249. 私の家…観光地ホテルと化してる?
泊まる場所を確保しました。近くまで来たら連絡くださいと、アンゲリカさんのダガー君にお手紙を入れる。
さあ、ひと段落したのでお家の建設再開です!
お部屋はもう全部区切ってあるので家具類や魔道具の設置、空間操作他、色々と進めていきます。
今日からは班分けをしてそれぞれ行動します。
シャンデリア他照明、魔道具設置班、鳳蝶丸、氷華。
インテリアデザインおよび設置班、レーヴァ、ハルパ、ミルニル。
その他諸々班、ミスティル、私です。
今まで作った魔道具や家具、シャンデリアやアンティークランプ他は大量に複写して皆のマジックバッグに入れてあるので、班分けをしてそれぞれ設置してもらおうと思います。
このお屋敷の構造は、地下、1階、2階、3階、4階屋根裏です。
地下は厨房。
1階は大ホール、お客様の休憩室、従者控室。
2階はお客様が寝泊まりする部屋。
3階と屋根裏は私達のみ使用。
こんなに作っておいてナンですが、今のところ誰かに宿泊してもらう予定はありません。親しくなった人ならいいかな。
家具や魔道具の設置は皆と任せることにして、自分の担当作業を始めよう。
まずはミスティル前向き抱っこ(抱っこ紐)で厨房に行くよ。
大ホールの端の方を壁で仕切り、部屋を1つ作る。
ここに作業テーブルなどを置き、配膳の時に利用する予定。
この部屋には地下へと続く階段と、鳳蝶丸力作の魔石エレベーターを設置した。
そう、階段以外のあるモノというのはこのエレベーターのこと!
魔石エレベーターとは、各階を行き来する地球のエレベーターに似た乗り物。
エレベーター自体は全て透明な魔石で作られている。
私がカゴ部分に浮遊魔法をかけ、鳳蝶丸が指示通り上下するよう魔法陣を複雑に組み、魔石に直接焼き付けた。
地球との違いは引き上げるためのワイヤーが無いこと。
ちなみに結界3で囲い、魔石が傷付いたり割れたりしないようにしてあります。
大ホールと厨房のエレベーターは1階と地下の往復のみ。
動作確認も兼ねて乗りこみ、地下1階のボタンを押す。
「おおぉ」
「無事動きましたね」
扉部分が閉じると、音もなくスルリと地下へ向かう魔石エレベーター。
到着すると、静かに扉が開いた。
うん。問題なしっ。
でも「ドアが開きます。ご注意ください」とか「1階です」とかの音声があった方がいいかも。鳳蝶丸に相談してみよう。
厨房はまだ調理用魔道具が置かれていないけれど、照明のLEDシーリングライトは取り付けてある。壁に取り付けてあるリモコンを押すと、厨房がパアッと明るくなった。
ここでの作業は結界の付与し直しです。
すでに結界4(立体)で二酸化炭素は酸素に変換を設定しているので、更に音漏れ・ニオイ漏れ防止。熱・炎は外に出ないにした。
それから部屋の中が設定温度より高温になると自動冷却、火事になったら自動消火、私達がOKした者・物のみ通れるも付与したよ。
次は大ホール。ここは空間操作で天井部分を上に広くする。
どうするのかと言うと、吹き抜けみたいに天井を高くするの。
形は板付きのかまぼこみたいに丸みのあるアーチ型。部屋の真ん中に大きめ、左右に小さめのドーム状を作る。
白い柱、壁、天井、ドームに美しい彫刻を施し、大きいドーム内にはウル様(若)、ムゥ様、桃様像の彫刻も安置して………。
「でちたあ!」
「圧巻ですね」
モデルはとある国の白い教会。私憧れの建築物なのだ!
「うーん………」
「どうしました?」
「窓、あやない」
今取り付けてあるステンドグラスの窓が白いお部屋に合わないということに気がついた。
せっかく取り付けてあるので替えるのではなく、再構成でアイアン部分を白くし、アーチ部分のステンドグラスは透明硝子とすり硝子に変更した。
うん、こっちのほうが良いみたい。
ステンドグラスで作った模様はそのまま透明やすり硝子に変えたけれど、これはこれでとっても可愛らしい。凄く気に入ったので、無限収納に入っているステンドグラス窓を複写して透明硝子バージョンも作っちゃった♪
改めて大ホールを見渡す。
全体的に白で統一されてとても綺麗に仕上がりました!
天井近くの高い位置とドームにある窓部分は結界4(平面)を張り、プロジェクターでミールナイトの空を映す。
時刻は現在の時刻と設定した。
飛行でドームまで行き、魔石の照明器具を置いていくよ。
[彫塑・成形]で台座を3か所作り、それぞれに照明器具を置く。
台座ごと小さな結界1を張り、照明器具は結界から外に出ないと[隠匿]を付与。
[隠匿]で結界内の照明器具が下から見えないようにした。
それから大ホール内を照らすのはシャンデリアです。
まず部屋の上部に結界4(平面)を張る。
次に広めの間隔で結界4(平面)の仕切りを作る。
形は仕切り箱を下向きにした感じと言えばわかりやすいかな?小さなお菓子が入った仕切りのある箱をひっくり返した感じ。
そしてシャンデリアは結界から出ないを付与した。
ハルパデザイン、鳳蝶丸作成の豪華な魔石シャンデリア・大と中を複写しておく。
仕切りひとつひとつの空間にシャンデリアを浮かべる。
下から蓋をするように結界4(平面)を張り、シャンデリアは結界から出ないを付与。すると、シャンデリアがそれぞれ仕切りの中でフワフワと移動を始めた。
シャンデリアは全て結界3で覆っているので結界にぶつかっても割れることはないし、もし装飾品が外れたとしても下に落ちてくることもない。
もちろん間仕切り結界にもシャンデリアは結界から出ないを付与してあるので、安全対策バッチリなシャンデリアが設置できました!
「面白いですねえ」
「うん、おもちよい」
去年の立冬祭でランタンを結界内に浮かべたのを思い出したの。
結界は透明で見えないので、決まった空間をゆっっっくり漂う不思議なシャンデリアになったと思う。
大ホールではなく、配膳用の部屋に照明のスイッチを設置したのでそこに向かい、ミスティルにスイッチを入れてもらう。
「わああ、ちえい!」
「ええ、本当に美しいですね」
シャンデリアはゆっくり漂いながらキラキラと辺りを照らし、ドームの照明は白く優しく彫像を照らしている。
「これを見たら皆喜びますよ」
「ほんと?嬉ちい」
「ええ、もちろん。今度この広い空間で食事をしましょうね」
「あいあいっ」
かなり満足な仕上がりになりました!
さて。大ホールはこのくらいにして、次の作業に移ります。
大ホールを出ると左右に廊下がある。エントランスホールに向かって左手、大ホールの向かい側は大小いくつかの休憩室。
それぞれの部屋にトイレ完備だけれど、念の為一番奥の小部屋を複数人使用できるトイレにした。
大ホールで食事をすると行きたくなるもんね?
そして全ての部屋に結界4(立体)を張り、温度・湿度他を快適設定にしておいた。
エントランスホールに向かって右手、一番手前の部屋にはエレベーターホール用の部屋。
廊下からはエレベーターが見えないようにした。
この部屋には1階と2階を行き来する魔石エレベーターを設置。
足の悪い人でも2階のゲストルームに行けるようにね。
ちなみに3階へのボタンもあるけれど、私と家族達の魔力を流さないと押せない仕組みにしてある。しかも2階天井の高さに結界4(平面)が張ってあり、私と家族達、そして許可ある者と物しか通れない、3階は見えないにしてあるよ。
結界は白い大理石と同じ色にしてあるので、お客様には天井にしか見えない仕様。
まあ、誰も3階のボタンは押せないんだけれど、念のためにね。
エレベーターホール部屋の右手にはもう1部屋。
ここはサロン(もちろんトイレ付)にする予定で、大きめのステンドグラス窓と強化硝子の扉を取り付けた。
この辺りには桜を沢山植えたので、花の景色を楽しみながらお茶が飲めるようにと思って。
扉から出た外は丸いテラス。屋根もつけて雨の日でも外を眺められるようにする。
桜が咲いたらここで桜餅を食べるんだ!
「チヤチヤ、ちえーい!」
「ええ。キラキラしてとても綺麗ですね?フフッ」
2階まで吹き抜けのエントランスホールには、天井に美しいシャンデリアが取り付けてあった。
こちらはハルパデザイン、私照明付与・複写、鳳蝶丸魔法陣焼き付け・魔道具化した、3人のコラボーレーション作品です。
2階に続く階段踊り場には小ぶりのシャンデリア。
こちらはレーヴァデザイン、私付与・複写、鳳蝶丸魔法陣焼き付け・魔道具化のコラボーレーションです。
屋敷のシャンデリアやランプは全て落ちないように結界を張るので、あちらこちら回りながら作業を進める。数が多いけれど、怪我人を出してはいけないからね。
2階はエレベーターホールと客室、大風呂、それからアノお部屋を作ります。
エレベーターホール前は広く空け、エレベータを降りると広く大きな硝子の扉とバルコニー。
バルコニーからは美しいお庭を眺めることができるよ。
次は客室。
一度に沢山泊まることは無いだろうから、真ん中の階段を隔てて片側4部屋のみ。
お風呂、洗面所、脱衣所、トイレ付き。
更に従者の控室にも小ぶりのお風呂やトイレ他を設置した。
何で人を招く予定もないのに宿泊室を作ったかって?
単なる趣味だよ!
地球にいた時、色んな建築物(古城や洋館、日本のお城など)を見て回るのが好きだったので、色々と作りたくなっちゃうのだ。
エヘッ♪
そして階段を隔てたもう片側は、小ホール3部屋とお風呂2種。
まずはお風呂。基本の作りはテントと同じです。
それぞれの部屋を空間魔法で広くし、脱衣所や洗面所、トイレを設置する。
ただしこちらは外風呂無しの内風呂のみです。
作ったのは和風風呂・テントの内風呂のみバージョンと、ローマ風呂(日本製)・サウナ付き。
ローマ風呂は、イケメン彫刻(腰から下は布巻いてるよ)の台座からお湯が出ている感じにした。
本当はライオンの口から出るやつにしたかったけれど、鳳蝶丸達があまり見慣れないと言ったので止めました。
そして向かい側の小ホール3部屋。
1つ目は多目的に使用する予定で空いたままに。
2つ目は休憩所とアミューズメントルームにします!
入り口の扉は取り付けず、中が見えるようにする。
入って直ぐは休憩所。風呂上がり自由に飲み物を飲めるお部屋です。
休憩所にはドリンクサーバーや氷用の冷凍庫(魔道具化済)を設置する予定。
業務用の加熱プレートにお湯、コーヒーも用意するよ。
ティーバッグも数種類置くから、お湯を利用してね。
ちなみに飲み物は全て無料。アルコールは無しです。
悪意ある者は入れないにしてあるから問題無いと思うけれど、毒対策はした方が良いとのことなので入り口に結界を張り、毒および薬類は持ち込めないにした。
お薬やポーションが必要な人は、自分のお部屋で飲んでね?
アミューズメントルームは休憩室から入ることが出来る。こちらも扉のない入り口をつくり、そこから入れるようにした。
中に結界を張って音漏れ防止を付与してあるので、どんなに騒いでも休憩室や他の部屋には聞こえないようにしてあるよ。
奥の方にはキッズコーナー。
ボールプールの中には緩やかな滑り台と小さなブランコ、低いジャングルジムやトンネル。
子供が馬や馬車に乗って親がコインを投入すると動く、コイン式電動遊具の改造版も設置予定。お金を取るつもりはないので、コインではなくボタンを押すと動くようにしてあるよ。
他は大人用。
卓球、エアホッケー(魔道具化済)。
ダーツは針を使わない方が良いだろうと言われたので、的に当てるのは柔らかいボールに変更。
鳳蝶丸が当たった箇所が光るよう魔改造、電子掲示板に点数が表示されるようにしてくれた。競う場合は2レーン必要だと思うので、6レーン設置するよ。
その他にもクレーンゲーム数台(可愛いぬいぐるみ・駄菓子等)設置する。
これら全て無料です。
ただ自分のコインを使わなければいけないゲームが1台だけある。
それはメダル(コイン)ゲーム。
メダルゲームとは、台に各種コイン(鉄貨から金貨まで)がばら撒かれていて、それを押し出し穴に落として獲得するゲームのこと。
落下場所を調整しながら自分のコインを投入し、ちょうど良い場所に落ちると手前側にあるコインが押し出されて穴に落ちる仕組みです。
台の強化硝子部分には、色々防止結界付き。
だから硝子を割ったり、魔法で取ったりすることは出来ません。
鉄貨(十エン)と銅貨(百エン)が多めで、銀貨(千エン)と大銀貨(1万エン)もそこそこ。目玉は金貨(十万エン)。ちょっと落ちにくいところに数枚入れてある。
これなら最初だけ硬貨を入れておけば、補充しなくても何とかなるだろうと思っているんだ。
時々大銀貨とか金貨を入れる必要があるだろうけれど……。
念の為こちらには、18歳未満使用禁止、と書いたよ。
遊ぶ時はほどほどにしてね?
本作をお読みくださり、評価、ブックマーク、いいね、感想をくださりありがとうございます。
執筆意欲が湧いてきます。とても嬉しいです♪
誤字報告もいつもありがとうございます。大変助かります。




