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VS 四凶

ククルヤンカシュの式神を先に作り、得意の水属性の水龍弾の威力を上げるためにククルヤンカシュには修行を積んでもらった。


伏神刀ビャッコ「僕の厚い鉄の壁を凹ますくらいの威力だから大したもんだよ。ククヤン。」


ミツルギ『あだ名かな?』


伏神刀(inカグツチ)「ソレガシの火のあられも尽く撃ち落としてましたし。いい頃合いだと思いますよ?」


伏神刀(inククヤン)「が、がんばります!」


ミツルギ「よし、皆!頼むぞ!」


レイキが封印されてるという北の屋敷跡にミツルギは足早に向かっていた。

バスもタクシーもシキガミ作りに金がいるからと、お玉に言われて節約のために使わないことにした。

その代わりに玉姫から十種トクサ神宝カンダカラのタルタマを貸してもらっているので、息が切れるということはない。

そんな玉姫とお玉の献身にミツルギの心はときめくのだった。


ミツルギ『いつか、この想いをお玉さんに打ち明けるんだ。』




レイキ屋敷跡

全壊した建物の瓦礫が当時の戦闘の激しさを物語っている。その中心に禍々しい妖気が立ち登っている。人の侵入を阻んでいるかのようだ。


ミツルギ『……光の柱だ。』


その奥に青白い光が天に向かって伸びていた。


トウテツ「きさま!そこで止まれ!」


首から炎を吹いて、ゆっくりと天から顔だけの大きなバケモノが降りてきながらミツルギに叫ぶ。


ミツルギ「!いた!四凶だ!」


身構えるミツルギの前にバケモノ達が集まってきた。


キュウキ「我らが見えぬか人間よ!」


風も無いのに宙に浮く、顔は人間のそれににてるが長い牙のあるトラのようなバケモノが続ける。


コントン『まて、皆の衆。そいつはオオカミだ。アオバの仲間じゃないのか?』


3対の翼で宙に羽ばたき3対の短い手を足のようにその色白な饅頭の体から生やしているバケモノが言う。言い終わると他のバケモノ達の後方に位置した。


ミツルギ『目も口もない……耳も鼻もないのに、あのバケモノはどうしてわかるんだろう?』


トウコツ「ここに来るやつが?新入りを一人で越させるかよ!敵に決まってんだろ!」


見るからによく斬れそうな長い爪を生やしたこれまた、鋭く長い歯が剥き出しの毛のない狼の様なバケモノが吠え、一番前に躍り出た。その硬そうな体には無数の切り傷がついている。


ミツルギ「ビャッコ!カグツチ!ククルヤンカシュ!」


伏神刀を抜刀するミツルギは叫んだ。一人の猫の亜人と炎をまとった偉丈夫と、青い大蛇が伏神刀の刀身から出てきた。


トウコツ「ほれみろ!コントン!味方がシキガミなど出そうか!?」


コントン『そうだな、敵のようだ。』


キュウキ「オオカミなど食べたことがないぞ。」


トウテツ「とって食らうてやるか!そのシキガミども含めてなぁ!」




戦闘開始


トウコツ「オラァ!」


狼のバケモノが鋭い爪でミツルギ達に襲いかかる。


ビャッコ「五行術!金剛結界!」


ズバ!


カグツチ「ぐ!何のこれしき!お館様!助かりました!」


トウコツ「ぬう?!」


鋭い爪を受けてもかすり傷で済んでいるカグツチにトウコツは驚いた。


キュウキ「どけ!トウコツ!」


トウコツが後方に飛び跳ねて下がると、同時に激しい風刃が巻き起こりミツルギ達を包んだ。


ミツルギ「うお?!結界のおかげで助かった!?」


ビャッコ「えへへへ、ぼく強い!」


小さい切り傷だけで済んでいるミツルギたちを見てコントンが声を上げる。


コントン『その結界は金だ。トウテツ!』


トウテツ「へ!任せな!」


トウテツは口から激しい炎をを吐いた。


ククヤン「五行術!水龍弾!」


青い大蛇の周囲に水の球体が形成されると、それらから強烈な水圧の水が放たれて炎を防いだ。


トウテツ「くそう!」


キュウキ「あれではコントンの散弾も効くまい!」


トウコツ「であればどうする?!」


四凶が互いの顔を見て騒いでいる。


コントン『四凶ストリームアタックで行こう!』


トウテツ「おお!あれか!」


キュウキ「見るがいい!我らのコンビネーション!」


トウコツ「頼むぞ!兄者達!」


バケモノ達がコントンの前に一つに集まる。


ミツルギ「何かする気だ!」


ズドォォン!


コントン「!」


コントンは穴が開いたが無反応で、それどころか無数の丸薬を飛ばして反撃してきた。


ビャッコ「ウワワ!当たると痛痒い!」


丸薬があたったところが激しい痛みを伴ってかぶれる。


ククヤン「結界を貫通?!」


カグツチ「これだけで済んでる?結界がなければどうなっていたことか!」


コントンの散弾をビャッコのワイヤー、ククヤンの水龍弾、カグツチの火のアラレがなんとか防いだ。


ビャッコ「くそ!」


カグツチ「防戦一方か!?」


ミツルギ「コレなら!」


シビレを切らしたミツルギはリボルバーでコントンを撃った。無反応だったコントンは6発目でようやく自分を丸薬で回復した。


ミツルギ『?どうして今まで無反応だったのに、奴は急に回復したんだ?!』


穴はすべてふさがったと同時にトウテツが激しく首から炎を巻き上げて飛んできて、その口からキュウキとトウコツを勢いよく吐き出した!


キュウキ「風よ!」


トウコツ「行くぞ!」


トウテツのロケット推進、キュウキの追い風で神速まで加速したトウコツがミツルギに迫る。


ミツルギ「!」


ズバァ!


ククヤン「っぐむ!?」


ミツルギ「ククルヤンカシュ!?」


すんでのところでククヤンがミツルギを庇ったが、その身体には深々と爪の切り傷があり、傷口から大量の血が噴き出している。

ククヤンは身震いして地にふせった。荒い息遣いの青い大蛇が弱々しく言う。


ククヤン「わ、私はここまでのようです……」


ミツルギ「すまん!ククルヤンカシュ!伏神刀に戻れ!」


瀕死のククヤンの巨体は伏神刀に消えた。同時に、トウコツが後方にひるがえる。


トウコツ「ち、もう一度だ!」


コントン『まて、その前にキュウキ、トウコツの消化されてる部分の回復をせねば。』


キュウキ「早く済ませろ!」


トウテツ「ガハハ!水を使うやつがいなくなった今がチャンスよ!」


トウテツの激しい炎がミツルギ達を襲う。


カグツチ「五行術!ファイヤーウォール!」


カグツチが起こした炎の壁がトウテツの炎を無効化する。

その時、伏神刀が光る。


伏神刀(inスサノオ)「三体、式神を集めたようだなミツルギ。」


ミツルギ「スサノオ様?」


伏神刀(inスサノオ)「俺が大陸に渡ってた時の話をしてやろう。コントンについてだ。」


ビャッコ「うー!手短にー!」


伏神刀(inスサノオ)「おお、そうか。なら手短に……」


トウテツ「もう一度、四凶ストリームアタックだ!コントン!」


コントン『二人は治した。いつでも行けるぞ!』


伏神刀(inスサノオ)「コントンは7つの穴をその身に受けると、死ぬ。」


ミツルギ「!なるほど、分かりました!」


カグツチに炎の壁を解くようミツルギは叫ぶ。同時にコントンの丸薬が降り注ぐ。


ビャッコ「いっててて!五行術!金針磁鉱キンシジコウ!」


無数の散弾がビャッコの周囲に生えたワイヤーに吸い寄せられた。


コントン『何ぃ?!』


カグツチ「鉄?!」


ビャッコ「当たりだ!大陸の丸薬、金丹きんたんには鉄が含まれてるんだ!でも、痛いってぇ!」


ミツルギ「ビャッコ!でかした!」


リボルバーから放たれた3発がコントンに穴をうがつ。


コントン『無駄だ!』


ミツルギ「そうかな?!」


ミツルギはリボルバーのシリンダーからまだ熱い空薬莢を抜き出し、再装填した。


ミツルギ『あっちぃ!』


ビャッコの金の結界は火を通す。ミツルギは盛大に火傷をした。


ドガガガ!


コントン『うわ!しまった!』


ズドン!


7発目がコントンの身体に穴を穿った。

コントンは一言も発することなく地面に力なく落ちた。


トウテツ「コントン!」(モゴモゴ!)


ビャッコ「しめた!五行術!鉱蛇刃(コウダジン!」


ブス!ブス!ブス!


ビャッコの操るワイヤーがトウテツの口を瞬時に縫う。


トウテツ「むぐー!」(しまった~!?)


トウテツの中でキュウキとトウコツが溶けていく音が聞こえる。


ブジュゥゥ……ゴボゴボ!


キュウキ&トウコツ(ぎゃぁぁぁぁ!)


涙の流すトウテツの目は天を仰いだ。


トウテツ「むぐぐー!」


ミツルギ「トドメだ!チェストォォ!」


トウテツはミツルギに切り捨てられた。


ビャッコ「やった!四凶を倒せた!」


カグツチ「早く、レイキ殿を解放しましょう!」


ミツルギ達は光の柱に急いだ。




そこには霊力をほとんど失って、声も出せないやつれた顔の背の曲った爺さんがいた。

助けが来たと分かると爺さんの顔は若干ほころんだ。


パキィン!


封じていた四凶がいない結界はビャッコが触れると容易く、音を立てて崩れ去った。


ミツルギ「伏神刀よ。レイキと契約だ。」


シーン


ミツルギ「あれ?何にも起こらない?」


伏神刀(inスサノオ)「あぁ、これに入れられる式神は三体までなんだ。」


ビャッコ「それで、アオバのも式神が3体だったのかぁ。」


ミツルギ『早く言って下さいよ……。』


ビャッコ、カグツチを伏神刀にしまったミツルギは衰弱していたレイキを背負って探偵事務所まで戻った。


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