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東京の星は燃え尽きない  作者: 星雫々
8/18

Victoire de Samothrace

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本当に焦がれてしまったら、

手を伸ばしたいとは思えないし、

触れたいという概念を持たなくなる。




愛しいモノはルーヴル美術館に保管したいし、

スマホのガラス画面の中に閉じ込めたいし、

慈愛を込めて置いておきたい。








欲しがれば欲しがるほど、

欲しいのか分からなくなる。



閾値を超えるほどに焦がれると、

欲しくなくなる。



手が届かないものが愛しいと思う。



掴めない星が流れるのが嫌になる。






温度、湿度、感触、そういった感覚論が通ずるのは、それが幻だからである。幻であるから、刹那的現象をエイエンという概念に結びつけ、錯覚を試みるのである。




例えば切れない水を眺めて唖然とすること。溶けゆく氷を見つめるしかないやるせなさ。そういったものが恋である。


止まることを知っている涙や、止むことを知っている雨は、それに当たらぬことに気づく時がくる。




幻だと気付かぬうちに、手に入れようとする。




だから、人は本当に焦がるる恋を知らない。






恋は不確実で、象れない不良品。


私も、アナタも、初期不良。






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