21. テントつくるよ! 完成ってことで!
とうとう完成です!
この後はテント作り。
電灯系は終了したので、あとは家電(魔道具)設置と水回り。
鳳蝶丸作の大型冷蔵庫やオーブンレンジ、オーブントースター、三口コンロなどをレトロ風に再構成して、カウンターキッチンに設置したり、それぞれの部屋に小型冷蔵庫を置いたりは終了。
追加で、カウンターキッチンの下にある大型のオーブンレンジと食洗器の魔道具化をお願いした。
食洗器は私がまとめて浄化すればいいんだけれど、不在時でも使えるようにしたい。
魔石に清浄を付与したので食洗器に設置してもらい、ボタンを押すと食器等が綺麗になるよう魔道具化してもらうことにした。
ついでに、お洒落なお店で見た中型のワインセラーや酒屋さんで見た日本酒専用の冷蔵庫を再構築し魔道具化をお願いする。
「おう、酒の為の冷蔵棚か。そうか、うん。頑張るぜ」
鳳蝶丸のやる気がUPした!チャラララ~ン♪
こちらは任せておけば大丈夫だろう。
私は水回り。
タッチレス水栓を再構築し、鳳蝶丸に手を一回かざすと水が出て、もう一度かざすと水が止まる魔法陣を付与してもらった。
ちなみに、タッチレス水栓の横に切り替えレバーを取り付けて、水とお湯両方使えるようにしてある。
レバーの位置で温度が変わるようにして、お好みの温度に調整出来るようにした。
こちらももちろん鳳蝶丸に魔法陣を付与してもらったよ。
魔石に私愛飲のミネラルウオーターを出す魔法を付与、重ねて魔力補充時清浄発動の魔法を付与。
蛇口の根元に魔石、【魔石を繫げる魔法陣】プレートをセットし蓋をした。
これを複写、再構成で大中小サイズを作成してキッチンや洗面所に設置。
蛇口自体が独立しているので設置は簡単だった。
お風呂の洗い場にはタッチレス水栓の他にシャワーヘッドも設置。
細かい泡が毛穴の汚れまで落とすものを再構築した。つくりはタッチレス水栓と一緒で魔石と魔法陣付きの独立型。
シャワーヘッドの頭にセンサーを付けて手をかざすとお湯が出て、もう一度かざすと止まる仕組み。
シャワーの付け根にハンドルをつけ、それを回して温度調節をするように仕上げた。
次は排水。
再構成で深さ20cmくらいの排水溝になる容器と蓋を取り付ける。
2cmくらいのところに平面の結界4を張り、ゴミと認識されるものと液体のみ通り抜け許可とする。
これは大事なものが流れた場合の対策。
10cmくらいに同じく平面の結界4を張り、通り抜けと同時に清浄し全て酸素に変換。
15cmに変換された酸素をテント外に出す魔法陣を張り、一番底に魔力補充時清浄発動を付与した魔石と【魔石を繫げる魔法陣】プレートをセットした。
これを複写、再構成で大中小サイズを作成してキッチンや洗面所に設置。
風呂場には排水溝を複数設置した。
あとは…でっかいクイーン魔石に旅行で入った温泉の効能と同じ湯が湧く魔法を付与、重ねて魔力補充時清浄発動の魔法を付与。
これを三種類四個作った。
女湯の室内風呂は単純温泉、岩風呂は硫黄泉(乳白色のにごり湯)。
男湯の室内風呂は単純温泉、オーシャンビュー風呂は炭酸水素塩泉。
作った魔石と【魔石を繫げる魔法陣】プレートを湯口に設置する。
ちなみに炭酸水素塩泉の湯口は浴槽内に取り付けた。
ではでは、魔石発動!
女湯から順番に私の魔力を込めると、サーッと湯が沸きだす。
成功だ~!
チャプチャプ手を浸す。気持ちよい~。
岩風呂は微かに硫黄の臭いがするけれど気になるほどではない。
ちなみに魔石に付与する時、温泉の毒素のみ含まないようにしたので問題なしだよ!
しばらくして浴槽からお湯があふれ始めたので、複数ある排水溝の機能をチェック。
問題なく作動しているみたい。
良し、あと一息!
大事な大事なトイレを作らなきゃ。
すでに、私の知る限り最新のタンクレストイレを再構築して鳳蝶丸に魔道具化してもらってある。
まず、リモコンもウォシュレット便座も電気の代わりに魔石で動作するようにしてある。
ウォシュレットの水は水道に繋げず穴をふさぎ、貯水タンクに水(タンクを満たしたら停止)と清浄を付与した魔石と【魔石を繫げる魔法陣】プレートを設置した。
トイレはタンクレス。
水道に繋ぐ穴をふさぎ、ウォシュレットと同じ給水タンクに魔石とプレートを設置した。水を流すにはリモコンを使う。
[封水]の先にある[せき]に通り抜けと同時に全て清浄で全て酸素に変換の平面結界4を張る。
[せき]の少し先に念のためもう一回、通り抜けと同時に全て清浄で全て酸素に変換の平面結界4。
[排水路]の途中に変換された酸素をテント外に出す魔法陣を張り、排水管は使わないので底の部分を全て塞ぎ、そこに魔力補充時清浄発動を付与した魔石と【魔石を繫げる魔法陣】プレートをセットした。
トイレの蓋内側に、【魔石を繫げる魔法陣】プレートを貼り付け、その上から薄く平たくして蓋内側と同じ形にした魔石を貼り付ける。
魔石には蓋をすると同時に清浄を付与した。
これでいつも清潔なトイレ出来上がりだよ!
一旦収納、複写して、自室(和モダン部屋)のトイレに設置。
リモコンと便器は撫子色にした。
ではでは……。
******乙女の秘密******
うん、問題ない!やった!
じゃあ今まではどうしていたのかって?秘密だよ。
全部のトイレ室に複写した便器とリモコンを設置し終わった。
あとちょっと!
脱衣所の洗面台にはスキンケアやヘアケアアイテムが充実。
お風呂に入る前にお化粧が落とせるよう肌に優しいクレンジングジェルと泡タイプの洗顔フォーム。
ヘアバンドやヘアクリップも置いてみる。
お風呂の後は紫外線で荒れた肌もケアして、透明感とハリを与える化粧水。みずみずしく、しっとりと保湿、美白成分もある美容液やボディクリーム。
ベタつかずツヤが出るヘアオイル。
綿棒、コットン、シートマスク。ティッシュペーパー。鳳蝶丸作のドライヤー。
女性用の洗い場にシャンプーとトリートメントを置く。
さっぱりと洗い上げるアミノ酸配合のシャンプーと、髪と頭皮に栄養を与えダメージを補修してうねりまで抑えてくれるトリートメント、キューティクルの痛みを防いでパサつきにくくしてくれるコンディショナー。
きめ細かく濃厚な泡でしっとり優しく洗い上げてくれるボディソープ。
洗面台にもあるけれど、こちらにもクレンジングジェルと洗顔フォーム。
男性用はあまり詳しくないからドラッグストアで見かけたものを作る。
オイリーな肌を取り除きサッパリさせる洗顔フォーム、薬用でスカルプ系のシャンプーとコンディショナー。
皮脂汚れをしっかり落とし、程よく潤いを与えてくれるボディソープ。
カミソリの滑りが良く肌をしっかり守ってくれるシェービングフォーム、怪我せず髭を綺麗に剃れるT字カミソリ。
ベタつきを抑えしっとりさせる化粧水。潤いを閉じ込める乳液。
紫外線などから髪を守り、頭皮に潤いを与えるベタつかないヘアオイル。
綿棒、ティッシュペーパー。鳳蝶丸作のドライヤー。
こんなもんで良いの?合ってる?
後は、すぐ使えそうなキッチン用品や和食器や洋食器などなど。あと足りないものは都度作ればいいかな。
って、ところでとりあえず、仮完成ーーー!
あとは最後の仕上げをするだけ。
その他まだ足りないものなどあるけれど移動しながら作ればいいし、鳳蝶丸にお願いした魔道具も急いでいるものではない。マジックバッグ渡したから収納できるし問題ない、と思う。
浮遊のまま鳳蝶丸を探す。
テント内の鳳蝶丸部屋に気配を感じたので行ってみると、テーブルと椅子を端に寄せてランタンの灯りで魔道具を作っていた。何かめっちゃ散らかっていた。
「鳳蝶まゆ…」
「おう、お嬢。日本酒用冷蔵棚出来上がって、今ワイン用の作っているところだ」
あ、やっぱそこから行きますか。思わず笑ってしまう。
「しぇまいね。こっち、お部屋増やす」
「拡張してくれるか?ありがたい」
約束していたもんね。
空間操作で十畳くらいの部屋をもう一つ増やして扉を付けた。
この部屋に結界4を四角く張る。入ったと同時に清浄。塵、砂、埃等は絶対入らないようにした。
出入りは私と従者のみ許可。結界内のものは鳳蝶丸が良いと思った品物以外は外に出せないようにした。
「こえでいい?」
「上等だ。ありがとな」
「棚、ちゅくゆ?」
「マジックバッグがあるから必要ない」
「しょうだった」
鳳蝶丸の作り終えた日本酒用冷蔵庫は収納した。
「鳳蝶まゆ、ちょと来て」
「了解」
二人ですぐ横の私の部屋に入る。
ヴィクトリアン調のリビングに丸玉用のちょっとアンティークな台座を作り、そこにまんまるに加工したキングの巨大魔石をドォーーーンと置いた。
「こえ、【ましぇき、ちゅなげゆ、魔法陣】、ちゅなげゆ」
「お、そうだった。了解」
【魔石を繫げる魔法陣】と私の部屋のキング魔石を繫げる、と言うのが最後の仕上げ。
私、もしくは従者がキング魔石に魔力を込めると、それに繋がっている魔石全てに充填できる仕組みなのだ。
大容量充電器に色々な電気機器が繋がっていて電気を充電させるようなイメージ。
すぐに鳳蝶丸が魔法陣で繫げてくれたので、私が大量の魔力を注ぎ込んだ。初めてだからかなりの力が必要だけど、有り余る私の魔力は約800,000。余裕、余裕。
しばらくすると満タンになった気配があったので注ぐのを止めた。
手元のランタンを消して、電灯のリモコンスイッチオン!
パッと明るくなってほっとした。
他の機能もモロモロ使えるようになったでしょう。
「でちた!」
「ああ、完成だな」
最後にリビングから死角の小部屋に行き、鳳蝶丸作日本酒用冷蔵庫を設置。
「空いてゆトコ、ワイン」
「いいな。心躍るぜ」
「じぇんぶ、終わた、お祝い、宴、ちよう」
「ああ、楽しみだ」
こうして大体の準備を終えた私達。
お祝いの宴をしたらいよいよこの島とサヨナラだね、なんて話し合うのだった。