表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/100

第88話

「やったのか? 」

「やったー! 」

皆が喜びに歓声を上げる、

「皆、油断するな、残ったワイバーンの掃討急げ」

アルベルが指示を出す、

「はい! 」

「アルベル、みんな無事か? 」

「はい、ただ・・・ただ、ジェルダが・・・」

「ジェルダがどうした? 」

「目覚めません」

「目覚めない? 」

「はい、力を使い過ぎ、身体が限界を迎え眠っています」

「何処にいる? 」

「今は食堂で、ノランとミーニャがついています」

「分かった、行こう」


ノランがエントランスにいる、

『やったの? 』

ノランが周りを探る、怪我人は居るが死者は居ない、

「良かった」

『ポニーがいない何処に? 』

ノランがクーマを見つける、

「クーマ様ぁー! 」

飛びついてきたノランを抱きとめる、

「ジェルダが、ジェルダが! 」

「聞きました」

「目覚めません、あの子起きないんです! 」

「分かった行きましょう」

「はい」

「アルベル後を頼む、油断するな」

「それとマーリー、アニー、北の防壁に、ポニーがいる、問題ないと思うが念の為に、行ってくれ」

「わかりました」

マーリーとアニーが走り出す、

「クーマ様、北に何が? はっ! 魔獣暴走! 私も」

「待て、心配はいらない、ポニーがいる、ハクジャ達もな、マーリーとアニーは保険だ、ここを頼む」

「わかりました」

「ソル、助かった、感謝する」

「もったいなき御言葉」


食堂

「クーマ様! ジェルダが目覚めません、これは、どういう事でしょう」

「診ましょう」

「これは」『そうか新しい力に目覚めたのか、少し力が足らなかったか、ジェルダ、すごい子だ』

シャリーンの声がする、

『クーマ様、この子の力は? 』

『ああ、新しい力に目覚めた、もう少し護ってやってくれ、俺も少し力を貸す』

『はい』

『クーマ様』

『何ですか』

『私にもご褒美くださいね』

『程々に』

『はい、程々に、楽しみにしています』

「皆、ジェルダは大丈夫です、すぐに目覚めますよ、より強くなって」

クーマが蛹を優しくなでる、

蛹が答えるように震える、

『ジェルダ、もう少し眠れ』

また動かなくなる、

「ノラン、ミーニャ、後を頼みます」

「はい」

クーマが食堂から出て行く、

ノランとミーニャが蛹を見る、

『少し大きくなったような』


屋敷前

アルベルとソルが並んで立っている、

クーマに気づく、

「クーマ様、ミーニャは? 」

「心配はいりません」

「そうですか」ホッとする、

「何か動きは? 」

「今はありません、ですが北でポニー達がまだ戦っているようです、念の為何人か回しました」

「そうですか、警戒はしておいて下さい」

「はい」

「皆は? 」

「はい、死者はありません重症者も治療済みです、大きな戦闘には不安がありますが、問題はないでしょう」

「わかりました」

「有難うございます」

「何を」

「クーマ様がいなければどうなっていたか」

「かもしれません、でも私は今ここにいる、そして街と街の民を護ると決めた、それだけの事です」


「では、私はシフォンとマルガの所へ」

「はい」

「ソル頼めるか」

「はい」

クーマがソルに乗り走り出す、街へ向かう道、所々に戦闘の跡がある、畑も果樹園も踏み荒らされ無残な姿を晒している、

『ただで済むと思うなよ、この代償は高く付くぞ』

街が見える、所々に火の手が見える、人々の救助に魔獣も手を貸してくれている、街の入り口にアクスが見える、子供モードのセルファとコニーも一緒だ、

セルファが気づいた、軽く手を挙げて答える、走り寄る三人、

「クーマ様! 屋敷は? 」

「なんとか無事ですよ、皆も元気です」

「セルファ、アルベルも元気ですよ」

「あ、ありがと、よかった、まりょく、ほとんどない」

「セルファ、いいですか」

「う」

クーマが力をセルファに流す、セルファが光、大人モードに変わる、

「クーマ様、有難うございます」

「いいえ」

「アクスさん、街は? 」

「はい、かなりやられましたが、魔獣達のおかげで、死者を出さずに済みました、重傷者もコニーが治療済みです」

「アルマは? 」

「はい、救助に回っています」

アクスがチラチラとソルを見ている、

「アクスさん、彼は私の友人、ソルです」

ソルとアクスがびっくり顔で見ている、

アクスが我に返る、

「ご友人でしたか、私はアクス、防壁隊の副官です」

ソルが我に返る、

「ソルです、よろしく」

「クーマ様、今私を友と」

「すまんな従魔でなくて」

「いえ、宜しいのでしょうか」

「構わない」

「クーマ様ぁ〜! 」アルマが走り寄る、

「皆ずるい! 」

「すいません此処で会ってしまって」

「私も頑張りましたから」

「はい、アルベルさんから聞いていますよ」

「なら良いです」アルマがニッコリ笑う、

さて、シフォンとマルガは見ましたか、

「はい、女王はマルガ様と現在は詰所かと」

「わかりました行ってみます」

「はい、また後ほど」

「はい」

すれ違いざまアクスに耳打ちする、

「まだ油断するな」

「はっ、はい! 」

「では」

「アクス、クーマ様はなんと」

「まだ油断するなと」

「どういう事でしょう」


しばらく街を進むと、ケインが居た、

「ケイン」

「クーマ、そいつはソアー・フェンリルだな、こんな魔獣に乗っているとは、正直驚いた」

「申し訳無い、そいつではない、ソルと言う」

ソルが訂正する、

「えっ、ソアー・フェンリル! ソルって? 」

「はい、友と言ってくださいました」

「ソル? 友? 」

「ええ、友です、ソルの仲間が助けてくれました、それとポーキュパインの女王、リュンヌも友になりました、こちらには来ていませんが」

「ああ、知ってる、俺達も助けられた、そうか、ソルすまなかった、ありがとう、おかげで死者を出さずに済んだ」

「いえ、御役に立ててよかった」

「リュンヌも喜ぶでしょう」

「ああ、今度会えたら礼を言っておく」

「それと、コニーさんが怪我人を治療してくれたおかげで、今は怪我人もいない、

それともう一つ、クーマに貰ったあの素材、とんでもない能力だった、あれで何人助かったか」

「そうですか、それは良かった」

「ああ、感謝している」

「水臭いですよ」

「そうだったな、また今度、何か奢るよ」

「じゃぁ、今度コーヒーとケーキをお願いします」

「わかった、いくらでも食ってくれ」

「楽しみにしています」

「それと、ケイン、まだ油断しないように」

「えっ、それは・・・」

「何もなければいい、何もなければ、でも、何かあればギルドに集まって下さい、人の思いが多ければ多いほどいい」

「わかった、気をつける」

「それでは」

「ああ」


西門

レプタイルがクーマを見つけ伏せる、

「お前達ありがとう、よく来てくれた」

「ご主人様」

声の方を見ると壊れた門からハクジャが姿を見せる、

レプタイルが下がり道を開ける、

ハクジャがクーマの前で跪く、

「ハクジャ、よく来てくれた」

「はい、クーマ様のめいは我の全て、お役に立て恐悦至極に御座います」

「その魔獣は? 」

「ソルだ友になった」

「ソルです、貴方がクーマ様の従者? 」

「確かに、我は御主人様の従者ハクジャだ」

「では、あの剣はハクジャ様が」

「あっ」

ハクジャが気まずそうに下を向く、

「ハクジャ、あの剣は素晴らしかった、非常に役に立ったよ」

ぱっと明るくなる、

「有難うございます」

「ソル、友と呼ばれるに足る働きを」

「はい、努力します」

「御主人様、我等は防壁周辺の掃除に戻ります、

まだ警戒は解けません」

「やはり気になるか」

「はい、まだ何かあると思われます」

「頼んだ」

「はい、では、失礼致します」

なぜか足取りが軽い?


「クーマ様! 」

アグネスが防壁から降り走ってくる、

手には弓を握っている、

「おつかれさまです、ご無事ですか」

「はい」

弓を前に、

「これのおかげでお役に立てました、皆も感謝しております」

「お役に立てたようですね」

「はい、とんでもなく」

「それにハクジャ殿が応援をよこしてくださいましたので、皆、迎撃に集中できました、はじめは驚きましたが」

「それは良かった、ハクジャも喜びます」

「あの、クーマ様そちらは〜」

「ソル、友です」

「ソルですよろしく」

「こちらこそアグネスです」

アグネスの目がキラキラしている、

「どうしました? 」

「あの、ソルさん・・・」

「はい、何でしょう」

アグネスがモジモジしながら、ソルに話しかける、

「触ってもいいですか? 」

「えっ」

ソルがこちらを見る、

「すまん、少しだけ触らせてやってくれないか」

「構いませんよ」

ソルが頭をアグネスの肩に乗せる、

アグネスが緊張しながらソルの首に手を回す、

幸せそうな顔で呟く、

「なんて柔らかい」

顔がとろけていく、

「ハハハ、アグネス、現状は」

「はっ、はい」

慌ててソルから離れ報告する、

「この周辺にはワイバーンはもういません、後は皆、暴走を警戒中ですが、殆どがハクジャ殿率いるレプタイルが撃退してくれています」

「わかりました、まだ警戒は解かないでください」

ハッとなり、

「わかりました注意させます」

「ソルさん、有難うございます」

「いいえ」

アグネスが一礼して防壁に駆け上がっていく、

「クーマ様、何故か心地よいですね」

「そうか、これが終わったらまた相手をしてやってくれ」

「喜んで」


その時詰所の方から声がする

「クーマ様ぁ〜」

シフォンとマルガが走って来て飛びつく、勢いでクーマが尻餅をつく、二人が抱き着いたまま離れない、

「クーマ様、帰ってきたぁ〜」

「当然です、ここ以外どこに帰るというのですか、夕食には間に合いませんでしたが」

「そうですね、またバツですね」

「えぇ〜」

「冗談です、フフフ」

ソルが一歩下がり頭を下げる、

「クーマ様こちらは? 」

「ソル、友です」

「そうですか、ソルさん、私はシフォン」

「私はマルガだ」

「始めまして、私はソル、クーマ様より名を頂き友と呼んで頂いております」

「なぜ頭を? 」

「はい、お二人はクーマ様の特別な方かと」

「「特別・・・」」二人が真っ赤になる、

「ああ、二人は俺の妻だ、もう一人妻がいる、今度、紹介しよう」

「奥方様でしたか、以後お見知りおきを」

「こちらこそ、此の度のご助力感謝致します」

「滅相もない、クーマ様の護る物であれば、我らにとっても同じことです」

「有難うございます」

「クーマ様、皆は? 」

「大丈夫です、アルベル、マーリー、アニーは屋敷にアルマ、セルファ、コニーは街に今は後始末を手伝っています」

「ノランはミーニャとジェルダを見ています」

「ジェルダに何か? 」

「はい、力を使いすぎたようですが、今は眠っています」

「眠っている? 」

「はい、寝てます」

「良かった」

「シフォン、マルガ」

クーマの真剣な顔、

「まさか? 」

「はい、油断はまだです」

「そんな」

「これで終わりではないと思います」

ギシャァァァーー、

雄叫びが聞こえる、

「しまった、やはり! 」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ