第三話【転機】
私は彼にすべてを話した。
この恋の終わりを感じながら・・・
しかし、彼から返ってきた言葉は意外なものだった。
「そんなのおかしいよ!ずっと辛かったね・・・君は悪くないよ!」
今までずっと自分が悪いと思っていた。
初めて自分自身を誰かに認められたみたいで凄く嬉しかった。
それからというもの、彼は今まで以上に気にかけてれるようになった。
初めて失いたくないと思える人が出来たのだ。
私たちの関係は変わることなく、中学三年生になった。
そんなある日、事件は起きた。
その日は珍しく、父の帰りが遅かった。
母と晩ご飯を食べていた時、父が帰ってきた。
・・・かなり酔っ払った状態で。
私はものすごく嫌な予感がした。
その予感はすぐに当たった。
父は暴れまくった。私はボコボコにされた。
しまいには包丁を取り出した。
母は煙草を吸っているだけで助けようともしない。
このままでは死んでしまう・・・
そう思った私は必死に逃げた。彼の事など頭になかった。
どれくらい走っただろうか・・・
気がつけば、全く知らないところまで来ていた。
我に返った私は、急にどっと疲れて近くにあった公園のベンチに腰を下ろした。
ベンチに座りながらさっきのことを思い出して
悔しさとやっと逃げ出せたという安心感から一人、号泣していた。
近寄ってきている存在にも気づかずに・・・・・・