第二話【幸せとは・・・】
それからも勉強を頑張っていたが、幸せは続くわけもなく・・・・・・。
中学に上がった頃、父の会社が経営難に陥り、今まで以上に仕事が忙しくなった。
父は会社のストレスを私にぶつけるようになった。
また以前のように殴られる日々になったのだ。
私は母に助けを求めたが、母は見て見ぬふりで助けようともしなかった。
(あぁ、そうか・・・この二人は私の事なんて興味ないんだった・・・)
私は幸せな家庭なんて無理なんだと絶望した。
そんな私にも好きな人が出来た。
同じクラスの亀岡くん。
彼は頭もよくて尚且つ、明るい性格で彼の周りには沢山の友達がいた。
そんな彼を気になるようになったのは、中学二年生になった頃。
私の学校では、テストの順位をクラスごとに掲示板に貼っていた。
そのクラスごとの順位表で彼の存在を知ったのだ。
彼は私に続き、二位だったのだ。
それからも彼はずっと二位をキープしていた。
徐々に彼の存在が気になりだした私は
いつしか彼を目で追うようになっていた。
そんなある日、お昼休みに勉強をしていたら、彼から声を掛けられた。
口から心臓が飛び出るかと思った。
「笹倉さんだよね??」
「そ、そうですけど・・・・・・」
「やっぱり!!いつもテストで一位取ってて凄いね!!」
「いや、亀岡くんこそ・・・・・・!」
聞けば、亀岡くんもいつもテストで一位を取っている私のことを気になっていたらしい。
その日から私たちは、良く話をするようになった。
他愛もない話をしたり、勉強で分からないところを教えあったりしていた。
家の環境が辛くても、彼のおかげで乗り越えることが出来ていたのだ。
ある日、恐れていたことが起きた。
いつものように亀岡くんと喋っている時だった。
彼が衝撃の発言をしたのだ。
「その痣はどうしたの!?」
私は身体が凍りつくのを感じた。
(私の恋はこれでおしまいか・・・・・・)
そう思った。