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25. ちょっと脅しとく?

 ゴンッ!

 ガン、ゴン!



 どんなに攻撃しても私の結界には入ってこられないよ。


「これ、どうします?ヤっちゃいますか?」

「それ良いな」

「ヤっちゃ、ヤメ」


 一応、このダンジョンで生活している人間もいるし。

 それにウル様から浄化せよと言われたけれど、潰せとは言われていない。


 ううん、浄化、浄化ねぇ。

 自分で瘴気だして自分で穢れちゃうんだもんな、ここのダンジョンコア。でもずっとこのダンジョンにいて浄化し続けるわけにはいかないよね。



 ん?永遠に浄化?

 永遠に………。

 永遠…。



 あ!



 キング魔石に【1時間に1度浄化発動】を付与、鳳蝶丸に直接【魔石を繫げる魔法陣】を刻み込んでもらった。


 テントも直接魔法陣を刻んだ魔石の方が良かったかも。もう出来上がっちゃったからいいけれど。



 ええと、話逸れた。

 そのキング魔石を百個複写、丸に近い多面体のデッカイ塊にして一旦収納した。


「ダンジョンコア、持ちゅ魔よく、こえ、ちゅなげゆ」

「!…ああ、なるほど。了解」


 つまり、ダンジョンコア自身の魔力と私のつくった浄化付与の魔石を繫げ、自分で自分を浄化し続けてもらうのだ。

 ダンジョンコア自身の魔力使ったら更に穢れるのでは?と思うかもしれないけれど、その魔力はあくまでも浄化を発動させるスイッチを動かす電気のような扱い。

 作動してこの空間に満ちるのは私の浄化なので問題ないのだ。


「コアの近く行く」


 まだ攻撃は続いている。

 ガンガンと結界を叩きながら、開けてください、直接話をしましょう?ねえ!と叫んでいる分体はやっぱりちょっと不気味だった。


 鳳蝶丸が私を抱っこして歩くと、結界1ももちろん移動する。


「いっそのこと、ダンジョンコアにこの結界を被せて何も通さないようにした方が早くないですか?」

「え?!しょえ、ダンジョン、保ちゅ?」

「いや、コアと森を切り離すと、実質上ダンジョンが死に絶えたと同じになると思うぜ」


 危ない危ない。

 ミスティルったら、雑なんだから。

 わかってて言ったでしょ?


「ミシュチユ?」

「何です?」

「無しぇきにん、メッよ!バチュとして、今日かや、小枝しゃん、呼ぶ」



 ングハッ!

 変な声で噴き出す鳳蝶丸。


「いいな、小枝ちゃん」

「止めてください」


 物凄く嫌そうな顔をするミスティル。


「ダンジョン、生かしゅ」

「はぁ…わかりました」


 とにかく早く【永遠に浄化】装置つくらないと。



 この空間の真ん中にあるデッカイ魔石のようなダンジョンコアは不思議な光を放っていた。

 その隣にキング魔石を複写して繫げ、長方形のかなり大きな展示台を建てる。


 その展示台に【常に本体から魔力を吸収し続ける魔法陣】を直接刻み、先ほどつくった丸い魔石を台座に置いて落ちないように固定した。

 一旦収納して複写しダンジョンコアの隣に再度設置。地震があっても倒れないよう地面に固定。

 そして、結界4(四角柱型)で【永遠に浄化】装置を地中まで囲う。

 念のため上下前後左右5mくらいの広さの結界を張って、誰も近づけないようにする。

 結界は<ダンジョンコアからの魔力吸収>と<ダンジョンコアとこの空間を浄化>のみ通す、と指定する。

 あと、<焼き付けてある魔法陣は結界外から見えない>も追加。

 そして私の地図に【永遠に浄化】装置の設置場所を登録して、何か異変があった時すぐわかるようにしておく。


「ここから離れて?」

「了解」


【永遠に浄化】装置を私の結界1から出すと、早速魔力の吸収が始まった。


「最初だかや、もっかい、浄化しゅる」

「大丈夫か?」

「うん」


 神力は38万くらい残っているから問題ない。

 慣れたのか、浄化対象の空間が狭いからか、先ほどより早く神力が高まった。



 浄化!



 パア!っと光が満ちてこの空間が浄化された。

 またしても分体だけが残っている。


「あ、あれ?あれれれれ?どうなっているんですかねえ?ああ!これは何ですか?!いやいやいや、本体が休眠しかけているじゃないですか!これじゃ私の力が出ないでしょう!」


 展示台が魔力を吸収、丸い多面体に充填され、1時間に1回浄化発動。

 全ての魔石に魔力が満たされればあとは少しずつ吸収だろうけれど、一番最初だけは相当魔力を削られるはず。

 ダンジョンコア(本体)が燃費節約の為か、森を維持するため最低限だけの活動に切り替えたみたい。


 キングの魔石百個分だもんな~。展示台もデッカイもんな~。



「本体、私に魔力を送ってくださいよ、ちょっと!」

「ぶんたい」

「大体何ですかこれ。デッカイの!」


 分体が【永遠に浄化】装置に突進するけれど、私の結界で入れない。


「ぶんたい!」

「はひぃ!」


 私の大きな声に飛び上がる。


「ちょと、ちて、しゅわって」

「え?」

「いいから、早くしてください」


 ミスティルがスタスタと結界1から出て、分体の頭を片手でグワシッと掴み、私の前(結界の外)にポイと捨てる。


「しゃっき、だえも、奥ちてくえない、言ったけどしゃ。むいよ」

「へ?」

「ちゅよい、冒険ちゃでも、SSS(シュニーエシュ)、ホネホネ、近ぢゅけない」

「え、でも、…え?」

「しゃい奥、来てほちい、しゅこし、難易度、しゃげゆ」

「そ、そうなんですか?」


 何故か心底驚いている。

 本当に大丈夫なの?ここのコア。強くなりすぎて加減がわからなくなっちゃったの?


「しょえかや、ひとちゅ。わたち、怒てゆ」

「は、はい?」

「ぶんたい、ミシュチユ、喰らおう、ちた」

「あ、あの、すみません…」

「今後、従ちゃ達、何かちよう、ゆゆしゃない」


 ビシッと本体を指す。


「もち、危害加えたや、本体、永久、結界囲うの、刑よ」


 鳳蝶丸に教えてもらった、結界張って何も通さないようにしたら、森を維持できなくなって死に絶えたことになる。

 本体に結界張る予定は今の所ないけれど一応釘を差しておく。それが効いたのか、分体が無言で怯えていた。


「わかた?」

「………」

「理解、ちた?」

「あ、あの、は、は、は、はい~!あの、絶っ対に手出ししません。逆らいません!」

「よろちい」


 私は満足して振り向いた。

 従者の二人は嬉しそうに笑っている。そして、


「無論、俺達のお嬢にも手を出すなよ」

「次は絶対に許しませんからね」

「はい、もちろんであります!出しません。絶対に手出しません。皆様には逆らいません!」


 そうしているうちに、分体の力が段々無くなってきた。足がフルフルと震え膝をつく。


「あ、あ、私も、だんだん、ちからが…」


 分体がポテリと倒れ込んだ。


「目、しゃめたら、難易度、検討、ちてね」

「は…い、そう…し…ま……………」



 カクリ



 とうとう分体も活動を停止した。



 鑑定、


 名称 ダンジョンコア

 説明 食用不可

    死の森のダンジョンコア

    雷系の魔法と傀儡操作を得意とする

    現在森の維持以外の活動は休止中

    活動再開までかかる日数は5日間

    但し、回復具合により予定が早まる可能性もあり



 数日のんびり出来そうかな。

 そう思った途端私も眠くなってきた。



 ふああぁぁ~。



「盛大なあくびですね」

「お嬢、お疲れさん」


 ミスティルが抱き上げてくれたのでその胸にグリグリと顔を埋める。


「お嬢、悪いが寝る前に大きな結界を外しておいてくれ」

「うにゅ…」


 何とか結界1だけ解除して、その後全くわからなくなった。


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― 新着の感想 ―
主人公の会話?言葉?が読めなさすぎてもう無理 普通の言葉使いで良いんじゃないの?
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