調停第二回目
この時はDNA鑑定のみ。
陳述と同じく、双方が顔を合わせる事はない。
調停は、双方別室で待つ。
最初に申し立て人が呼ばれ、調停員と話す。
終われば控え室に戻り、次に相手方が呼ばれる。調停員がわざわざ部屋まで呼びに来て送る。
それを2〜3回繰り返す。
この日は会議室みたいな所で鑑定が行われ、私達も立ち会える事になった。
いかにもマニアックな鑑定員の説明。
調停員もいつもは二人だけど、この時は五人も同席していた。
長々とした説明が終わり鑑定はまず娘から。
何故かポラロイド写真を撮る。
そして綿棒三本に、口の中のホッペの内側の粘膜採取。
次はやっと一ヵ月を生きたばかりの孫。
ポラロイド撮影後、粘膜採取。
こする!コスル!擦る!生後二ヵ月目に入った赤ちゃんの腔中をひたすらマニアックに擦る!
二本目の採取で泣き、三本目の綿棒は血で真っ赤だった。
私は鑑定員に殴り掛かりそうになる気持ちを抑えた。鑑定結果は三週間程で家庭裁判所に届き、家庭裁判所から自宅に郵送されるとの事だった。
費用は折半。
向こうの申し出にもかかわらず折半!
娘は相手の子だと確信があるのに折半。
娘の心からまた金属音が聞こえてきた。