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微睡んだ目覚め

瞼に暖かく優しい光が当たる…

肌を撫でる様に吹く風は土と草の香りを運んで

私の鼻をくすぐっていきます。

微睡んだ意識の中で私は考えました。

ここは何処だろう?

私は今どんな状態なのだろう?

そして……

『私は…一体何者で、何処から来たのだろう?』と……

記憶が全くと言っていい程無いのです。

まるで深い霧がかかった様に朧げで、曖昧……

加えて詮索を拒む様に思い出そうとすると

頭に鈍痛が波の様に襲い掛かるのです。

「……ぅ……ぁぅ」

襲い掛かる頭痛と記憶の欠損……

それは今の私にとっては

耐え難い苦痛となってしまったようで

知らずのうちに口からは苦しそうな声が漏れてしまっていました。

そんな中すぐ隣から私の頭を優しく撫でる

少し冷たい柔らかな手が伸びてきました。

まるで赤子をあやすように優しく撫でる手は

私にとっては大変心地よく安心出来るものでした。

「大丈夫、大丈夫……苦しくないわ、もう大丈夫よ……」

手の主でしょうか?私のすぐ隣でそう優しく囁いてくれました。

優しくまるで聖母のような慈悲に溢れた

それでいて強い意志を秘めたような声の主は

優しく私の頭を撫でていました。

『声の質的には……女性なのかな、優しくて暖かい……』

いつの間にか頭痛は治まり気持ちは安らいでいました。

同時に疲れからによる眠気がやって来ました。

心地よい眠気に私は身を任せる事にしました。

「……すぅ……すぅ」

「あら?寝ちゃったかしら……

ふふ、おやすみなさい」

そんな声が聞こえたような気がしました。

『……次、目が覚めたら……お礼を……』

そうして私は意識を手放したのでした。


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