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月夜譚 【No.201~No.300】

絶滅危惧種 【月夜譚No.294】

作者: 夏月七葉

 今や忍者は絶滅危惧種である。忍者の術や知識を継承している家系など、それこそ片手で数えるほどしかいないだろう。

 戦国時代は、名のある武将達が少しでも先手を取ろうと忍者を雇って諜報活動をさせたものだが、情報技術の発達した現代において忍者の持つアナログな技術など卑小なものだ。時代は忍者よりスパイ、デジタル知識に長けた者を欲している。

「――まあ、そこに頼っているから、こうして隙を突くこともできるんだけど」

 高層ビルの屋上。紺の装束を纏った青年は、口元の布を引き下げてにやりと犬歯を見せた。

 多くのことをデジタルで賄うことが常識となった現代だからこそ、地道に努力を重ねた結果が有利に立つこともある。機械を介さず、全身全霊で注意を払うことで、痕跡も残し難い。

 とはいえ、需要が少ないのは否めない。全忍者における今後の課題である。

 青年は再び口元を隠し、そっと闇の奥へと消えた。

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