第七話【孤独】
(大人は皆、裏切るもの・・・・・・。)
誰も信じられなくなっていた。
職員さんは、優しくしてくれていたが、信じたら
また裏切るんじゃないかと怖くて
大人を疑うことしか出来なくなっていた。
そんな自分も嫌で、本当に苦しかった・・・。
(こんな場所、早く出ていきたい・・・)
そんなことばかり考えていた。
ずっと孤独で辛くて仕方なかった。
そんな施設の生活の中で唯一、楽しみだったことがある。
それは二週間に一回の面会の日。
「絶対に僕たちが君を守るから」
そう言ってくれたあの警官、岡田さんが休みの日になると面会に来てくれるのだ。
誰も信じられない私が唯一、心を開ける人物だ。
ある面会の日、岡田さんは私に提案してくれた。
「ここが辛いなら、バイトしてお金を貯めたら?」
岡田さんは、お金を貯めて一人暮らしをしたら
この施設から出られることを教えてくれた。
さっそく私は、職員さんに相談した。
職員さんは寂しそうに微笑んで、承諾してくれた。
それから私はバイトを始めた。
施設にずっと居なくて済んだからか、とても楽しかった。
十八歳になる頃には、お金も貯まって
施設を出ることが出来た。
家は、岡田さんが保証人になってくれて無事に借りることが出来た。