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第79話

防壁の来賓室

落ち着いた家具や調度品が置かれている豪華な宿泊可能な部屋、

『いかにも、来賓用だな』

ノランが着いた後に案内された、この部屋には独立した風呂があるということで連れてこられたらしい、

三人はさっさと服を脱いで風呂の準備をしている、

「クーマ様、早く脱いでください」

三人に連れられ風呂に入ると、落ち着いた明るい風呂場があった、

「いい風呂ですね」

「はい、自慢の来賓室ですから」

シフォンが答える、

三人から、しっかり洗われる、

「何でまたこんな立派な部屋を」

「クーマ様、私達や一部の者は慣れましたが、少し前なら失神レベルの力の残穢です」

「えっ、でも、以前は兵舎のお風呂を使いましたよね? 」

「クーマ様、以前の比ではありません、あの時も後が大変だったと」

「そんなに? 」

「はい、お聞きになります? 」

「いえ・・・なんとなく分かりました、すいません」

「いえ、それは構いませんが」

「ご迷惑をおかけしました」

「とんでもありません」

シフォンがモジモジしている、ノランもマルガも・・・三人を抱き締め口吻くちづけを交わす、

少しだけ甘い時が過ぎる、


来賓室で寛ぐ五人?

いつの間にかミーニャがいる、

部屋の浄化、清掃の為に駆けつけてくれたらしい、

「女王様、今日、何度目ですか? 」

「へへへ」

「へへへ、じゃありません、ノラン、マルガあなた達が付いていながら、一緒になって、フフフ」

笑っている、

「申し訳無い・・・」

「まぁ、仕方ないですけどね」

「でも、私も呼んで欲しかったですね」

小さな声になる、

「そう言えば、ミーニャさん早かったですね」

「はい、ノランが慌てて出て行ったので、クーマ様が帰られたんだな、と思いまして、メイド達に指示だけ出して追いかけて来ました」

『もう少し早く着いていれば』

「そうだったんですね、ご面倒をおかけます」

「いえ、また可愛がっていただければ良いですよ」

「ミーニャ! 」三人が抗議する、

「フフフ、冗談ですよ、フッフッフッ」

三人が顔を見合わす、

『あれは、また行く気ですね』

『そうね』


屋敷の夕食

「クーマ様、あ〜ん」

「ミーニャさん何の冗談ですか」

ミーニャと二人で夕食を食べている、

「今日も皆さんはおられませんので、私がお世話をしなければと」

今日も三人は防壁に泊まっている、

「いえ、私は一人でも食事は出来ます」

「あら、私は一人では寂しいです、私との食事はお嫌だと? 」

「何でそうなります? 」

「冗談です」

「ミーニャさん〜」

「フフフ、でも寂しいのは本当ですよ」

「寂しい? 」

「はい、私は長い間一人ですから」

「そんなことはないでしょう」

「確かに仲間は多いです、友人も、でもロリコンは居なかったので」

「うぐぅ! げほぉ! 」

「クーマ様大丈夫ですか? 」

「ミーニャさん、いきなり何を」

「事実です、ずっとあの姿だったのだから」

「そうでしたね」

そっと頭を撫でる、

「クーマ様、それは小さい時にお願いします」

「すいません」

「いいんですけど・・・」

「でもそのお姿なら周りがほっとかないでしょ」

「またそういう事を言う」

「えっ、何か不味かったですか」

「いいですか、今はクーマ様がおられるのです、他の者は目に入りません」

「アハハハ、有難うございます、とても嬉しいですよ」

『キュン! 』あっ、」

「どうしました? 」

「いえ、何も・・・」

「ミーニャさん」

「フフフ、秘密です」

「なんですかそれは」

「女は秘密がある方がいいでしょ」

「ミーニャさん」

「ええ、いつかはお話しますよ」

「分かりました、いつかお話を」

「はい、では、食事を続けましょう、此処からでしたね、あ〜ん」

パクッとクーマが食べる、

『キュン! 』あっ」

「美味しいですね」

「は、はい、今日はニーアとモリーが用意してくれました」

「大変美味しいですよ」

「良かった、皆喜びます」

その後は普通に食事を済まし、

二人で食後のコーヒーを楽しむ、

「さて、クーマ様、私は仕事に戻ります」

「もうですか? 」

「あら、残念ですか」

アハハハ、笑って誤魔化す、

「フフフ、今日はみんなに任せっぱなしでしたから、頑張らないと」

「そうですか、おやすみなさい」

「はい、おやすみなさいませ」


クーマの部屋

すでに部屋の中から甘い匂いがする、

『明日は散歩があるからな、来てくれた女の子には悪いが』

「開放」少し力を上げる、

「ふにゃぁ〜、うあぁ〜」

艶っぽい悲鳴が聞こえる、

そっと扉を開く、何人かの女性が倒れている、

「せめて少しの力を、開放」

「うにゃ〜」

『まだ残っていた』

ふっかふかソファの後ろに、一人の女性、

『確か、ケイカさん』

まだ意識がある、その時後ろに気配を感じる、

振り向くクーマに抱き着く女性、

「ローラさん」

「クーマ様ぁ〜、お待ちしていましたぁ〜」

気が付けば倒れていたケイカも抱き着いている、

甘い夜が始まる、


クーマの部屋の前

日の出前、今日もマスクをしたメイドが数人集まり、中の様子をうかがっている、

「今日は何人ですか? 」

「情報がありません、ですが、少なくとも20人はいます」

「今日は部屋を出た方がいません」

「そうですか・・・」

「分かりました、少し下がり待機します、そろそろ女王様達が来られるはず」

「はい」

「皆、おはよう」

「えっ、ミーニャ様、お早うございます、どうなされたのですか? 」

「今日の浄化は私がします、ですので皆は救護をお願いします」

「わかりました、では一部を浴場で待機させます」

「ああ、今日は浴場は構いません」

「しかし、いつもこの後は・・・」

「ええ、でも三人はもう来ています」

「えっ」

「もう食堂でコーヒーを飲んでおられます」

「そうなんですか」

「はい、ですのでここが終わった方から通常業務に戻って下さい」

「はい」

「では、行きますよ、声を掛けるまでは待機で」

「は、はい」

扉を開け中へ、ミーニャが浄化魔法をかける、一瞬で部屋の空気が浄化される、

部屋に入ったミーニャが周りを確認する、

『これはすごいわね・・・』

部屋のアチラコチラにメイドが倒れている、

『あれ、皆服を着たまま? 』

周りを見ると、ふっかふかソファにノーラとケイカ、二人に近づき声を掛ける、

「起きて」

「う〜ん、クーマ様ぁ〜、すごいぃ〜」

「それは知ってます、起きて」

「ミーニャ様! 」

「目が覚めた、良かったわね、お相手して頂けて」

「はっ、はい」二人が真っ赤になる、

「二人とも動ける? 」

「はい、何とか」

「では、部屋に戻って」

「はい」

二人が服を持って走っていく、

「さてと、クーマ様は、あら、珍しいベッドで寝てるなんて」

裸のクーマを見て思わず唇を舐める、

プルプルと頭を振って理性を取り戻す、

「目の毒だわ、」

シーツを掛け、外の清掃班に声を掛ける、

「もう良いわよ」

さっとメイド達が入ってくる、

「うっ、これは」

「さぁ、皆を運んであげて」

「はっ、はい」

メイドたちが運び出されていく、

「もう良いわね、クーマ様、起きてください」

「ん、ふわぁ〜、ミーニャさん? 」

「お早うございます、さぁ、起きてください、お掃除が出来ません」

「へっ、あっ、すぐに起きます」

ミーニャに手渡されたガウンを羽織る、

「ミーニャさんなんで? シフォン達は? 」

「もう来て食堂で待っています」

「そんな時間」

「いえ、まだ早いですから、大丈夫です、ただ、お体を洗わないと、また、三人に襲われますよ」

「うっ」

「ですので少しお急ぎください」

「わかりました、行ってきます」

浴場に向かうと後からミーニャがついてくる、

脱衣所に入るといきなりミーニャが服を脱ぐ、

「ミーニャさん何してます? 」

「はい、服を脱いでいます」

「そうですね、見れば分かります、なんで脱いでるんですか? 」

「お風呂に入る時は服を脱ぎます」

「そうですね、私も脱ぎます」

「はい、だから早く脱いで下さい」

「いや、そうじゃなくて、なんで一緒に入るんですか? 」

「それは、クーマ様を洗うからです」

「大丈夫です、自分で洗いますから」

「駄目です、それは私たちの仕事です」

「クーマ様は私が怒られてもいいと? 」

「誰が怒るんですか? 」

「え〜と、色んな方です」

「言い訳ですね」ジトッと見る、

「あっ、分かりました、小さくなれと、もう、クーマ様のロ、リ、コ、ン」

「わぁ〜、違います! 」

「では、このままで」

「分かりました・・・」


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