第102話
カフェ
東門から街なかを通り抜けて西門へ向かう、
リュンヌが建設中の建物を見て、
「これは・・・見たこともない建物ですね」
「はい、クーマのアイデアです、マンションと言うそうです」
「クーマ様の・・・」
「はい、建物は出来ているのですが、外観が合わないからと、現在追加作業中です」
「確かに、雰囲気が周りと違いますね」
「ええ」
「街はかなり綺麗になったな」
「はい、皆が協力してくれたおかげです、今も資材を集めていただいてますし、感謝しています」
「大したことじゃない、気にするな」
「ありがとうございます」
カフェが見えた、
「皆、集まっていますね」
「こんにちは」
「ギルマス、こんにちは、リュンヌ、ソル、いらっしゃい、」
「女王様、こんにちは」
「女王、お邪魔いたします」
「二人共、私のことはシフォンで構いません、水臭いですよ」
「ありがとうございます」
「でわ、そのように」
「お前達も一緒にどうだ? 」
「頂いても宜しいですか? 」
「ああ、ミーさん、お願いできますか」
「はい、ご用意します」
「では、私はこれで」
「アレックス、一緒にどうぞ」
「いや、お邪魔では」
「クーマ様いいですよね」
「勿論です」
「さぁ、どうぞ」
「では、失礼します」
『うっ、背中に視線を感じる』
そっと振り向くと、ポニーとケーラがじっと見ている、
「ポニー、ケーラ」
「みんな集まってる、ずるい」
グワァウ、
「悪かった、ミーさん追加で」
グワァウ、
「ポニー拗ねるでない」
ハクジャがなだめる、
皆の前にケーキが運ばれる、
「二人共今日はどうしたんだ? 」
「はい、アレックスさんに呼ばれました」
「アレックスに? 」
「あーそうか、アレックス、どうですか? 」
「あぁ、俺にもちゃんと聞こえたよ、今は、普通に話せる、おかげでやっと礼を言えた、クーマには感謝してる」
「アレックス、お気になさらず」
「リュンヌ、ソル、ありがとう」
アレックスがクーマを見る、
「ありがとう、クーマのおかげだよ」
「いいえ」
皆の歓談が落ついた所で、シフォンが話し掛ける、
「リュンヌさん、今日は他にもお話があるのでは? 」
「お気付きでしたか」
「何となく」
「女王、お聞きしたいことがあります」
「はい」
「今後我々とはどの様にされますか? 」
「へっ、どの様にとは? 」
「我等は魔獣、人とは違います、今まで通りお互い干渉せずで宜しいのでしょうか? 」
「あの、リュンヌさん、ソルさん、あなた方はクーマ様のお友達ですよね、それは私達にとっても同じ事です、あなた達が良ければいつでも遊びに来てください、街は歓迎します」
「しかし我等が街なかにいるのは、皆が怖がるのでは」
「それも心配ないでしょう、あの戦いの中多くの者があなた達の姿を見ました、事実子供達は怯えていないでしょ」
「子供達は可愛い」
「大人はまだ先入観があって距離を取っていますが、皆、感謝しています」
「ただ、みんなアレックスの様に一歩が踏み出せないだけです」
「アハハハ、確かにそうですね、でもこれからは話せる者も増えると思いますよ、むしろ貴方方が遊びに来てくれたら早く距離が縮まるかもしれません」
「ただし必ずトラブルが起きます、それは貴方方だからではありません、人同士でも起きますから、ですので理不尽を許す必要はありません、でも加減はしてやって下さい」
「分かりました、感謝します」
「とんでもない、むしろ言っていただいてよかった、私たちは気にしていなかったので」
「シフォン、これで東門の改修は決定ですね」
「そうですね、むしろ相談できて、いいかもしれませんね」
「マルガ、改修とは? 」
「ええ、東門にあなた達が自由に出入りできる場所を作ろうかと」
「そうですか、ご配慮ありがとうございます」
「いえ、具体的な事はこれからになりますが、うまくやっていきましょう」
「はい、協力させていただきます、ソルもいいでしょ」
「私も考えていた、感謝します」
「すいません」
アレックスが話し掛ける、
「どうしました? 」
「実は私からもご相談が」
「どういった話ですか」
「今後の街の話です」
「街の? 」
「はい、街は、大きな障害も消え、日常を取り戻しつつあります、そこで今後のことを考えたい」
「今後ですか? 」
「はい、この街は自給自足可能な街ですし、かなり生活がしやすい、しかし、他の街とのつながりがない」
「それは感じています」
「そこで、少しだけ他とのつながりを持ってはどうかと考えています」
「具体的には? 」
「一部交易を行ってはどうかと思います」
「交易ですか? 」
「はい」
「どういった交易をお考えですか」
「はい、これはお二人、特にリュンヌさんに関わるのですが、洞窟の採掘をさせていただけないかと」
「採掘ですか? 」
「はい、今回、街の復旧にあたり多くの希少鉱石を提供いただきました」
「これはまだあるのでしょうか? 」
「はい、まだまだかなりの量があります」
「それを近くの街、と言っても結構遠いですが、そこに持ち込み通貨に変える、それで必要なものを購入出来ればと考えています」
「成る程、しかし鉱夫はどうします? 」
「それは、まだ検討中です」
「シフォン、それならば私たちが用意しましょう」
「リュンヌ、いいのですか? 」
「私達にとっては重要なものではありません、むしろ街の役に立てるなら」
「ありがとう」
「アレックス、今の話を元に具体的な検討をして報告をお願いします」
「障害がなくなった今、周りとの繋がりは必要にはなるでしょう」
「分かりました、案を練ります」
「よろしく」
数日後、
ギルドの会議室、
ここは、ギルドの一角を整備した際に、少し拡張して新しく作られた、
集まったのは、アレックス、ケン、マイカ、グルナッシュ、シフォン、アルベル、ノラン、マルガ、アクス、そしてクーマ、
「わざわざおいで下さり有難うございます」
「いいえ」
ノックの音がする、
「いいぞ」
「失礼します」
同じ衣装を着た二人が、ワゴンを押して入ってくる、一人はマイコ、ケンとマイカの娘だ」
マイコがペコリと頭を下げる、
「マイコ、お久し振りです」
「お久し振りですクーマ様」
二人が慣れぬ手つきでコーヒーとドーナツをテーブルに置いていく、
「マイコ、ありがとう」
「いえ、ごゆっくりどうぞ」
二人がペコリと頭を下げて部屋を出て行く、
「先ずは皆さんどうぞ」
「アレックスさん、覚えていてくれたんですね」
「ええ、勿論です」
シフォンがドーナツを口に運ぶ、
「美味しい」
皆も一緒に食べ始める、
「これは美味しいな、アレックス、あとで分けてくれないか」
「いいですよ」
「アルベル」
「あ、すいません」
「セルファへのお土産ですか? 」
「はい」
「仲がいいわね」
ノランが、からかう、
「ハハハ」
「さてと、それでは、始めましょうか」
「お願いします」
「まず、交易についてですが、全体の流れとしては、ポーキュパインの集めた鉱石を街で買い取り、ある程度の量になったら、コボルの街に運び通貨に変える、
そしてコボルから日用品を買って戻るとなります」
「魔獣達からの買取についてですが、物々交換プラス通貨での買取とします、魔獣達は基本通貨を使いませんが、取引となれば、あったほうがよいと判断しました、ただ持ち帰っても役には立たないので、魔導具に記録して保管していただきます、物々にするか通貨にするかは魔獣達に任せます」
「現在、東門はそれらを考慮して一部改装中です」
「次に仕入れた鉱石や素材ですが、一部を街の鍛冶屋で必要なものに加工します、後は武具などに加工して、これも交易品にしたいと考えています、それ以外は鉱石、素材として交易対象にします」
「輸送については、大量に運ぶのは難しいですね、まだ、検討が必要です」
「そして、問題点、まず、この街が世間ではどう扱われているかですが、クーマから聞いた範囲であれば、過去の文献に記されているだけで、現在は廃墟だろうとのことです」
「廃墟ですか」




