第85話
四人の乗ったグリフォンに数十頭のグリフォンが合流する、
合流したグリフォンが大型種に向かい先行する、
前に出た小型種を蹴散らし、大型種に爪を立てる、しかし大型種には大して効かず弾き飛ばされる、
「グリフォン! 小型種を狙わせろ! 大型種は俺達が引き受ける! 」
ピィピィー、
先行したグリフォンが標的を小型種に変え攻撃を始める、
「マーリー、アルマは右を! アニー俺達は左を殺る! 」
「了解! 」
「殺れ! 」
「アルマ! 私は翼を! 」
「了解! 私は頭を潰す」
「了解! 殺るぞ! グリフォン行けるか」
ピィ、
グリフォンが加速する、
『正面突破!? 』
「良いでしょう任せなさい! 」
「やるわね、グリフォン、こっちも行くわよ」
グリフォンが急上昇をかける、
「わかってるじゃない」
アルマがタイミングを計る、
マーリーのグリフォンは炎の攻撃をかわしながらも速度を落とさず突っ込む、マーリーの剣が姿を変える、
『これは刀!? 』
マーリーが刀を鞘に納める、
アルマが叫ぶ、
「今! 」
グリフォンが反転急降下をかける、一気に速度が上がる、
マーリーのグリフォンがワイバーンの横を通り抜ける、
シュッ、
すれ違いざまに、風を切る音、ワイバーンの翼が肩口から離れていく、
そこへアルマのグリフォンが交差するように通り抜ける、少し遅れてアルマの蹴りがワイバーンの頭を直撃する、ワイバーンの頭が砕け散る、
「ざま〜見ろ! 」
落ちるアルマをグリフォンが受ける、
「ありがとねグリフォン」
ピィピー、
「グリフォン行くぞ! 」
ピィ、
アルベルのグリフォンが加速する、
「こっちも行くわよ! 」
アニーのグリフォンが後を追う、
正面から火球が襲う、二匹のグリフォンが、かわしながら突っ込む
アルベルのグリフォンがワイバーンの直前で急降下をかける、飛び上がったアルベルがワイバーンの背中に剣を突き立てる、
アニーが剣を構える、剣が姿を変える、
「ふっ」と笑ったアニーが片手で刀の背を押さえる、速度を落とさずグリフォンが駆け抜ける、その後ろで二つに割れたワイバーンが落ちていく、グリフォンが、落ちて行くアルベルを受ける、
「敵にもならん、グリフォン、残りも蹴散らせ」
ピピィー、
グリフォンが一斉にワイバーンを襲う、
見る見る数を減らすワイバーン、
落ちたワイバーンはフェンリルが始末している、
既に東にワイバーンは居ない、増援も来ない、
「敵も余裕はないようだな」
既に日は落ち辺りは月の光が満ち始めている、
「グリフォン、まだ行けるか? 」
ピィーピィピィー、
「どうした? 」
アルベルたちのグリフォンに並んで飛ぶ見たことのないグリフォン、
ホッホォー、
グリフォンが体を寄せる、
「乗り換えるのか? 」
ピィピー、
「わかった」
皆が新しく来たグリフォンに乗り換える、
フサフサの羽毛に音のしない羽、
『これは、グリフォンの希少種ホークロウ! 』
「まさか幻の魔獣に乗れるとは」
「お前はホークロウで間違いないか」
ホォー、
「そうか、よろしくな、皆、街に向かうぞ」
「了解! 」
街の上空
小型のワイバーンを蹴散らしながら、クーマとソアー・フェンリルが進む、
街の上空は大小のワイバーンに埋め尽くされている、
『何だこの数は? 』
相変わらず北からは嫌な悪意が伝わってくる、
『先に手を打っておいてよかった』
頭に宝珠がよぎる、
向かって来る小型種は、全てソアー・フェンリルの雷鎚で蹴散らしている、
一度に数体の小型種が結界に落ちて行く、
大型種が近づく、ソアー・フェンリルが雷鎚を放つ、若干怯むが効果が薄い、
「クーマ様、申し訳ありません」
「構わん、俺が殺る」
クーマが腰の剣を抜く、
「クーマ様その剣は高位魔獣の匂いがします」
「これは俺の従者からの贈り物だ」
ソアー・フェンリルが数匹の大型種の間を縫うように駆け抜ける、クーマがすれ違いざまに剣を振る、
大型種の首が落ちる、二匹目、三匹目、四匹目、首の無い大型種が結界に落ち滑り落ちていく、
「従者? 失礼致しました」
「いや構わん」
「羨ましい限りです」
「羨ましい? 」
「クーマ様に従者と呼ばれる者が」
「そうなのか? 」
「この戦い、お役に立てれば私にも従魔の名を頂きたく思います」
「従魔で良いのか? 」
「従者は荷が重過ぎます」
「謙虚だな」
「恐れ入ります」
「ソル、と言うのはどうだ? 」
「それは私に名を? 」
「ああ、俺のいた世界で太陽を指す言葉だ」
「有難うございます、この魂に刻みます」
「それと、これは感謝の気持だ」
そう言ってソルに力を注ぐ、
「おおぉ〜、これは」
「こんなものですまんな」
「何を言われます、この力試しても? 」
「ああ、存分に使え」
「はい、有難うございます、クーマ様、少し揺れます」
「分かった」
「行きます」
「任せる」
「はい! 」
ソルが加速する、羽に力がみなぎり光が伸びる、そのまま前方に雷鎚を放つ、
小型種の群れに穴が開く、そこにソルが螺旋を描くように突っ込む、
羽がワイバーンを切り裂き渦を巻く、
群れの中心に到達と同時に特大の雷鎚を放つ、
周りを囲む小型種が血煙となって消滅していく、
ソルが月に向かって吠える、ウワォォォーン、
遠吠えが響く、呼応したフェンリル達の遠吠えがあちらこちらから響き渡る、
もうすぐ日が変わる、
新たに近づく気配、
「ソル、まだ休めそうにないな」
「はい、お供致します」
「クーマ様! 」
アルベルたちが追い付いて来た、
「先程のあれは何ですか!? 」
「あれは、ソルの雷鎚です」
「すみません、嬉しくてつい調子に乗ってしまったようです」ソルが話す、
「嬉しくて? 」
「はい、先程名を頂きました、これからはソルとお呼び下さい」
「えぇ〜」
「ハハハ」
「さて、お気づきだとは思いますが、まだ暫くは休めそうにありません、大丈夫ですか」
「はい、我々はまだ大丈夫です」
「セルファとコニーは? 」
「はい、先程見ましたが、フェンリルとポーキュパインのおかげで問題はなさそうです」
「では、始めましょう」
「少しお待ちを、その前に」
「マーリー、地上のセルファとコニーに連絡を、間もなく第二波が来る、地上は任せると」
「アルマは女王とマルガに現状の報告を」
「アニーはノランに現状報告、後はこの四人で再度合流し、先程と同じ組み合わせで行く、マーリーはアルマと、アニーは俺と、いいな、行け! 」
「了解! 」
皆が一斉に飛び立つ、
「クーマ様はどうされますか? 」
「ずっと嫌な気配がするんですが、正体が分からない」
「嫌な気配ですか? 」
「ええ、これほどの数をどうやって誘導しているのか、敵兵の姿は見えない、だが攻撃は正確、どうやって戦況を把握しているのか、何か方法はありますか? 」
「確かに、獣人族はワイバーンを使役すると聞いていますが、これほどの数をどうやって? 」
「アルベルさん、セルファさんに言って探索をお願いします、覗いている奴がいる、発見した場合は、潰せと」
「わかりました」
アルベルも飛び立つ、
「ソル、俺たちも行くとしよう、出迎えてやらんとな」
「はい、丁重に」
「ああ、丁重にな」
大量の小型種が突っ込んでくる、
夜空が赤く染まる、今までに無い大量の巨大火球が襲って来る、火球が結界に直撃する、
火の粉が舞い結界が揺らぐ、
「何!? 」
大型種は距離を取り巨大火球を吐き続ける、火球は小型種を巻込みながら、結界を襲う、
「小型種は盾か、エグいことをする」
「本当に吐気がします」
「ソル殺れ、せめて一撃で」
「はい」
ソルが特大の雷鎚を放つ、近くに居た小型種が消滅する、
そこにクーマとソルはもう居ない、後方の大型種の中にいる、ソルが羽で切り裂く、クーマが剣で切り裂く、血飛沫が上がり少しづつ落ちて行く、
後方から、より多くの大型種が迫って来る、
「数が多いな」
「クーマ様あれを! 」
見れば大型種の中に特大のワイバーンがいる、
「でかいな」
「しかし、あの気配は少しおかしい」
「おかしい? 」
「はい、悪意の塊」
「悪意・・・ソル潰すぞ」
「はい」
ソルが夜空を駆ける、
大型種が前を塞ぐように向かって来る、隙間なく吐き出される火球、当たらないまでも近づけない、




