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プロローグ:とある島で・・

暗い・・・寒い・・・

どこなんだここは

なんて居心地の悪い・・

悪臭も絶えない

いったいどれくらいここにいるんだろうか

今何時・・・・・何日・・なんが・・・何年だ?


困惑し、かつ遠のいていく意識の中・・声が聞こえる


『・・・殺しとくか・・?』

男の声だ・・・

『はやまらないで・・・まず持ち物を確認。』

もうひとり・・女・・?

『時計・・こわれた磁石・・他には・・食料すらないな・・・ さっさと殺しちまおうぜ』

男がせかすように言う

『でも賊でもないようだし もちろん政府でも・・・なんでこんなところに・・』

なんの話を・・ 


政府・・? 賊・・・・!?

・・・っ!

・俺は我に帰った

そうだ!伝えなければ! は・・はやく!

だが意識をふりおこそうにも体に・・目に・・口に・・力がはいらない・・・ そもそも・・おれは呼吸しているのか・・・? くそ!くそ!


ザバッ!

次の瞬間 顔面に極度の冷たさが襲ってきた 意識が明確になり、のどが潤っていくのが分かる  どうやら多量の水をかけられているらしい 無意識にその水を必死に飲み込んだ自分に気づくとすぐさま起き上り、水が流れて来る源であろう水筒を遮った

「っぷは!   ハァハァ!」


目をあけると二人の兵士・・・その背景には樹海・・・の巨大なくぼみのような・・ こけや大木の根っこであろうものが石の壁に無数にはりついている  

見上げてみると大木の枝から生える巨大な葉に透き通るまばゆい光

太陽の光を浴びたのは何年ぶりだろう

至福ともいえる輝きにそんな錯覚を覚えた


「おい!きいているのか!」

「っ!・・・!? え?」

男の罵声で今の状況を認識する

「あんた・・まず自分の素性をなにからなにまであたしらに明かしてくんないかな」

迷彩の軍服姿のふたりはあきらかな上から目線で話してくる

「おい!何シカトぶっこいてんだ!・・・俺たちゃ忙しいんだ・・ 隊長もなんでこんなやつに構って・・」

「だまって“将” あっちいってなさい 周辺の巡回でもしてきて」

厳しい口調で命令された、がたいのいい30代ほどの男はしぶしぶくぼみを登って巡回を始めた

「で・・・ はやくしゃべりなさいよ・・それとも人には明かせないような理由でもある?」

一方的にまくし立ててくる20代そこらの年下の女に面食らいながらも俺は自分の使命を最優先に言葉にした

「ま・・まってくれ!きいてくれ!」

俺は一心不乱に話した   いったいどれくらいこの言葉をため込んだんだろう

ぶつけようのない衝動を俺はいつからため込んでいたんだろう

気の遠くなる想起を始める・・・

どうやら時間をかなり溯る必要がありそうだ


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