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終わりと始まりはいつも唐突に

更新不定期で駄文ですが

読んで楽しんでくださると光栄です

『異世界転生』、それは誰もが夢見るものだ。

その名の通り『異世界』に別の姿、または違う種として『転生』するのである。

もちろん『転生』する為には何らかの原因が必要な訳だが、

不慮の事故だとか、通り魔に刺されるだとか、天寿を全うするだとか……

まぁ様々だと思う。

で、そのような原因を踏んだうえで『転生』する訳なのだが、

この時、何故か特殊な能力が貰える事がまぁあるのだ。

あとは判ると思うがその特殊な能力がチート級に強かったりとか、

異世界最強だとか、無双だったりするのがお決まりである。

何故そんな話をするかだって?

最近は異世界最強だとかそう言うものが流行ってるらしいからな、

少し再確認的な感じだと思って気にしないでくれ。

……すまない、前置きが長くなったな。

まず自己紹介といこう、俺の名前は『 藍雛 薇姫(あいひな らぎ)

性別は男、名前の所為で良く女性に間違えられるがれっきとした男なんだ。

年齢は25歳、そこそこな大学を出て大手企業に勤めるいたって普通の社会人だ。

そう、俺は平々凡々な社会人『だった』。

いつもの様に目覚まし時計に起こされ、

一人寂しく朝食をとり、

電車に乗って通勤する。

仕事が終われば家に帰り、

買い貯めてあったライトノベルを読んだり、

ゲームをしたりなどして

風呂に入って寝る。

そんな面白みの欠片なんてない

平和でありふれた普通の生活を送っていたんだ。

この生活が永遠に続き、そのうち好きな人ができ

結婚して家族を作ってあとは嫁さんと死ぬまで一緒に暮らす予定だったのだが、

神様はどうやらそれを許してくれなかったらしい。

現実は非情な事になかなか上手く事が進まないものだなと強く実感する。

薄れゆく意識の中、腹部からの熱を感じながらそう一人心の中で思う。

隣で誰かが何かを言っている気がするが全く耳に入って来ない。

「あぁ……、俺……死ぬんだな……。」

腹部からの熱と痛みを感じながら

辛うじて残った意識で口を動かす。

「はぁ……、こんな事になるなら……、婚活しとけばよかったなぁ……。」

我ながら、本当にそう思う。

死に際の台詞が婚活の話とか格好がつかないといえばそうだが

思いつくのはそれぐらいしかなかった。

薄れゆく意識の中で最後に自分の人生を振り返る。

うん、普通の人生だった。

面白みの欠片もない日常だったが不思議と充実していたと思う。

というか本当に人間って死に際に瀕した時に、

走馬灯を見るんだなって思った。

そこでやっと自分の命がもうすぐ消える事を思い出した。

思い出した瞬間、急速に自分の身体から熱が冷めていくのを感じた。

それと同時に俺の意識もだんだん暗い海の底へと沈んでいった。


そう俺、藍雛 薇姫25歳童貞はこの日

通り魔に遭って殺されたのだった。


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