過甘
甘すぎるんだ、何もかも。
恋愛という言葉には、必ず甘い展開がついてくる。
甘すぎて胸が焼けそうな世界に、人は浸り続けなければならない。恋愛に興味なんて示さなかった人間が、気づけば誰かに心を寄せるようになっていた。
恋愛は甘すぎる。甘すぎるものは、長く味わうことが難しい。恋愛で始まった仲も、繋がり自体は変わらないが確実に何かが変わってゆき、恋とは違う仲で結ばれるようになっていく。
それを味に例えるのなら、きっと長く味わい続けられる味。
「家族の味」とも言うべきだろうか。
甘さの好みは人によって違う。見ただけで胸焼けしそうなスイーツを、ペロリと食べる人もいるだろう?
恋愛はきっと、甘すぎるくらいが丁度いい。ただ俺としては甘すぎるんだ、何もかも。
恋じゃない仲には、程よい甘さが丁度いい。きっと。