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2. 鳩ぽっぽ

「ご注文は」


バーテンダーが尋ねる。啓一は答えた。


「みそスープ」


バーテンダーは怪訝そうな顔をして言った。


「うちには、みそスープはありません」


「みそスープ」


「うちはナイトクラブです。定食屋じゃないんですよ」


「みそスープ」


「1+1は?」


「みそスープ」


バーテンダーは啓一の綺麗な顔をじっと睨みながら、しばらく沈黙した。すると無言のままバーカウンターの奥に入り、数刻して、コーンポタージュの缶を手に、再び啓一の前に現れた。


啓一はコーンポタージュの缶を受け取ると、綺麗な指先で缶を開け、バーカウンターの前から立ち去っていった。


☆☆☆


続きます。通勤する限り。



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