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第104話

南の湖

湖畔に建つクーマとポニー、ケーラ、リュンヌとソル、

呼ぶまでもなくハクジャが現れる、その横にはウル、

「場所を変えよう」

少し離れた湖畔の野原、クーマがポニーの背中から荷物を下ろす、

「お手伝いします」

「頼む」

ハクジャ達が、下ろした荷物からシートを取り出し広げる、

そこにクーマが肉を並べる、その横で、ハクジャがクーマと自分の分を用意して、コーヒーを淹れ、そっと差し出す、

「ご主人様どうぞ」

「ありがとう」

「さぁ、みんな食ってくれ」

「頂きます」

皆の食事を見ながらハクジャと食事を食べる、

「お前は良いのか」

「はい、最近はこの姿での食事も良いな、と」

「そうか、なら良いが」

「ご主人様、何か御座いましたか? 」

「ああ、少し時が進む」

「時? ですか」

「ああ、皆食べながら聞いてくれ、既にリュンヌとソルは聞いたと思うが、街が交易を始める」

「交易とは、ほかの街と交流を持つと言うことでしょうか? 」

「そうだ」

「ふーむ」

「心配か? 」

「いえ、ご主人様の命【めい】であれば」

「いや、俺の命【めい】ではない、街の考えだ」

「ご主人様は何と? 」

「俺は手伝うが意見はしない」

「何故? 」

「この世界は、この世界の者達の物だからな」

「成る程」

「ただ、妻が出来たからな、この世界と言うよりも、この街の平和を護りたい」

「わかりました、この身に代えまして、お護りします」

「おい、この街の平和の中にはお前達も含まれている、その命、無駄にするな」

「有難うございます」

「さてと、今日お前たちに集まってもらったのは、交易を始めれば人が集まる、何処まで許容するかと言う事だ」

「まず、何故今までほかの街との交流を絶っていたか、それはドラーラ達を警戒したから、それと、防壁の外にはお前達を含め、強力な魔獣がいたからだ」

「だが状況は代わり、お前達が街の者を襲うことは無い、よな? 」

「勿論です」

ハクジャがウルを見る、

「も、勿論です」

「ジェルダたちは、ともだち」

ケーラが言う、

「我等も友ですから」

リュンヌとソルも頷く、

グァウ、

ポニーも同意する、

ハクジャが言う

「ポニー、何故お前は喋らん? 」

グァ! 

「お前、喋れるであろう」

グァウ、グァウ、ポニーが首を振る、

「ここにいる者は皆知っておるぞ」

「マジ! 」

思わず口を押さえ、そっとクーマを見る、クーマが笑っている、

「クーマ、シッテタ? 」

「ああ、でも良いよそのままでも」

「ソウスル、シフォンタチニハナイショ」

「分かった、お前達もいいな」

「ええ、わかりました」

「さて、どうするか」

「ご主人様はどの様にお考えですか? 」

「俺は皆が平和であればそれでいい」

「では、そのように」

「すまないな」

「では、私達はアレックスとの話合い通りに」

「リュンヌ、実際、鉱石はどれ位ある?

そうですね、アレックスとの話を元にすると、掘るのに邪魔で集めている物だけで、数年分はあるかと、鉱山を我等にお任せ頂けるのなら、かなりの量になるかと」

「わかった、アレックスと話をしよう」

「ソルの方はどうだ? 」

「私達は、魔獣肉と素材を用意しようかと、希少な食物もあるようですので今後は相談しながら考えます、そこで、ケーラに相談なのだが」

「なに? 」

「少し北の森に入っても良いだろうか」

「いいよ、ケーラ、そざいあつめできない、やくにたてない」

「ケーラ、お前は街の役に立っているよ、心配するな」

「ご主人様、ケーラ、うれしい」

「ソル、北の森で狩りをすると言うことか? 」

「はい、東は我等とグリフォンがいるのであまり魔獣が近づきません」

「ケーラ、いいか」

「わかった、いつでも、てつだう」

「その時は頼む」

「ハクジャ、南はどうだ? 」

「はい、全て掌握し、現在はウルを中心に管理しております、それと、別荘を建てると言うことなので、そこの砂浜周辺には危険な魔獣は近付けないようにしました」

「どうやって? 」

「ゲーターを周回させています」

「おい、ゲーターって、大丈夫か? 」

「ああ見えて、あ奴らも愚か者ではありません、それと、湖周辺はウル達が見回っています」

「通りで」

「気付かれてた」

「だから言ったじゃろ、ご主人様には通用せぬと」

「試したのか? 」

「申し訳ありません、そのようなつもりはありませんでした」

「構わない、これなら誰も気づかないだろう、ただし、アルベルや近衛、一部の者は気付くだろう、気を付けろ」

「はい、魂に命じます」

「良いだろう、皆を頼んだぞ」

「はっ! 全力で! 」

「ハクジャ、いい部下だな」

「有難うございます」


「よし、街はそれで良いだろう」

「後は、よそ者だな」

「強さはどの程度ですか? 」

「うーん、強くてここの新米兵ぐらいか」

「それでは、ここに辿り着けません」

「そうだな、基本冒険者は自己責任だ、死ぬ者は仕方無いだろう、ただ、片っ端から殺していたら、育たないのも事実だな、それも困る」

「加減しろと? 」

「それも違うな、舐められる」

「では、可能性のある者だけ、生かす、では、どうでしょう」

「可能性か・・・」

「はい」

「出来るか? 」

「容易いかと」

「わかった、任せる、ただし、害あるものは遠慮はいらん」

「はい、皆、よいか? 」

「ええ、良いでしょう」

「私も異論ありません」

「我等はハクジャ様に従います」

「よろしくな」

「は、はい「

「よし話はここまで、後はゆっくり食ってくれ」

「はい」

「ハクジャ、ポニー、少し話がある」

「はい」

少し場所を変える、

「二人に言っておく、俺はいずれ旅に出る」

「はい、その時はお供いたします」

グルァ〜、

「いや、お前たちは残れ」

「何故ですか? 」

「今は言えない、だが、いずれその時は来る、その時、お前達に難しい選択を頼むかもしれん」

「我は従者です、如何なる命にも応えましょう」

「クーマ、トモダチ」

「頼んだぞ」

「はい」

グァ、

クーマ達は皆のもとに戻り、その日は夕暮れまで、たわいない話をした、


7日後、女王の執務室、

テーブルには、コーヒーとお菓子が並んでいる、

今日は交易に関する最終確認、

前回のメンバープラス近衛、ミーニャ、ケンの妻マイカ、ハクジャもいる、

「さて、皆、今日の会議の内容は理解していますね、疑問があれば応えます・・・」

「無いようですね、では始めましょう、アルベル任せます」

「はい」

「まず、なぜ交易を行うか、いつまでも孤立したままでは周りの情勢、情報が手に入らない、これは今後の街にとっては不利だ、できるだけ早く情報を仕入れ対処したい」

「それについては誰かを行かせるだけでは駄目でしょうか」

「それも考えたが、少人数では集められる情報にも限度がある、かと言っていきなり多くを送り込めば警戒される」

「そこで、アレックスから受けた提案、交易に目を付けた、交易を通し街を認識させ、魔獣達の力を借りて来るものを制御する」

「具体的には、まずこの街のギルドで冒険者登録をおこなう、登録は1パーティー、そのパーティーがギルマスからの手紙を持ってコボルの街へ行く、その際にいくつかの素材と鉱石を持っていき通貨に変え、帰ってくる、先ずは此処からだ、ここまでは良いか? 」

「メンバーは近衛で良いんですか」

「それについては、クーマ様から、案を頂いている、クーマ様を護衛する形でコボルの街へ行く、リーダーはアクス、その他メンバーはこれから決める、但し近衛は無い」

「え〜、どうしてですか!? 」

「文句を言うな、理由はある、強すぎるんだ」

「強すぎる? 別にいいのでは? 」

「アルベル、私が説明します、良いですか? 」

「お願いします」

「強いに越したことはない、それは事実なんですが、強すぎるのは問題です、

私の居たコボルの街の冒険者はかなり強い部類に当たるようでしたが、Aランクと呼ばれる冒険者でも、防壁周辺の森を抜けれません、それどころかその向こうの森さえ命がけです」

「だから誰も近づかない、そんな所にいきなり近衛のような実力者が現れれば大騒ぎになります」

「それに有事の際こちらの最高戦力がバレているのはよろしく無い、戦力は極力隠したい」

「ですので、中堅の実力者でパーティーを組みたい」


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