導入1
不老少年は夢を見る。
自分がまだ人間として生きていた頃の夢だ。
地獄だった。
ただただ地獄だった。
何もかも人に頼っていた。
息をするのも、歩くのも、食べるのも、排せつ物の処理も、何もかも人任せだ。
周りは自分を可哀想だと言った。
変われるものなら変わってやりたいと言った。
嘘をつけ。
お前らが吐く言葉嘘だ。
醜く、飾られ、厚化粧のように本当の顔が見えないほどに厚く厚く重ねられた面の皮の下から発した虚言だ。
その言葉でお前らは優越感に浸るのだろう。
さぞ気持ちがいいのだろう。
さぞ楽しいのだろう。
その楽しさが、気持ちよさがお前らの言葉の本質だ。
あぁ、彼は動けない。
そんな彼を助けている私はなんていい人なのだろう!
彼を助けられるのは私しかいない!
自分に酔って、周りからも称賛され嬉しかっただろう。
反吐が出る。
どれも自分本位ではないか。
どれも周りからの評価を気にした行動ではないか。
その中に本心はあったのか?
もしかしたらあったのかもしれないな。
けれど、もし本心があったのならそれは趣味の悪い金色に輝いている、目に痛い色のな本心だったのだろう。
そんな本心では俺は救われなかった。
そんなお前らを毎日目にしていたからだろう。
そんな肥溜めの中で蠢く虫のように醜く、それなのに自分は美しいと思っていた、お前らに、お前らに世話されている自分がいるどんどん嫌いになっていった。
なぜこんなら奴らに世話をされなければいけないのだ。
なぜ私は動けないのだ。
ああ、結局私は奴らに頼るしかないのか。
悲しいよ。
悲しさの感情しかない。
けれど、私は生きたいのだ。
自分の力でやりたい事があったのだ。
だから、繕いながら生きていた。
そして、そのおかげで彼女に出会うことが出来たのだ。




