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とある者の生まれ変わり

少し遅くなってしまい申し訳ありません。

作者の事情によりもう少し不定期更新は続きそうです。

まったり投稿していきますので

気長に待ってもらえますと嬉しいです

 瞼に心地よい温もりを感じる、

 肌を少し寒い風が撫でていく感触がする、

 風に乗って草木の香りが鼻をくすぐる……。

 あぁ、死後の世界ってこんな心地よい空間なんだなぁと少し眠たげな

 意識の中を俺は彷徨っていた。

 そう言えばなんで死んだんだっけと、頭の中に疑問符が浮かび考える。

 ……あ、そうだ確か帰宅途中に通り魔に刺されて

 そのまま死んだんだっけ。

  本当に呆気ない人生だったなと常々思う。

 何かを守るわけでもなく、唯、通りすがりのサイコパス野郎に

 無差別に腹を刺されて死んだのだから。

 未練があるかと言われれば、一つもないとは言い切れないけれど

 もう少し長生きしてみたかったと思う。

  まぁ、通り魔に刺されて死ぬというのも悪くないかもしれない。

 そう思いながら、心地よい温もりの中に再び意識を沈めようとしたが

 意識を沈めることは出来なかった(・・・・・)

『あれ、なんか身体が熱い……。』

 それは突然に起こった。

 身体が文字通りに熱いのだそして若干痛みもある。

 例えるならば直接火で炙られているような感じ、

 更にいえば火傷したときみたいに痛みと熱さが同時に襲いに来るような……。

『って!熱い!痛い、痛い痛い!マジで痛いし熱い!』

 なんで!なんで!死んだのに!

 死んだら痛覚とか感覚も死ぬよねっ、普通に考えて!

 と心の中でツッコミをいれる。

 然し、現実は甘くなく熱さと痛みは段々と増してくる。

『いや、ちょっと!凄い痛いし熱い!』

 と心で叫ぶ。

 洒落にならないくらいに熱さと痛みが増してきた。

 これは本格的にヤバイかもしれない……。

 そうこうしている間にも熱さと痛みは増していくばかりで一向に

 衰えを見せる気配はない。

『刺殺の後は焼死かよ……死後の世界でも死ぬって意味わかんねぇよ……。』

 そう独り口に出す。

 平凡な人生を歩みたかったのに、

 小さな幸せを噛み締めて生きていたかったのに……、

 どうやら神様は優しくないようだった。

『くそぉ……なんなんだよ……本当に……。』

 段々意識が朦朧としてきた。

 それは痛みの所為なのか、

 はたまた熱さの所為なのか、

 霧のように覆われはじめた意識の中では見当がつかなかった。

 唯一つ言えることは今自分の身に『ナニか』が起きているということ

 それだけだった。

  そして完全に意識を手放そうとした瞬間、

 ちょっとした不快感が襲いかかった。

 その不快感はまるで、何者かに自分の身体を作り変えられるような

 全く別のものにされるような感覚だった。

 辞めてくれ、お願いだ、そう声に出そうとしたが

その願いは叶わず、俺の意識は、私の意識は深い闇の中へと落ちていった。

『ようこそ、貴女を歓迎するわ?』

 そう誰かの声がした気がしたが、私には分からなかった。





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