表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
巡れ!半神と仲間たち 半神幼女が旅行とごはんとクラフトしながら異世界を満喫するよ! ~天罰を添えて~  作者: あいのの.


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

230/286

230. 美味しいお肉と初級・中級・上級的な魔獣

「そういえば、スノウドロップも狩ってきましたよ」

「鉱石の体を持つ魔獣の一種。体が砕けるとこうなるよ」


 ミルニルが袋を傾けて、テーブルにサララララ…と白い物を出す。


「わあっ、ちえい!たわいい♪」


 それは白い半透明の雪の結晶型鉱石だった。

 まるで氷になりかけた雪みたい。

 大きさも大小様々で、アクセサリーに使えそうな可愛らしさ!



 早速鑑定をしてみる。

 ええと…。マイナス80℃くらいの鉱石だって。


「ドヤイ、アイシュ?」

「ドライアイス、ですか?」

「あい」


 キッチンにあるボウルに水を入れてもらい、結界1を小さく張る。

 結界は外から鉱石だけ通すにする。

 中からは何も通さないにしておいて、何が起きても被害が及ばないようにしておいた。


 ミスティルに結界3を張り、ボウルに結晶を落としてもらう。


「あっ、けむい」


 煙が出た!

 真っ白な煙がボウルから溢れ出し、結界の中にどんどん溜まっていく。


「やぱーり、ドヤイ、アイシュ!」


 もう一度鑑定してみる。

 煙は大気が氷の粒になったもので、体への影響は無し。

 ちなみにスノウドロップ自体は二酸化炭素の固まりじゃないので、こちらも体への影響は無し。


 換気しなくても二酸化炭素中毒にはならないね!



「あにあと!」


 何に使えるかわからないけれど、可愛いし綺麗だから嬉しい。



 ところで、これを拾い集めたの大変だったんじゃない?と聞いたら、ミスティルとミルニルが討伐した直後、鳳蝶丸が水の球を作って閉じ込め、一箇所に集めてから拾ったらしい。


 そっかあ…ひろっ…、ハッ!

 素手で拾ったの?!凍傷になってない?大丈夫?


 私がアワアワしたら、皆が大丈夫だと笑う。


「主が今みたいに結界を張ってくれたので、直に触れたわけではありませんよ」


 あ、そうだった。

 結界3を張ったんだった。


「よたったあ」

「心配してくれてありがと、主さん」


 いくら怪我しない体だって言っても、痛みや冷たさなどは感じるんだから心配しちゃうよ。

 だって私の大事な家族だもん。



 ちなみに、スノウドロップは鉱石なのでドライアイスみたいに溶けて気体に戻ることはないらしい。


 スノウドロップは魔獣の一種で、討伐されると約マイナス80℃の鉱石になる。

 その他には魔力を集める金剛鉱石、石の中央が暖かくなるポカポカ石、熱伝導率が高いモーネ銅。


 この世界は不思議な鉱石がいっぱいあるね?


 あ、思いついた!

 病原菌、ウィルスを浄化する清浄石なんてどう?

 ウル様に、開発中の清浄ダンジョンにどうですか?とお手紙を書こう。

 ミスティルの代筆で!




 お手紙といえば…。

 久しぶりに【虹の翼】のお姉さん達と、シュレおじいちゃんにお手紙を書こう。


 リビングで皆と寛ぎながら、大きな画用紙とクレヨンを取り出す。


「ゆちとお、しゃんたしゃんとお…」


 画用紙2枚に雪とソリに乗って雪原を滑る私の絵を描く。


 1枚目はお姉さん達へ。

 ソリに乗ったよ!とヘロヘロ文字を書く。


 2枚目はシュレおじいちゃんに、ブドウの収穫を手伝ったよ!と書いた。



 シュレおじいちゃんの共有に入れようとフォルダを開いたら、すでにお手紙が入っていた。


 なになに……。

 ウルトラウス教会関係者と私達の土地について話し合おうとしたところ、すでにミールナイトの教会関係者が神気に気付いていて、王都の本部に問い合わせが来ていたと報告があったらしい。

 教皇猊下にミールナイトの報告書をまとめ提出しようとしていたところに御自らお話があり、とても驚いたと言われたんだって。



 ん~。ですよねえ?



 一部の関係者が先走り土地を押さえようと動いたけれど、すでに広範囲購入されていると嘆いていたよ。と書いてあった。



 良かったあ!

 物凄い大金だったけれど、建築予定地の周りを囲っておいて良かったあ!

 鳳蝶丸、そして皆。良いアイデアをありがとう。

 あとでお酒のあてにピリ辛もろきゅうを献上いたしまする。



 ん?シュレおじいちゃんのお手紙に続きがある。



 土地のご購入おめでとうございます。お会いした時にお祝いをしとうございます。



 私が、買い占めたことがバレてる。

 いや、普通にわかるよね。



 国王と私から、関係者にあまり騒ぎ立ててはいけないと伝えました。

 それから以前より土地を所有している商会と、ゆき様所有の土地以外の周辺区域を国が購入、管理することになりました。

 正体のわからぬ者が近隣の土地を購入することはありませんので、どうぞご安心ください。



 おお、国王が動いてくれたのね。それなら今までよりは安心かな?……たぶん。



 追伸。

 国王公認で、近くにウルトラウス教会を建設することになりました。

 騒がしくしないから、おじいちゃんを許してね!



 わあっ!

 追伸で爆弾投下した!


 …おじいちゃん、やりおるのう。



 やっぱり広範囲の土地買っておいて良かった。

 本当に、本当に良かった!

 ピリ辛もろきゅうの他に、えのきのチーズ焼きも追加するね!






「仕込みがある程度終わって落ち着いてきた。もてなしもせず、すまんな」

「だいじょぶう」


 こちらこそ、忙しい時期にお邪魔しちゃってごめんなさい。


「ドゥユーエユ、しゃん。わたち、かじょく、かいちた、お肉あゆ。村のみにゃ、わてゆ、ちたい。どしゅゆ?」



 私の家族達が狩りをしたの。

 お肉が沢山あるので村の皆に分けたいんだ。どうしたらいいかな?



「えっ!だが、皆が狩ったモンだろう?冒険者ギルドとかに売ればいいんじゃないか?」

「わたち、ほちいの、もやった。むや、みなしゃん、わてて」

「欲しいものはもう貰ったので、他は皆さんで分けてください、と言うことですよ。主殿の気持ちなので受け取ってください」

「お、おう。じゃあ、遠慮なく。その前に親父たちに話してくる」



 ドゥルーエルさんが家に戻ってしばらくすると、ドゥルーエルさんと一緒にケアルメお父さんがやってくる。


「息子に聞いたが、肉を分けていいのか?」

「あい」

「息子を助けてもらい、まだもてなしも出来ていないのに肉を分けてもらい、何から何まで本当に申し訳ない」

「だいじょぶ。うやにわ、おえいよ」

「裏庭を貸してもらったお礼だそうです」

「いやいや、そんな。それ以上のことをしていただいているよ。だが、肉を分けてもらえるのはありがたい。最近は狩りに行けてなかったしな」

「だいじょぶ。お肉、あでゆ。やしゃい、うゆ、いゆ?」

「肉は差し上げます。あと販売になりますが、野菜は必要ですか?」

「ありがとう。ぜひ売って欲しい。ここいらの村は自分達で食う野菜を細々と育ててはいるが、主流が果樹なんで足りていないんだ」


 我が家族のストレス発散と都合(間引き推奨地域)で手に入れたものなので、お肉のお代は入りません。

 野菜は他の地域でも販売にしているので、この村でも同じように扱います。


 ドゥルーエルさん一家だけに野菜セットをプレゼントしたいと告げると、他の村人との兼ね合いもあるのでどうか購入させて欲しいと言われる。

 話し合いの結果、野菜セットに関しては購入してもらうことになり、その後ケアルメお父さんが肉の分配と野菜の販売の話を村長さん宅へ伝えに行った。

 皆で日取りを決め、会場は村営の魔獣解体場(分配する集会所も兼ねる)に決定。


 久しぶりの肉分配情報は、あっと言う間に村中に知れ渡った。






「俺の家と【雪原の青】、それからこの村出身の冒険者達が手伝うと言っているが、解体の数はどれくらいだ」


 販売当日の早朝。

 ドゥルーエルさんと解体場に向かう。


「これからポツポツと人が集まってくるから、数は熟せると思うぜ」

「ううん。たいたい、終わてる」

「解体の必要は無く、すでに終わっています」

「えっ!はあ、流石嬢ちゃん達だな」


 ただ、分配はどうしたらいいのか分からないので、切り分けをして欲しい。

 それから野菜の販売を手伝ってくれるとありがたいと伝えた。


「わかった。皆が集まったら肉分配班と野菜班に分かれよう」


 ついでに、寒いからスープを配りたいなとお願いして、肉分配班、野菜班、スープ班の3班に分かれることになった。



「こちらが肉のリストです」


 ミスティルが書いたお肉のリストをドゥルーエルさんに渡す。


「こっこんなに配っていいのか?って、B級とA級が混ざっているぞ!はあ?!SS級?!」


 ソールヴスティエルネ連合王国周辺には、D~SS級の魔獣が存在する。

 特にソールヴスティエルネ連合王国周辺は土地にも雪にも魔素が豊富なので強い魔獣が多く、人里に現れないだけでS、SS級が沢山いるらしい。


 通常、S~SS級は魔素の多い山や森奥深くにいて、魔力の多いB、A、S、SS級を捕食してしているので、極稀にしか人里に現れない。

 人の子にとってSSなど厄災級だと鳳蝶丸が言っていた。


 そしてこの辺りの魔獣は大きく分けて3種。

 雪〇〇は普通種、雪大〇〇は上位種、大白雪〇〇は最上位種となる。

 例として、

 雪兎(ゆきうさぎ) D級、雪大兎(ゆきおおうさぎ) B級、大白雪兎(おおしろゆきうさぎ) A級。

 雪鹿(ゆきしか) B級、雪大鹿(ゆきおおしか) A級、大白雪鹿(おおしろゆきしか) S級。

 等々……。


 今回は間引きの必要がなかったので狩ってはいないけれど、実は雪竜とかもいるんだって。見てみたいかも!

 どこかのダンジョンにいないかなあ、竜。

 ダンジョンだったら絶滅気にしなくていいもんね?


 何て思っちゃう私は物騒な幼児です。ごめんなさい。



 とにかく、D級からSS級まで各種類の中から1つずつ、鑑定ちゃんが「最高に美味しいよ!」と教えてくれたものを自分用にとってあるので、他は配ってもらって問題ないです。


「たくしゃん、あゆ。みんにゃ、食べゆ」

「沢山あるから欲しい人には配ってほしいそうだ。それから狩り尽くして絶滅はさせてないから安心してくれ」

「そういう問題では……」


 そうそう。雪豹のお肉もあるよ。

 あまり美味しくないそうだけれど、鑑定ちゃんが食用可って。

 これも配っていい?


「…………有難く」


 この肉が美味くないって……。

 って言うか、基準そこなのか?SS級だぞ?俺がおかしいのか?


 ドゥルーエルさんが何故かブツブツ呟いていた。



 皆で話し合った結果、良いお肉は小さめにカットするという方向で話がまとまった。小さめと言っても、家族で十分食べられる量だけれどね。


 話している間も少しずつ人が集まってくる。


「久しぶり!カレーパンありがとな」

「コトカ。もらってない人もいるんだから大声で言わない。ゆきさんこの間はありがとうございました」

「ヤッホー!久しぶりっ」

「この間はありがとうございました」

「美味かった」


 コトカさん、メツァさん、スルカさん、イルマさん、ユスタヴァさんも元気そうで何よりです。


 【雪原の青】も勢揃いしたので、早速お肉を切り分けるよ。



「うをっ!なんじゃこりゃあ!」


 お手伝いの冒険者さんがめちゃくちゃ驚いている。


「こんな綺麗な解体肉、初めて見た」

「どうなってるんだ?」


 食べられる魔獣は事前に解体しておきました。

 私の半人スキルなので、血肉骨内臓皮魔石、全部綺麗に分けられるんだ。

 念の為、人体に悪影響な雑菌とか寄生虫は、清浄で排除済です。


 解体する気満々だった皆さんはもう済んでいることに拍子抜けしたみたいだけれど、手間が省けたと喜んでいた。



「とにかく適当な大きさに切り分けよう」

「鳳蝶まゆ、ハユパ、おねだい、ちまちゅ」

「了解」

「承知しました」


 お肉の切り分けは鳳蝶丸とハルパにお願いします。

 切り分けたら傷まないよう行商用バッグに保管しておいてください。

 


「ドゥユーエユ、しゃん。わたち、ひちゅようない、ホネホネ、てだわ、いゆ?」

「骨や毛皮はいりますか?主は必要ないようです」


 本日はミスティル抱っこ&通訳です。


「何度も言うが、ギルドに持ち込めば金になるぞ」

「わたし達にはあまり必要ないので」

「そ、そうか。では皮や牙、爪などあれば譲って欲しい」

「あい、わたた」


 作業台はお肉でいっぱいなので端っこに会議テーブルを出し、私には必要ない物を並べる。


「こう見ると意外にあるな」

「いぱーい」

「これ。どう解体したの?見たことないんですケド」

「解体は得意な方だが、流石にこれは出来ないな」

「ひみちゅう」


 切れ目の全く無い毛皮を見て、スルカさんとユスタヴァさんが驚いていた。



 秘密です。エヘヘ!



「じぇんぶ、いなない。おたね、いなない」

「全部いらないそうです。引き取っていただけます?」

「物凄くありがたいが、いいのか?」

「あい」


 ドゥルーエルさんは遠慮気味だけれど、私としては必要ない物を少しでも減らしたい。だってまた高速育成肥料が増えちゃうもん。


 では遠慮なくとドゥルーエルさん達が引き取ってくれた。

 村長さん達と相談しながら少しずつ現金化し、村の維持費にするそうです。



 うんうん。

 ぜひお役立てくださいね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ