しかかりますゆえ」

「そうか、では、こうしよう」

クーマが、二匹に腕を伸ばす、

砂煙が上がり、光が二匹を包む、ハクジャとマルケラの傷が癒える、光は尚も二匹を包み、眩く輝いて消えていく、

ハクジャの力が上がる、

マルケラの腹部には鎧のような巨大な甲羅が、

「新しい力、ご主人様に感謝を」

キィィー、カッカッカッ、

「そうか、従魔希望だったな、俺の従魔は大変だぞ」

カッカッ、

「わかった、お前の名は・・・ケーラ、でどうだ? 」

「我が・主に・忠誠を」

「マルケラが、喋った? 」

三人が驚く、

ポニーが近づく、ケーラの匂いを嗅ぐ、

グルァオ、

ケーラが頭を下げる、

「自己紹介は済んだようだ」

ポニーがハクジャを見る、

グルァー、

「お主も強くなったな・・・」

グァ、グァ、

「では、帰るとしましょう」

「ポニー、シフォンとノランを頼めるか」

グルァ、

「ハクジャ、俺とマルガを街まで運んでくれ」

「畏まりました、ケーラ行くぞ」

「少し・お待ちお・トンネル・ある」

「トンネル? そうか、おまえが掘ったトンネルか」

「そう」

「わかった案内してくれ」

「わかった・こっち」

ケーラに案内され四人と三匹はトンネルへ向かう、

洞窟の入口に、人影が見える、

人影が剣を構える、

「待ちなさい! 」シフォンが止める、

「女王・・・!?」

「アルベル、ケーラには隷属の呪いが掛けられていました、なので罪に問いません」

「ケーラ? 名を? 」

「はい、先程、クーマ様の従魔になりました、なので心配いりません」

「従魔にした!? 」

「待って下さい、マルケラは魔法も効かない、物理攻撃も効かない、非常に強力な魔獣で・・・ハハハ」

『ポニーと互角に戦える魔獣が、クーマ様の従魔になった・・・』

「ポニー・は・強い・私では・勝てない」

「喋った? マルケラが喋った・・・」

「私・マルケラ・名前・貰った・御主人様・ケーラ・と言った」

「そうか、分かった、先のことは忘れる」

「すまなかった」

「気にするな、クーマ様が認めたなら、それで良い」

「ところで、クーマ様、私を放って行くのは、酷いのでは? 」

「アルベル、何処にいたんだ? 」

「ドラーラを追ってトンネルを、途中で魔獣と吸生鬼共に散々襲われました」

「クーマ様こそ、どうやって来たんです? 」

「ポニーに乗って森を抜けてきた」

「ポニーに乗って? 森を抜けて? 」

周りを見たアルベルの目が止まる、

『森に一直線の道? 』が見える、

「ハハハ、アルベルが頭を押さえる、笑いが止まらない、クーマ様・・・勘弁してください・・・

ヒーヒッヒッヒ・・・」

アルベルが転がり回っている、

四人は呆れている、

でも、つられて笑ってしまう、

五人の笑い声が辺りに響く、

ノランが笑いを抑えて、アルベルに言う、

「アルベル、いい加減にしなさい、放っていきますよ」

「ちょっと待ってください、酷いですよ、ノラン」

よろよろと立ち上がり、駆け寄って来る、

「私も帰りますよ、クーマ様、放って行かないで下さい」

「分かっているよ」

「ああ、その前に」

クーマが屍の山に手を翳す、炎と風が巻き起こる、屍の山が燃え上がる、その炎が青に変わる、屍の山が消えていく、

クーマが呟く、「安らかに眠れ」


「ケーラ、アルベルを頼む」

「わかった・のる」

「えっ! 」

「のらない? 」

「いえ、乗ります、乗せてもらいます」

慌ててケーラの背中に乗る、

クーマはケーラに小声で言う、

「お前の力を見せろ」

「わかった」

「先に行け」

「わかった・先に行く」

「ちょっと、クーマ様、何を・・・」

ケーラの身体に力が満ちる、

「え! ギャァァァー」

ケーラが全力で走り出した、トンネルにアルベルの絶叫がこだまする、

シフォンとノランが笑っている、が、ポニーの身体に力が満ちる、

「ちょっと、ポニー! イヤァァァー」

二人の悲鳴がトンネルにこだまする、

「御主人様、我らも行きましょう」

「そうだな、お前も力を試したいんだろ」

「恥ずかしながら」

ハクジャがシロヘビに変わる、

「どうぞ背に」

クーマとマルガが背中? に乗る

「宜しいですか」

「構わん、行け」


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