表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/11

対四獣兵器

バキッ!


土蜘蛛「うげぇ!」


ドガァ


茨木「確かにてめー等は冷や飯食いだ。数が多いからな。」


度重なる戦闘で土蜘蛛衆はその数を減らし。今では十数人しか残ってなかった。


茨木「だがなぁ、命を粗末にすんじゃねえ。お前ら雑魚が束になったって、四獣みたいなチートに勝てるわけねーだろ。」


しゃがんで茨木は土蜘蛛衆の目線に合わせた。


茨木「ようやく見つけた新天地、ようやく見つけた仲間じゃねーか。もっとオレを頼れ。」


その言葉に土蜘蛛衆はすすり泣くのだった。


茨木達のやり取りを一部始終見ていた酒吞はツマミのタクアンをかじりつつポツリと漏らした。


酒吞「しらけるなぁ。」(ポリポリ)


さすがに怒った茨木の鋭い目線もどこ吹く風と、酒吞は酒をかっくらっていた。


茨木「酒吞。お前ってやつは……」


酒吞「勝てへんなら、勝てるよーにしたリーや。」


土蜘蛛衆「???」


茨木「けど、どうやって?」


酒吞「アイツラ(シラヒト、コクミ)は死んどるヤマタノオロチ復活させようっちゅー技術者や。頼んだら、なんか作ってくれるんとちゃう?」


茨木「その手があったな!」


茨木達は立ち上がり、善は急げと部屋を出ていった。


バタン


酒吞「……ホンマに行きよったわ……」


トクン


酒吞『……まぁ、酔いやな、これ。』




茨木はシラヒト達の集う部屋に入り2人に話をした。


シラヒト「何?四獣に対抗できる道具が欲しいだと?」


コクミ「土蜘蛛達に?」


茨木は深く頭を下げてお願いした。何事かと、アオバも部屋に入ってきた。


茨木「もう、奴らはヤラれちまって、ほとんどいねーんだ!お願いします!旦那方。」


コクミ「んー、どうする?シラヒト。」


いつものように口に手を当てて考えていたシラヒトが口を開いた。


シラヒト「我らには手足は必要。その要望、飲もう。」


茨木「じゃ、じゃぁ!」


シラヒト「まぁ、数は揃えてはやれんぞ。よくて二、三だろう。」


コクミ「限りある予算を割くんだ、ちゃんと有効打になるように使えよ。」


茨木「ありがとうございます!ソイツで四獣の首を上げてやります!」


アオバ「………………」




伏神刀の中


昼を終えちゃぶ台でゆっくりしていたビャッコ、ゲンブ、カグツチの3人。ビャッコはゲンブのくどい話を長々と聞かされていた。


ゲンブ「……とまあ、男なら当たり前の話よ!」


ビャッコ「もういいだろー!男はこう、女はこうじゃなきゃダメとか、聞き飽きたよー!」


ゲンブ「お主もスサノオ様を見習って男物の下着に変えよ!ふんどしとか!」


ビャッコ「やだー!可愛くないじゃん!?」


カグツチ「ハハハ……」




伏神刀から漏れてくる喧騒にミツルギはげんなりしていた。


ミツルギ『ホント、仲悪いんだなぁ……』


そこに、お玉がお茶を持ってきた。


お玉「仲いいですね、お二人。」


コトッ


ミツルギ「仲が良い?」『仲悪いの間違いでは?』


お玉「本当に仲が悪いなら、口も聞きませんよ?」


ミツルギ「なるほどなー。」(ズズッ……)


伏神刀ビャッコ「もうヤダ!僕はここを出てく!」


伏神刀は何かあった時、咄嗟に出られないからということでさやつばの間にものを噛ませて少し空いている。


ビシュウン!


伏神刀から憤慨してプリプリしているビャッコがでてくる。


ビャッコ「まったくー!失礼しちゃう!」


ツカツカ……


ミツルギ「あ、おい!ビャッコ!どこ行くんだよ!」


ミツルギの制止も聴かずにビャッコは事務所を出ていった。


カランカラン


お玉「……おいかけなくていいんですか?」


ミツルギ『俺かぁ……』


ミツルギが外に出ようとした時、ちょうど用事できた源とぶつかってしまった。


ミツルギ「おっと、すみません!」


よろける源をミツルギは両肩を抱かえて支えた。互いの吐息の分かる距離、支えてくれてる大きな手。


ドキッ


源はハッとしてミツルギを見た。


源「……あ、ミツルギはん!どこいかはるん?!」


ミツルギ「源さん!話はお玉さんに!」


そう言うとミツルギは外にかけていった。


カランカラン


源「モー、何やの?あれ?」


お玉「今、立て込んでまして……」




アテもなく外の人混みをトボトボと歩いていたビャッコにミツルギは走って追いついた。


ミツルギ「ビャッコ!」


ビャッコ「ミツルギ……君も僕の事はホントは良く思ってないんだろ?」


人目も気にせず、ミツルギはビャッコを黙って後ろから抱きしめた。


ミツルギ「そんなことない。俺たち今までずっと頑張ってきたじゃないか。」


そう聞くとビャッコはミツルギの腕の中で向き直った。


ビャッコ「じゃあ、僕のこと好き?」


腰に手を回す。


ミツルギはよりギュッと抱きしめた。


ミツルギより頭一つ背の低いビャッコの頭からする仄かなお日様の匂いが鼻をくすぐる。


ミツルギ「大切な仲間だろ?」


ビャッコはミツルギの胸に額を擦り付けた。


ビャッコ「……そっか。」


ビャッコはミツルギから離れると夕暮れの空を眺めた。


一番星が瞬いている。


ビャッコ「しょうがないなぁ。帰るか。」


2人は向き直ると顔を見合わせてクスッと笑った。


ビャッコ「あ、けどもう伏神刀には戻らないからね。爺さんとはやっぱり、距離があったほうがいい。」


ミツルギ「まぁ、ソレは構わないけど……どこで寝るんだ?」


ビャッコ「そりゃ、ミツルギの部屋さ!」


ミツルギ「ぃ゙!」


ビャッコ「アハハ!冗談だよ!」




2人が事務所に戻ると、まだ源は残っていて、お玉と事務所の中央のテーブルで談笑していた。


お玉「おかえりなさい。」


源「お玉さんの言う通りや、帰ってきはった。待ってたかいがあったってもんや。」


ミツルギ「こちらの都合で、お待たせしてすみません。」


源「ええんや?元気にしてはるみたいやし。」


ミツルギはお玉の横に座って源に対応した。ミツルギ本人は気にしていなかったが、その時、隣のお玉がぴったりくっついていたので源は少し焼いていた。


源「ほな、本題に入ろか!ニタマ守っとる怨霊退治や。やってくれはる?」


ビャッコ『む、メス猫の匂い。どこからだろう?』(クンクン)


源は上着のポケットから成功報酬の額面を提示した。


ミツルギ「……結構な、金額ですね。」


源「怨霊任せじゃアカンゆーて、ウチでちゃんと保管しよーってなったんよ。」


ミツルギ「なるほど、ソッチのほうが管理しやすいですもんね。」


源は出された甘めのコーヒーを飲むふりをしてミツルギの仕草、一つ一つを観察していた。


源『何やろうな?この大物の犯人追い詰めた時のような胸の高鳴りは……

ミツルギはんを見てたら変な気分になるなぁ、特に、お玉さんとおるときは。』


名家に生まれてコレまで恋らしい恋をしてこなかった源は自分の中のキモチに鈍感だった。


ミツルギ「分かりました、引き受けましょう。」


源「オー、やってくれはる?男やなぁ。ほなまた期限とかは設けへんさかいに、そっちの都合がいいときにやってくれはったらええわ!」


ミツルギ「我が探偵事務所にお任せください!」


源「期待してるでー?ほなな。」


源が立ち上がるとミツルギがそのエスコートをした。


ミツルギ「お気をつけて。」


源「今日は、ありがとうな。」


何気ない、帰りの互いの目を見てする挨拶にも源の心が動かされるのであった。




自分の席に戻ったミツルギはふと思った。


ミツルギ『そういえば、伏神刀の中の式神はビャッコが外に出た分、1ストック空いてる状態なんだろうか?今度、スサノオ様に会ったら聞いてみよう。』


外に目を向けると、すっかり暗くなっており、ビャッコとお玉のあくびが聞こえる。


ミツルギ『今日はなんだか。気疲れした、眠い。早めに寝よう。』


あ、そうだと言いつつ、ミツルギは源が残していった紙に目を通した。


ミツルギ「今度の怨霊ってのは……?」『長屋王?ゴダイゴ?何だソレ?明日にでも聞いてみるか。』


ビャッコ「お玉さーん、今日の夕飯はなぁにー?」


お玉「もう遅いですし、簡単なもので済ませようかと。レトルトカレーにしましょうか。」


ミツルギ&ビャッコ「いいね!」


ビャッコ「僕、冷蔵庫から福神漬取ってくるよ。」


ミツルギ「じゃぁ、俺は食器出すかな。」


お玉「みんなで、準備です!」(ニコニコ)




アマツシティ某所


シラヒト「できたぞ。」


茨木の前に対四獣戦を想定した武器が運ばれてきた。


茨木の後ろに控えていた土蜘蛛がソレを見て言う。


土蜘蛛A「ムチ?」


土蜘蛛B「それとなんか杭?」


コクミ「パイルバンカーというやつだ。」


シラヒト「ビャッコの金剛結界をムチで溶かして、パイルバンカーで仕留める、という運用を想定している。うまく使え。」


茨木「よし!やろーども!作戦会議だ!」


土蜘蛛衆「「へい!」」


アオバ「………………」





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ