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巡れ!半神と仲間たち 半神幼女が旅行とごはんとクラフトしながら異世界を満喫するよ! ~天罰を添えて~  作者: あいのの.


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265. もしかしてもしかしたら……やっぱり?!

 ミールナイトに戻って数日。フィガロギルマスからお手紙が届く。

 報告と確認があると言うことだったので、早速商業ギルドに向かうよ!



「ご足労いただきありがとうございます」

「問題ない。それで報告と確認とは?」

「はい。まずは冒険者ギルドに護衛依頼を出しました。【虹の翼】が戻っておりませんが、ビョークギルド長に詳細をお話して仮受付をしていただきました」


 うんうん。

 お姉さん達が正式に依頼を受けてくれれば完了だね!


「それから旅の同行者ですが、後学のためにエレオノールとディリジェンテと言う者を連れて行きます」


 商業ギルドからはフィガロギルマス含め3名が参加とのこと。

 ミールナイトの商業ギルドはしばらくの間、エンタルと言う町の副ギルド長が仮ギルド長となり、ミールナイトのエレオノールさんとディリジェンテさんの次に優秀な職員さんが仮副ギルド長として職務に就くんだって。


「承知しました。この間話した通り、3名は魔法契約をしてもらいます」

「問題ありません。と言うか、ワクワクしています!」


 この間マジックバッグを渡した時に、私達の話をする前に魔法契約が必要だという話をしたらしい。その時に魔法契約の内容を聞いて、ぜひ体験したい!と楽しみにしているという。

 珍しい品物だけではなく、新しい体験にも貪欲なフィガロギルマスなのだ。


 ちなみに【虹の翼】のお姉さん達にも手紙で魔法契約をお願いした。…今更なんだけれど。


 今回お姉さん達は私達と外の国へ赴く。

 商業ギルド本部の上部は私達のことを知っているけれど、それ以外、または商人達は探るためにどういう手段に出るかわからないからね。

 お姉さん達が強いのはもちろん知っているけれど、念の為お願いしたんだ。


 もちろん了承をもらったよ。

 停止時間はお姉さん達の要望で1秒にした。状況によっては自分達で固まるふりをするから大丈夫だって。

 フィガロギルマス達も1秒に設定。大丈夫?って聞いたら、固まる演技ならば自信があります!と言っていた。海千山千のギルドマスターとその予備軍だもん。大丈夫だよね?



「同行者はただいま不在ですのでお会いするのは出発当日となります。魔法契約は当日にお願いします」

「承知した」


 フィガロギルマス含む3名と【虹の翼】のお姉さん達は当日に契約をすることに決まりました。



「それから確認とお願いがありまして」

「なあに?」

「はい。ブルーダイヤモンドとオリハルコンバイパーの鞄は出品ということで良いですか?」

「あい。しゅゆ、おねだい、しましゅ」

「承知しました。それでは絵を描きたいので見せていただけますか?」

「絵?」


 こういうのをオークションにかけるよ、と言う絵を文書通信で送らなければいけないらしい。

 これは見本ですがと過去に描いた絵を見せてもらう。


「私が描きました」

「わあ、じょーず!」


 羊皮紙にモノクロで描かれた絵は精密で、とてもとても上手だった。

 フィガロギルマスは絵が凄く上手ねえ。


「お褒めいただき光栄です。幼少のころより個人的に手に入れたものを描いて図録を作成しているんてすよ。手に入れた日時、場所、以前の所有者、手に入れた経緯やその時に感じたこと、私が知る限りの知識を書き込み大切に保管しております。命より大切な宝と言っても過言ではありません。それから………」


 フィガロギルマスの図録トークが止まらない!


「あー。宝石類の絵はまだ描いてないのか?」

「あっはい!こちらとこちらは済んでおりまして……」


 1日中語りそうだからか、鳳蝶丸が話の軌道修正をする。


 そうでした!という表情で、ファンシービビッドダイヤモンド2種の絵と、比較用に描いた金貨を見せてくれた。凄く上手だけれどちょっぴり石に見えちゃう……のは内緒。

 モノクロでさらに原石だから仕方がないよね?


「追加で提出したいので、巨大ブルーダイヤモンドとオリハルコンバイパーの鞄を描かせていただいて良いですか?」

「あいあい」


 無限収納から2つを取り出し、ついでに1枚金貨も出してテーブルに並べる。


「はあ……何度見ても、どちらも美しいですねえ」


 うっとりと眺めているのに手だけが高速で動いている。

 下描き無しのぶっつけ本番。紙ノールックで正確に描いているフィガロギルマス、凄おぉー!


「出来ました。これを文書通信で本部に送りましょう。フフッ…大騒ぎになりますよ!」



 文書通信の魔道具はギルド長室と副ギルド長室に置いてあるとのこと。

 へえ。話に聞いていた文書通信ってこの魔道具なんだね。箪笥くらいのアンティークオルゴールに似ているので、フィガロギルマスが集めたコレクションかなって思ってたよ。


 ササッと書いた手紙と絵4枚を文書通信で送るフィガロギルマス。……すんごくニヤついている。


「このあとお時間はありますか?」

「だいじょぶ」


 どうなるのか気になるからもう少し付き合うよ。

 職員さんがお茶を出してくれたのでのんびり待つ。

 眠くてウトウトすること30分。



  突然!文書通信が激しく可動を始めた。



 ガガガ……ガガガガガ……。

 ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ……ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ………。



 け、結構大きな音なんだね。


 しばらくしてフィガロギルマスが大きめの魔石をサッと取り替えた。そして空になった魔石に自ら魔力充填する。

 魔石を取り替えて充填を何度も繰り返すほど、文書通信から紙が出ているよ。


 コストとか大丈夫なの?いや、そんな書くことあるの?


「フフフッ、驚いてる驚いてる」


 何気にフィガロギルマスが持っている羊皮紙を見ると、少しばかり殴り書きっぽい文字がビッシリと書かれていた。


「どちた?なに?」

「こちらは商業ギルド総本部の副頭取から送られた文書通信です」


 副頭取?総本部の頭取なら偉い人かな?


「総裁に選出されたのに、身軽に動いていたいからと副頭取に収まった人物です。珍しい物、希少品などが大好きで…」


 なんか見たこと聞いたことがある。知ってるぞ!

 身近にいるへんた……貴重、希少品が好きな……。


「彼は私の従兄なんです!」



 やっぱり血縁者ああぁぁぁあぁぁ!



「名をフィオリーノと言います。彼は色々な情報や希少品を持っているんですよ。私とも話が合います」


 そうでしょうねえ。

 会ったことはないけれど、同じかほりがしますもんねえ。


 フィオリーノ氏に、オリハルコンバイパーの革と鞄、ハンドボール大のブルーダイヤモンドをお知らせした結果、膨大な量の文書通信が送られてきたと言うことらしい。

 読ませてもらったところ、どこで手に入れたのか。鑑定をしたか。詳細なサイズを教えて欲しい。本当にオークションにかけて良いのか。そして鞄は本当にオリハルコンバイパーなのか。どう作ったのか。職人は誰だなども事細かく書いてあった。


「彼は皆さんのことを知っています。伝えて良いですか?」

「うん。いいよ」


 商業ギルドの幹部とギルド長クラスには説明したと言っていたもんね。


 フィガロギルマスの返信には、御使(みつか)い様からご提供いただいた物なので詮索せず、また公表しないようにと書かれてあった。



「この件に関してまた後ほど連絡するとのことで時間がかかりそうです。どうされますか?」

「うーん。おうち、たえゆ」


 面白いものを見たし、もういいかな?

 フッ…幼児は飽きっぽいのだよ。……なんちゃって!


 時間がかかるならもうお家に帰るよ。何かわかったら連絡してね。


「承知しました。詳細が決まったら手紙を入れますね」


 はい。そうしてください。

 よろしくお願いします♪






 家に帰ってゆっくり過ごした翌日、フィガロギルマスからお手紙が届いた。


 まず、5カ月後にファンシービビッドオレンジダイヤモンドとオリハルコンバイパーの皮だけを出品する。

 その時にファンシービビッドブルーダイヤモンド(小)、ファンシービビッドブルーダイヤモンド(大)、オリハルコンバイパーの鞄が出品される、大規模オークション開催を発表したいとのこと。


 おそらく各国の王族関係者、要人、貴族達が集まることとなり、華やかなオークションになるだろう。

 そのための準備期間として1年余裕が欲しい。

 私の都合が悪ければ先にある程度の金額を渡し、オークションが終わり次第その差額を支払う。と言うものだった。



 お金は急ぎ欲しいわけではないので良いけれど、気になることがいくつかあるよ。


 まずカラーダイヤモンド2種を別々に競売にかけるとして、私が買った土地の支払いが完了しない気がするけれど大丈夫?

 それから今回と翌年のオークションを2回見に行かなきゃならないの?

 2年弱もオークションに時間を費やされるのは困るし、お姉さん達にお付き合いしてもらうのも悪いよ。1回行っておけば転移の門戸があるから良いけれど、それを商業ギルド関係者……フィガロギルマスに期待されても困る。


 お金の問題ではないことと、時間の拘束は困ること。それから気になることをハルパに代筆してもらい、フィガロギルマスの共有に入れておく。



 しばらくして届いた返事には、ファンシービビッドブルーダイヤモンド(小)よりオリハルコンバイパーの皮のほうが価値があるので、土地代金は十分精算できるだろうと書いてあった。

 それからフィオリーノさん、フィガロギルマスの署名とともに、1年後の開催については、商業ギルドの一大イベントとなるのでどうかどうかご容赦いただきたく、何卒よろしくお願いいたします!と言う文章が書かれてあった。



「どうする?お嬢」

「うみゅ、ちたたなち」


 うむ。仕方なし。

 企業に勤めていた身としては、今回の件を一大イベントにしたい気持ちはわかる。


 じゃあ、こうしよう。


 あちらこちらに寄りながら、3ヶ月ほどかけて商業都市フェニチュアへ行く。


 ファンシービビッドオレンジダイヤモンドとオリハルコンバイパーの皮の出品手続きをする。

 ファンシービビッドブルーダイヤモンド(小)、ファンシービビッドブルーダイヤモンド(大)、オリハルコンバイパーの鞄を見せ確認してもらう。


 オークションの企画内容を聞き、場合によっては他の物を追加する。


 私達は転移の門戸で一旦帰る。

 【虹の翼】のお姉さん達が帰る予定なら一緒に帰る。


 1年後、開催予定の1、2週間前に行って出品物を置き、開催日までペネスチア王国周辺の観光をする。


 オークション見学。


 転移の門戸で我が家へ帰る。



 大まかだけれど、こんな感じかな?

 皆に相談したらそれで良いと言うことなので、フィガロギルマスにはオークション1年後でも良いよとだけ返事をした。


 するとフィガロギルマス達に一時的な転勤の辞令が下りたと手紙が届く。

 転勤先は商業ギルド総本部。期間は1年6ヶ月だって。

 やりますよ。オークションをド派手に成功させます!という意気込みも書いてある。なんだかちょっぴりなんとなく少しだけ………怖いんですけど。

 フィガロギルマスの暴走を止める役はいないの?フィオリーノさん?

 ……ダメだ、同じ匂いがするモン!会ったことないけど、文書通信の文量でお察しだよ!


 ……………へあぁ。もう、いいや。

 私がオークション開催するわけじゃないし。


 ぃよしっ、こうなったら、ド派手オークションに拍車かけたろ。

 なに追加しよっかなあ。イヒッ☆(混乱中)



 ちなみに【虹の翼】のお姉さん達に旅程の詳細を知らせたら、私達と一緒にミールナイトへ帰ると返事が届いた。1年後にどうするかは今返事が出来ないけれど、行きたいとは思うので検討するとのこと。

 もちろんお姉さん達の都合でどちらでもいいよ。行けたらいこうね♪


 と言うことで、商業都市フェニチュアに到着したら商業ギルド組を置いて帰ることになりました。

 1年後に転移の門戸でまた行けばいいし、お姉さん達はその時の状況で判断すれば良いと思う。


 こんなゆるゆるな感じでオークション参加が決まりました♪

 旅行楽しみだなあ。




「ペネスチア王国は、ここから飛行(ひぎょう)で行くと休憩込みで2日くらいか?」

「そうだね。でも姫はどこかに寄りながらと考えているんだよね?普通に旅をするかい?」

「ううん。しゅっとばしゅ、あしょぶ」

「旅程のところどころ飛ばして時間をつくり、余暇は遊ぶ、と言うことですね?」

「あいっ」


 そうなの氷華、レーヴァ、ハルパ。

 単調なところはすっ飛ばして移動して、楽しそうな場所では遊び倒す算段です。


「わたし達ならば問題ありませんが、彼らはどうするんですか?」

「のいもにょ、ちゅちゅゆ」

「乗り物作る?俺、参加していい?」

「何か作るなら俺も参加する」


 ミスティルの質問に答えると、ミルニルと鳳蝶丸が乗り物製作に名乗りをあげる。


 よーし。

 みんなで乗り物作ろう!何作ろうかなあ(無計画)。

本作をお読みくださり、評価、ブックマーク、いいね、感想をくださりありがとうございます。

とっても嬉しいです♪

これからもどうぞよろしくお願いします。

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