第77話
クーマの部屋
朝食を終え、四人でコーヒーを飲む、
「シフォン、今日は何か予定が? 」
「今日は特にする事はありませんが、祭りの後片付けですね、皆の様子を見に行きます」
「ノランは? 」
「私はメイド達の様子を見に」
「マルガは? 」
「私は、衛兵の様子を見に行きます」
「そうですか、何かお手伝いすることは? 」
「有りません、クーマ様はゆっくりしてて下さい」
「では、片付けの手伝いにでも」
「駄目です! 」
「えっ」
「ふぅ~、クーマ様、昨日は何人来ましたか」
「えっ、え〜と、10人ぐらい・・・」
三人がジト目で見る、
「20人以上ですよね」
「ハハハ、そんなに居ましたか」
「とぼけても駄目です、ちゃんと報告が来てます」
「えっ、報告・・・」
「あっ、誤解しないでください」
「その辺りの感覚は人族とは違うので」
「むしろそれだけの人数を相手に出来ることは、私達にとっても誇らしいことです」
「誇らしいですか? 」
「はい」
三人を見回す、ノランもマルガも頷いている、
「ただ、これ以上増えると収拾がつきません」
「ん? 」
「要するに、クーマ様が来られると夜這いするものが増えます、そうすると何時までたっても私達が一緒に寝れません! 」
「えっ、そうなんですか」
「そうなんです」
「婚姻の儀のしきたりみたいなものです」
「そんなしきたりが」
「はい、普通は2日もあれば収まるのですが、この調子では何日かかるか」
「「「私たちも可愛がってください! 」」」
「何を言ってるんですか、私にとってはシフォン、ノラン、マルガは大切な存在です、可愛い何て当たり前じゃないですか」
「うっ、またそんな事を」
「クーマ様! 」
「はい」
「お部屋に・・・」小さな声で呟く、
「お嬢様、まだ朝ですよ」
「明日の朝まで待てますか? 」
「うっ、クーマ様、お部屋に・・・」声が小さくなる、
「シフォン? ノラン? それはマズイのでは? 」
「マルガは、お仕事へどうぞ」
「一緒がいい、です・・・」声が小さい、
「クーマ様行きますよ」
「えぇ〜」
クーマの部屋
「何でミーニャがいるの? 」
シフォンとノランがジト目で見る、
「古の能力、フッ」
「くっ、特別ですよ」
「分かっています、フッフッフッ〜ン」
「何を企んでいます? ちょっと、シフォン、ノラン」
背中に柔らかいものが当たる、
「マルガ」
「クーマ様ぁ」
『あかん、目が潤ってる』
三人が飛びつく、ミーニャが小さくなっている、
「クーマ様ぁ、ロ、リ、コ、ン、ですぅ〜」
「違います〜! 」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜甘い時が過ぎる、
五人はふっかふかソファで寛いでいる、
ノックの音がする、
大人ミーニャが立ち上がり扉を開ける、
クーマの部屋の前
マスクをしたメイドたち、
「えっ! ミーニャ様」
「あなた達、どうしたの? 」
「どうしたの? じゃぁ、ありません、清掃班です」
「あ〜」チラッと後ろを見る、
「漏れてるわね」
「はい、ダダ漏れです、今朝のお掃除で何人やられたか」
「何人? 」
「六人、今晩は私も行きます」
「あら」
「結構、限界です」
「わかりました、部屋の浄化は私がやっておきます、だから、誰かにコーヒーを頼んでおいて」
「わかりました、お願いします」
「ええ、お願いね」
「失礼します」
ミーニャが戻って来る、
「どうしたの? 」
「はい、朝の清掃班が・・・」
「あっ、悪いことをしたわね」
「被害は? 」小さな声で聞く、
「清掃班六人」
「えっ」三人が顔を見合わせる、
ミーニャを見る、頷いている、
「自重します・・・」
「はい、お願いします」
ノックの音がする、
ミーニャが扉を開ける、
メイドがコーヒーを運んで来た、
ミーニャが気付いた、マスクをしている、
「どうしたの? 」
「ケイカさんからの念の為と」
少し離れたところにマスクをしたメイドが待機している、
「そうね、後は私が」
「はい、失礼します」
ミーニャがニコニコしながらワゴンを押して戻って来る、
ノランがワゴンを見て、
「多いわね」
「そうですね、軽食を用意してくれたようです」
「手伝います」二人が立ち上がる、
「ミーニャ楽しそうね何かいい報告があった」
「はい、クーマ様はしばらく忙しそうだなと」
「えっ、それは」
「はい、清掃班はほぼ全員参加かと」
「嘘っ! 」
「「「はぁ〜」」」三人がため息をつく、
「自業自得ですよ、あなた方の香りは非常に強いんですから「
「そうなの? 」
「知らなかったんですか? 」
「え〜と、力が上がっているのは知っていたけど、そっちの方は・・・」
「忘れていたと、三人揃ってですか」
「「「ごめんなさい」」」
「まぁ、わかりますけど」
「でしょ! 」
「でしょ、じゃありません」
「それで、どの程度なの? 」
「凶器レベルです」
「「「うっ、反省します」」」三人が肩を落とす、
「はい、反省してください」
四人が席に戻ってきて、テーブルにコーヒーと食べ物を並べる、
三人が大きなため息とともに席に着く、
「どうしたんですか? 」
「いえ、何でもありません・・・」
「ミーニャさん、どうしたんです? 」
「クーマ様、私はミ〜ニャです」
「へっ」
「ミ〜ニャ、です」
クーマは少し苦笑い、
「ミーニャ、で三人はどうしたんですか? 」
「はい、反省しています」
「どうして? 」
ミーニャがクーマの唇に指を当てる、
「そっとしておいてあげてください」
「ん? 」
「さぁ、頂きましょう」
防壁の上
クーマが一人歩いている、
場所は北東、東の森は魔獣たちが緊張していた、『何かを警戒している? 』
北の森からは、嫌な気配を感じる、
「悪意? やはり来るか」
防壁に上を移動しながら、北の森を探って見る、おかしい魔獣の気配が少ない、それなのに嫌な気配はどんどん濃くなる、
『この方角は? 』確かシフォンが言っていた地底宮の方角、悪意はそこから、
『良いだろう、俺はこの街を守ると決めた、覚悟して来いよ』
『さて、ハクジャと情報を共有しておこう』防壁を一廻りして西門へ戻ると、カフェで寛ぐシフォン達がいる、
マルガが気が付き手を振っている、
シフォンとノランも気がついたようだ、
「クーマ様どちらへ行かれてたんですか? 」
「はい、防壁の上を散歩してました」
「防壁ですか? 「
「はい、明日の散歩の下見も兼ねて」
「あっ、そう言えば明日は散歩に行かれると」
「はい、アルベルさん達と行ってきます」
じぃ〜っと、見つめてくる、
「早く帰ってください」
「分かっていますよ」
「クーマ様、この後はどうされますか? 」
「はい、ちょっと出かけてこようかと」
「出かける? 」
「はい、ハクジャに会ってこようと思います」
「ハクジャ殿に? 」
「ええ、少し情報の共有をしておこうかと」
「ご一緒しても? 」
「いえ、一人で行きます」
何かを考えている、真剣な顔のクーマ、
「わかりました、よろしくお伝えください」
「はい、喜びます」
「あっ、それと」
シフォンがメイドを呼ぶ、「ケーキとコーヒーのセットを二つ、持って行けるようにしてくれる」
「はい、直ぐに」
「シフォン」
「ハクジャさんに手土産です」
「ありがとう、シフォン」
直ぐに、ジェルダがセットを持ってやってきた、
「クーマ様、新作です、ハクジャさんに感想を、お聞き下さい」
「わかりました、喜びます、それでは行ってきます」
「お気をつけて」四人が門まで送ってくれた、
門を出て一人、湖へ向かう、
水車小屋からハクジャを呼ぶ、
「あれ? 」
おかしい反応が無い、小屋を開け中へ入ろうとした時、藪の中から音がする、
慌てたハクジャが飛び出して来て跪く、
「御主人様、大変お待たせ致しました、申し訳ございません」
「何かあったか? 」
「いえ・・・」
「そうか・・・」少し違和感がある、
小屋の中へ入り、テーブルに土産を置く、
「御主人様その香りは」
「シフォン達から土産だ」
「もしやその甘い香りはケーキも」
「ああ、ジェルダが言っていた新作だそうだ」
「おぉ〜、頂いても宜しいのですか」
「あぁ、お前への土産だ」
「ありがとうございます、直ぐにご用意を」
ハクジャの所作は優雅で美しい、まるでそうする事が当たり前のようにこなす、
思わず見惚れてしまう、
「御主人様いかがなされました」
「いや見惚れていた」
「なっ、お戯れを」少し頬を染める、
「いや事実だ、いつ覚えた」
「先日お伺いした際に見て覚えました」
「そうか、流石だな」
「お褒めにいただき光栄です」
「では、頂こうか」
「はい、頂きます」
ハクジャがケーキを口に運ぶ、
「はぁ〜、なんと甘美な・・・」
コーヒーを飲み、「はぁ〜」ため息を漏らす、
「気に入ったか? 」
「はい、ジェルダさんに感謝を」
「わかった伝えておく」
「お願い致します」
軽食を済ませ、少し寛ぐ、
ハクジャが片付けをしている、
少し挙動がおかしい、チラチラとこちらの様子を伺っている、片付けを終えクーマのもとに戻ってくる、
やはり何処かおかしい、




